11.師匠と旅に出ました
しばらく体調を崩してしまい投稿が出来ませんでした。すみません。
町から出たことのなかった私が師匠と旅をしている。
見たことのない花。嗅ぎなれない匂い。いつもと違う音。
薬草を採取するために街道を離れてわざわざ森に入っていく。
師匠は気まぐれなところがある。そして方向音痴だ。
何度も道に迷って、食料が尽きそうになった。
これで本当にこれまで何事もなく旅が出来ていたことのほうが驚きだ。
それもこれも師匠の持っている大容量のマジックバックのおかげだ。
どれだけ入るんだろうってくらいの大容量のマジックバックを持っている。
平民ではマジックバックなんて手が届かないのにそれも大容量。
師匠の過去については聞いても何も教えてもらうことはできなかった。
まぁ、私にだって言えないことはある。
過去に戻ってきたなんて言ったら頭がおかしいと思われてしまうかもしれないし、きっと一生誰にも言わないかもしれない。
だから気になるけど、言いたくないことを詮索するつもりはない。
なれない旅にケガをしたり、熱を出したりするたびに師匠は薬を煎じてくれた。
「大丈夫、急ぐ旅ではありませんからゆっくり休んでください。」
イグラクト王国まであと少しというところだった。
町によるとあちこちから聖女様という言葉が聞こえてきた。
食料を調達するときに店の人に話を聞いてみると、
「なんだ、まだ知らないのかい?聖女様としてまだ15歳の少女が認められたんだよ。
なんでも元は平民らしい。それが魔力があるからって貴族の養女になって癒し魔法が発現したんだから人生何があるかわからねぇなぁ。」
確かに前も聖女様がいたわね。
まさか同い年の子だったなんて当時は知らなかったわ。
正直興味がなかったっていうほうが近いかも。
ただ聖女様がいたからってあの流行病を止めることは出来なかった。
急激に広がって亡くなった人がそこら中に溢れていた。
もうあんな苦しみは絶対に味わいたくない!その気持ちだけでこうして今自分も何かできることがないか探しているのだ。
宿に戻ると本を読み始めた。
師匠は説明が丁寧でわかりやすい。そしてたくさんの本を渡してきて読んで勉強するように言ってくる。
そして薬草を見つけたり、ケガや病気をしている人に会うたびにいろいろ質問されるからちゃんと答えられるようにしておかないと。
せっかく弟子にしてもらったんだから、時間があるときにはこうして本を読んで勉強をしている。
「リリーはもう帰っていたのですね。」
戸を開ける音がして振り返ると、師匠が帰ってきたところだった。
「おかえりなさい。ご友人にはお会いできましたか?」
「それがちょうど出かけていてね。隣の家の人に聞いたところ隣町まで行っているから帰ってくるのに2、3日かかるかもしれないらしい。
尋ねたのが急だから仕方ないね。
すまないが、どうしても会いたいんだ。何日かここで泊まろうかと思っているよ。」
「構いませんよ。ゆっくり本を読むこともできますから。」
「時間もあるのでこの前採取した薬草を煎じておこうと思います。お手伝いしてもらえますか?」
「はいっ!」
私は嬉しくなって声が大きくなってしまった。
「在庫が少なくなってきたので、風邪の薬を準備しておきましょう。」
風邪の薬といっても一つではない。
一言で風邪といってもその原因は様々で症状も人それぞれだ。
風邪に効く万能の薬はない。
だからこそその人それぞれに合わせた調合を行う。
師匠が台の上に器具や薬草を並べていく。
と、その時トントンと戸を叩く音がした。




