#177 アルとサジンの大陸祭④
「では次の試練の会場へ移動しましょう。案内に従ってくださーい」
”知恵の試練”通過者が運営に指示され移動を始めると、先ほど場を盛り上げたアルは他の参加者からちらちらと注目を浴びることがあった。
ただ一番の注目はというと空模様を一変させたそのタネと仕掛け人であり、あれこれと思案を巡らせているものの、それがまさか、あちこちで何でも屋を自称しているアルの、伝説の四竜征剣によるものだとは誰もが考えもしなかった。
「アルさん!」
しかし中には例外もいて、オルキトがサジンを伴いつつ、その胸に確信めいた考えを抱きながらアルに詰め寄っていく。
「ブリッツバーサーを持っていることは知って──むごふっ!?」
まずその話よりも先に自分の口で伝えておきたいことがあるのだ、とオルキトの口を塞いでアルは、後方のサジンと目を合わせる。
「その、だな。アレは──」
「待て。今はそういう時じゃない。正々堂々闘い合う者同士で手の内は明かすな」
「いやでも厳密に言ったら、俺を冒険者とみなした場合の、その正統な能力じゃあないわけで……だな」
「冒険者が各々の装備と巡り会う縁。運の良し悪しに左右されるがしかし、紛れもなく自身の力だと私はみなしている。だから、気兼ねなく本気で競い合ってほしい。それだけ言いに来た」
アルが入り込む余地はなく、サジンはさっさと先を歩いていってしまった。
「それでアルさん。ブリッツバーサーを持っているとは知ってましたが、アレは確かダースクウカですよね?」
「……別にダースクウカを持ってないとも言ってなかったろ。聞かれなかったし」
「いや、そんな屁理屈みたいなこと」
ふと一連のやり取りに違和感を覚えたアルだがそれは、ワッドラットのジェネシスのアジトでブレンと再会した時のそういうやり取りのことで、無意識に自分が同じことをしていたと思うと複雑な気分だった。
いやもしかしたら、ブレンも自分と同じ状況だったのだろうかとも考えてもいた。
そうやっていずれの立場の心中をわかっていても、詰め寄ってくるオルキトの気迫に圧されて視線を背けると前方を歩いていたサジンと目が合う。
そしてすぐにぱっとそっぽを向かれた。
「じゃあ聞き方を変えます。サジンさんの考えも尊重して、内訳まではいいです。今はいくつ、四竜征剣の類のものを持っていますか?」
「まあそれなら……えーと」
指を折って正確な記憶を辿ろうと視線を上げた。
またサジンと目が合う。
ぱっとそっぽを向かれる。
『まあ騎士としては、伝説の四竜征剣には興味津々ってわけか。全部終わったらきちんと話さなくちゃな』
◇
「さてここからは、運営者権限で脱落者から有志を募り、大陸祭の進行に手を貸していただいております。ということで早速ジルフォードさんよろしくお願いします」
『ジルフォード脱落してた!』
ネラガの街中に設営された第二の試練の舞台、そこで司会の隣にいたのはアルが知らぬうちに先の試練を脱落していたジルフォードだった。
その2人から、街の広場を柵で丸く仕切って、長机とそれを”ハ”字で挟んで見下ろすひな壇状の座席──おそらく参加者用の──があるだけの状況についての説明が始まる。
「では第二の試練について初めの項目から。ジルフォードさん」
「”勇気の試練”では、名前の通りに勇気を試す試練となっている。しかし勇気といっても、先の”知恵の試練”のような知識の有無といった風にはっきりとした指標、判断基準、はかり方がない。そこで考案されたのが、”中身が見えない箱へ手だけを入れてその中身を当てる”というもの。”中身が見えない箱”とは冒険者の立場で言うなれば、それについて誰もなにも知らない前人未踏の地。そして中身とはその前人未踏の地に潜み、蔓延る害獣と言える。いや、あるいは先人が遺した宝物とも言える。改めて”勇気の試練”とは、”中身が見えない箱”とその”中身”を冒険者にとっての前人未踏の地と、そこにある宝物と見立てて危険を恐れず一歩を踏み出す勇気を示す試練となっている」
