表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/238

#42 被害者の会と4×3の答え

 ユンニを出てしばらく経ち、人気の無い山中に着いた2人はそれぞれ誰かの野営跡に腰を下ろした。


「ジェネシス、人造人間、そして裏の四竜征剣とくれば、ブレンとヘキサスにも接点があったと見て間違いないだろう」

「そうですね。私は……この通り、これが受け取った『バリアー・テフ』です」


 オルキトが手にとって見せたのは、バリアー・シーとは刀身の色が黄色から青色に変わっているショートソード。

 次いでアルも、自身の四竜征剣を出して見せる。


「テフが『音』を消し去るのに対して、俺のシーは『姿』を消し去る。こうやって」


 アルが瞬時に姿を消してみせると、おお、とオルキトは感嘆の声をあげる。


「驚くべき性能ですが、それにしては不思議な親近感があります」

「そうだな。俺もそう感じてる」


 姿を戻しながら、アルは思う存分に話の続きをする。


「ヘキサスとの出会いもやっぱり、別の四竜征剣をもらったことがきっかけだったのか?」

「ええ、その通りです。瀕死のところを助けようと……その顔だとアルさんもそうでしたか」

「それでジェネシスのハンナと遭遇して、最期を見届けたと言ったけど巻き込まれた」

「はい……」


 激励の意を込めて、アルはオルキトの肩を叩いてやった。


「それにヘキサスさんの行方はともかく、ハンナは四竜征剣も追ってきていて、新たに渡された『裏』のことも問い詰められました」


 ブレンと敵対する組織として、一般冒険者以上の知識があると伺える。


「『裏』に交換をしてもらった経緯として、そのヘキサスとは1度目2度目、いつどこで出会った?」

「僕は2度ともユンニ付近で、少なくとも2か月前と、2度目は1週間前。すごく最近です」

「俺はブレンと会ったのが2週間前のジフォンで、交換したのが1週間前のユンニの街中で……」


 ブレンと会ってから、1日を出張の支度に費やして、2日のリワン村での滞在にてカンナを撃退、5日ほどユンニで帰郷のためアルバイトをして計1週間。

 コトハ達との協力クエスト内で獣人撃破をして、その日のうちにブレンと表裏の四竜征剣を交換。

 翌日からレーネの件で5日を費やすことになり、およそ1週間が経った。

 改めてアルは2週間ジフォンに帰ることができていなかった。


「待て待て。ヘキサス─ブレン間でブツの受渡はいつした? 1週間前だとヘキサスが持ってるけど、それならもっと過去の俺はどうやって何を受け取ってたんだ」

「また書き出してみます?」


 日付を揃えて2週間前をα、1週間前をβにして4人の四竜征剣の所持情報を便箋に書き出す。


 α時点 ヘキサス:×/ブレン:×/オルキト:○/アル:○


 β時点 ヘキサス:○/ブレン:○/オルキト:×/アル:×


「……αだと俺は確かに4本持ってた」

「僕も……たぶんですね。使う機会が無かったので本数は知らないんですよ」


 射手であったオルキトは剣の腕に覚えが無いため、やかましい抜刀音も相まって1本だけ出してそれ以上は調べていないと言う。


「『ワクケルビン』、って剣ですよね?」

「……『オモテ』の4本だぞ?」

「オモテ? 『ウラ』に対する『(シン)』の4本だったと聞いたんですが……」


 アルは難しく考えたりせず、オモテ、ウラ、シンの3組×4本、合計12本の四竜征剣があるのだと仮定した方がわかりやすいと割り切った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