#0 プロローグ
設定のメモ消しちゃったからライリのフルネーム出てたか忘れました。
まだ竜が存在していたはるか昔、ある大海原に異変が生じた。
暗く深い海に目だけを光らせる碧い竜、それは怒涛により世界の全てを海へ沈め、高らかに宣言する。
──この世界は私が創り上げた。
しかしそこへ空を覆い尽くす灰を纏う隕石が降ると、あっという間に海の半分を干上がらせた。
隕石からは赤黒い竜が生まれ、碧い竜を鋭い目で睨む。
──世界は火と湧き上がる岩でできた。つまり世界は私のものだ。
碧い竜と赤黒い竜の世界の起源を巡る争い。
それは空を覆う灰のせいで、たとえ異次元にある何者にも介入されず、止める者はいなかった。
やがてそれを鎮めたのは夜の訪れ。
無数の星が瞬く夜空を眼とする、手に足に翼がどこかもわからぬほど巨大な竜はこう言い張る。
──世界は私の眼の内の、ひとつの瞬きに過ぎない。つまり私によって生まれた。
嘲笑うように暗い世界をぐるぐると回る眼は、その舞いにより海にうずまきを起こし、大地に走る溶岩は逆流して、それぞれは争っていた竜を海に沈め、地に伏せさせる。
夜が海と大地を支配する世界。
それは決して長く続かず、その身を斬り裂いたのは世界の端から端まで伸びた一筋の光。
黄金の竜が目にも止まらぬ速さで飛んだ軌跡だった。
──闇とははじまりとは程遠い、世界をあらゆるものから覆い隠す殻だ。殻は私の光により破られ、それにより世界が始まった。
黄金の竜と姿が不明の竜の争いは何千、何万、何億と数え切れぬほど続き、それにより世界の刻は瞬きの間に目まぐるしく循環する。
それはまた碧の竜と赤黒い竜の発狂と暴走を招き、光と闇の循環、大海原の波乱と溶岩の侵略により、世界は混乱を極めていた。
世界を破壊しかねない四竜の暴走に勇者が立ち上がった。
強大な竜たちを征し屈服させる四本の剣をもって世界の混乱を収めた、その伝説はやがて
四竜征剣
として語り継がれることとなった。