「要するに”箱の中身はなんだろなゲーム”ですね。では次の項目を。ジルフォードさん」
「試練にあたり、チーム内での挑戦者の選出についての説明だ。今回の試練はチーム単位の挑戦となり、チームで選んだ代表の1人目で通過すればそのチームの全員は揃って通過となる。(後で異議申し立てされないようにここはきちんと説明を……ん? かっこ内は読まなくていい? こほん。ここで”1人目で”といったのは、原則この試練はチームメンバーが全員脱落するまで続行。挑戦者は回答数の上限はないものの、制限時間を越えたり棄権をすれば脱落となり、それに伴うメンバー交代時には中身も入れ替えることとなっている」
「要するにチームで代表者1人を選んで、その人が正解すればチームはまとめて通過。なるべく自信のある人から挑戦していって、いかにしてメンバーを温存できるかが大切です」
『……さっきの企画といいなんかこう、歴史ある祭事っぽくないな……』
あとは実際に挑戦してもらって雰囲気を掴んでもらった方がいいでしょう、と司会は謎だった長机にいろいろと準備をさせて、その間に参加者はやはりひな壇状の観覧席に移された。
今回、精霊は挑戦者のみにつかせるというのでアルは緊張から解放されたためだけでなく、当てつけのように大きくため息をついた。
◇
アル達のチーム”ステラ‐Ⅱ”は話し合った結果、はじめの代表者はコトハとなり、一旦観覧席とは別の場所で待機となった。
サジンとオルキトの”ステラ‐Ⅰ”はオルキトが。
ニコルとレドラ(登録名:レンくんパパ)の”大鷲の誇り”はレドラが代表者となって、そうなると観覧席で自由だったニコルはサジンと合流して談笑し始める。
そしてアルはシオン(登録名:えびグラタン)を伴いながら1人の女性の元に。
「お姉さん。隣いいですか」
「もう座りかけてるみたいなんだけど……ええ、どうぞ」
ゼールヴァを送り出して1人でいたオルフィアに、世間向けの淑やかな振る舞いで応じられるとアルはその隣に座った。
そしてその裏の顔を取り繕う様を堪能せんと、ここぞとばかりに質問をする。
「なんでイヌなんか連れてたんです?」
「ええ? いいじゃない。名目上はお祭りなんだからほら、こういうお茶目なのがあったって」
「でももともと俺が誘われてたような……つまり俺が担うようなポジションがアレだと。やっぱそういう扱いだったんですかー」
「もー、そんなことないよお。お姉さんはネラガに来た記念としてアル君には楽しんでもらいたいな、って思ってたのよ? でも残念。フラれちゃった」
「またまたそんな。お姉さんなら引く手あまたでしょ。バハムートの船員にアテはあったでしょう?」
「……”アル君じゃない”誰かを呼んだって居心地は悪いままだから。ただでさえ既にゼールヴァがいるのに」
やや素が出ていたようなので、アルがそれを追及しようとするが観客の歓声により遮られてしまう。
件の人物、ゼールヴァが広場の中心にいてどうやらなにか活躍をしたのだとすぐに察せた。
「”透視”を使えるの」
「……ん?」
「ゼールヴァはそれであの箱には一切触れず中身を言い当てちゃうんだ」
「超越種ってプラズマやら浮遊に飛行の能力だけじゃないんですか……?」
そんなものは違反行為じゃないかとアルは司会の様子を見たが、ぱちぱちと拍手でゼールヴァを称えている。
違反行為を取り締まる精霊も全く咎める雰囲気はない。
「……とりあえず、この試練は通過ってことですか。おめでとうございます……いてっ」
「あら? ごめんなさい」
「いや今わざと足踏みませんでした?」
確かに半ば思考放棄して薄っぺらな賞賛を口にした自覚はあったが、一応は世間向けの笑顔を張り付けているオルフィアが大胆な行動に出てきたので、アルはそれを逆手にとって挑発しようとするのだがシオンが肘で小突いてそれを阻止する。
「次はコトハらしい。行くぞ。……アイツのことだ、攻略方法はきっと見つけてるだろうし心配はしてないが、あのサジンが見てる以上、私達に余裕がないように振る舞った方がいいんだろう?」
「……ま、だべってたりしてへらへらした態度でいればむやみに刺激することになる。確かに今は精霊付いてないし、焦ってぎりぎりな感じは演じておきたいな」
アルとシオンは会釈をしてオルフィアの元から離れ、ひな壇の最前まで近づいていった。
「クエストに全然出ないから、こういう手段でしか誘えないのに……はあ。なにが楽しくてゼールヴァの無双を横で見てなくちゃいけないのよ。精霊のおかげで退くに退けないし」
オルフィアの愚痴は、それを聞かせたかったアルに届かないまま空中へ解けていった。
◇
「しかし、よくオルフィアさんとああもしゃべれるな」
さっきまでじっと黙っていたシオンは、オルフィアと距離を置くとそうアルに話しかける。
「だいぶ目立ってたぞ。名うての錬金術師であるオルフィアさんに話しかけるとはどれほどの手練れなのか、はたまたどれほどの身の程知らずか、ってな」
「え、まじか。どうすっかな……なら今後一切話しかけないようにでもするか」
「いやいやいや、なぜそういう扱いをできる」
そのあまりにも不遜な態度のアルを見たシオンが、ほとんどの厄介ごとの種である四竜征剣の関与をまず疑うのは自然であった。
「ちなみにオルフィアさんは四竜征剣のことを把握してるのか?」
「ああ。大きな声じゃ言えないが」
「なるほどな。納得した。私だってさすがにオルフィアさんが完璧な超人じゃないとは思ってるし、多少なり不当な扱いでもされた、とかか」
『なんか独りでに納得してるし、まあ曖昧にして濁しとくか。この機会にお姉さんの正体を明かそうとも思わなくもないが報復怖いし、地元のネラガで根付いてるイメージは強いから、俺のふざけて便乗した冗談だと言われそうだ。やれやれ』
なんと厄介な人物に目をつけられてしまったものだと、せめてまだ明かしていないブリッツバーサーについてはなんとしても隠し通さねば──そう考えてアルは、まさか既にやらかしてはいないか記憶を振り返るが。
『うん。ブリッツバーサーはきちんと隠せてるはず。けど、あれ? お姉さんの前でダースクウカを抜いたのってさっきが初めてで、それなら無力のはずの俺には戦力としては期待されてない……よな。けど、ならなんでチームに誘われたんだ……? ううん?』
◇
「では次の挑戦。チームは”ステラ‐Ⅱ”のコトハさんでーす」
箱が置かれた机の前にコトハが立つと司会による紹介が入り、観衆からは(コトハのその外見は実年齢に対しやや幼く見えるため)年配者を中心に温かい応援の声が上がる。
きちんと話し合った結果とはいえ、アルは複雑な表情で舞台のコトハを見つめていた。
「……別に俺が行ってもよかったのにな」
「こーら、精霊の審議が入るぞ。忘れたか?」
「わざと負けれるに越したことはないけど、やっぱりサジンを侮辱することになるからだめだ。というかこれはそれ以前の問題で──」
「紳士ぶって私達を守ろうとしてた心意気は評価する。が、この試練で求められてる勇敢さに、加えて知識ほかの点で見た総合的な評価では圧倒的にコトハが優秀だから妥当な判断だぞ」
「……はっきり言うなよな」
「なに、コトハを信じることでもあるんだ。もしかしたらこの試練はこういうのを試す目的を含んでるのかもな」
「ぬう……意地が悪い」
シオンの主張にアルがいくら抗おうと、試練は既に決定した挑戦者を変更できない段階になっていて、やがて開始の合図がされるとコトハは迷うことなく箱の側面に空いた穴に両手を突っ込む。
「……」
「……おや?」
「……」
「コトハさん。初めは勢いが良かったですが……どうでしょう、固まって動いていないように見えるのは気のせいでしょうか……?」
司会が困惑したのを皮切りに観衆もざわざわとし始め、アルもとうとう耐えきれず『ああ……』と弱々しい声を漏らす。
先のゼールヴァの時には見向きもされなかったが、制限時間は水が注がれたガラスの筒を使った装置で表され、底に空いた穴から水は毎秒滴り落ちていき、筒に刻まれた目盛りの最も上にあった水位が半分に差し掛かった──ところでコトハがかっと目を見開き、箱の奥へと手を伸ばした。
「わかった。”フグ”だ」
「お、おおっと? これは……正解、正解です! ネラガ特産の”マァブル・フグ”が入っていました……が、少し時間を置いてしまったようでちょっと元気がないですね」
もちろんマァブル・フグも例に漏れず毒を有しているが食べない限りは安全で、鋭い棘や鋭利なヒレはなく気性も大人しく噛んだりはしない。
それでも運営としては慌てふためく様を期待していたのだが、いざ中身を開けてみるとぐったりと水面に浮かぶフグが一匹いるだけで、それはもう動かぬモノを相手にしているも同然だった。
「誰が予測できたでしょうこんな展開、見事コトハさんおよびチーム”ステラ‐Ⅱ”、試練通過でーす!」
拍手を送ってくる観衆にコトハは一礼。
それから運営の1人になにか話しかけて、箱の中身だったフグを持ち帰ってアル達の方へ歩み寄っていく。
「なんか、追い詰められたか知らんが頑張ったなコトハ」
「まあね」
「いや本当にすごい……」
コトハの活躍を褒めるアルだったがやはり、その手にあるフグを注意せざるを得なかった。
「持ち帰っていいか聞いたのか?」
「うん。食べる」
「お、おう……もちろん冗談だよな?」
アルの心配をよそにコトハはせっせと防水性の袋に戦利品を詰めて鞄にしまう。
その一連の動作はまるで、誰にも食べさせないよう独り占めするようかのように、普段のコトハと比べると焦った様子が見られた。
『私の知る限りだとコトハの能力は、もしも無生物に使ってたら無駄打ちに終わるだけ……いや? この状況だと、どうせ対象がわからないのだったら見境なく使ってるか。となると』
自分がもしコトハの立場にあった時を想像してみてシオンは、あの場でなにがあってどういう結果になるかをざっくりと推理した。
『中身がなにであろうとコトハは、”毒物発生能力”で脅威を取り去るつもりだったなこれは。ああ、そうか。あの妙な待機時間は、ルーティン不要の能力だったから意味不明だったが、箱の中に毒を充満させる時間だった……で、その後の処理で能力バレの対策も兼ねて万が一の被害者が出ないように中身を引き取った。”毒物無効能力”もあるから自分自身の毒で汚染されたものでも食べて証拠は隠滅できる』
すぐそばで会話を聞いているとなにやらコトハとは、ばっちい、などという言葉を交わしていて、即死まである毒物と比べれば可愛い危険に怯えているアルがなんて平和で羨ましい人間なんだとシオンは肩をすくめていた。
◇
「では厳正なる抽選の結果に基づき、次のチームは同じく”星”という言葉を掲げる”ステラ‐Ⅰ”──」
「ワンワン!」
「わーい、ありがとうねツバキちゃん可愛い応援」
『……調子狂うな』
そう思ったアルだが、マイペースな進行をする司会を一瞥しただけでさっきまでコトハがいた位置と入れ替わるようにして立っていたオルキトに注目していた。
気合を入れるために鼻息を荒くして拳をぐっと握っていて、冒険者素人のアルから見ても明らかに、集中によってこの場で有用な能力を発動せんとしている雰囲気ではなく、正攻法──”勇気の試練”の名の通り勇気で恐怖に打ち克つつもりだった。
「では1人目の挑戦者オルキトさん、よろしくお願いしまーす」
「よおし!」
気合十分、胸の高さまである箱に密着しながら戸惑うことなく中身をまさぐるオルキト。
「……なんか水音がするような」
「じゃあまた魚とか?」
コトハはぽんぽんと鞄を叩いて予想の根拠を示し、アルはそれに別段反論することもない。
「そうかもな。そもそも余程危険なものは入ってないだろうし、あの勢いをキープしてればいずれは特定できるはず。いや、頼むぞ……?」
レーネに次いでオルキトも脱落、ひいてはリーダーのサジンまで脱落してしまうとその面子を潰してしまうことになるために、アルは心の中でオルキトを応援する。
するとやがて応援が届いたか、オルキトの動きが段階的に変わってきて、その体全体を使った動きは見えないはずの箱の中身の大きさ、形状などをまるで周りに伝えるてもいるようで、どうやら細長いなにからしい。
「なにか様子がおかしくないか?」
「ああ、時間内なら回答権に制限はないからじゃんじゃん答えていくべきなのに」
「……すごく汗をかいているようだが」
どうやら箱の中身に見当はついているものの口にできない事情があるようで、シオンが観察して様子をゆっくり分析する間もなく、まだ額に汗しているだけだった状態は目まぐるしく変移していき、血の気が引いて唇も青くなって、とうとう──。
「ぴ……ぴいぃ……」
奇声を上げながら泡を吹いて気絶した。
「オルキト様! くっ、まさか……ああ、そういうことか」
「ゼールヴァさん! いったいなにが……」
気絶したオルキトへと真っ先に駆けつけたのはゼールヴァ。
アルが真相を知っている様子でいる彼に事情を尋ねると、オルキトが試練を続行不可能であることを運営に確かめ、箱の中身を開けて明らかにした。
「これは……ウナギ?」
「ああ、オルキト様は幼い頃にウナギの養殖池に落ちたことがあって、それ以来ウナギほかナマズにタコやイカ。そういうヌルヌルやヌメヌメを見るだけで気分を悪くして、まして触ったりするとこうして気を失ってしまう」
「ええ……」
◇
「はい、今回も試練の通過チームを、独断でピックアップして紹介しまーす」
試練終了後の広場には飄々とした司会の声が響く。
「まずはチーム”大鷲の誇り”。レンくんパパが、残されたメンバーのコレルさんを守るかのように勇猛果敢に試練に挑戦し見事に通過。”パパ”とあって確かな頼りがいを備えていますね」
「素直に誉めてんのかね……なんか恥ずかしいな」
持ち上げられた”レンくんパパ”ことレドラは、まんざらでもない雰囲気で頭をかいていた。
「続いては”ステラ‐Ⅱ”。むむー……予期せぬ事態はありましたが、それを含めて一連の流れはとてもスマートなものでした」
司会はその言葉とはミスマッチして薄く笑いながらコトハを眺めていた。
しかしコトハはそういうゆさぶりにも知らぬ存ぜぬのスタンス、あくまでしらを切っていた。
「うーん、そしてもう一方のステラ。サジンさんは健在ですが、ここでももう1人を欠いてしまいましたねえ」
事実のみを述べた司会の無情な言葉に、悔しそうに肩を震わせているサジン。
精霊のガブは心配そうに周りを飛んでいたが、どうしてもおっかなくてアルは目も合わせられなかった。
「ですが結果は最後までわかりません。移動と休憩を挟んだ次は最後の試練。そこでの活躍を期待しておりまーす」
『ん、次が最後……か』
いよいよ些細な喧嘩から始まったアルとサジンの対決は佳境にさしかかるのだった。