あの人の頭の中 3
そうそう。 忘れてはならないのはあの事件の後に出た新聞だ。 なぜすぐにヤード王子とノアの婚約が新聞で出まわったのか。
記者を見つけ出し、ちょーっと可愛がって聞いてみたら、予想通り、バジアミン家のものが手を回したものだった。 城が爆発されたニュースは情報操作によりそれから4日後に出ていたので、帝国民たちは複雑な気持ちとなったのであろう。 そしてその2日後、ナナージュ死亡の記事。 葬式も親族だけという、不自然さにある噂が立つことになってしまった。
「ナナージュ嬢の自殺」
である。
な訳ない! あんな心の強いやつが自殺なんかする訳ない! ナナージュを知っているものならそう簡単に思うのだろうが、噂が好きな帝国民たちはどういうところから噂がこぼれたのか知らないが、なぜが大半の国民がそれを信じているということになってしまった。
この時の弟の話もしなければいけないだろう。
ナナージュが死んだと伝えられた日。 あの時のように一日中ベットで泣いていた。
ナナージュが生きていることを知っていたから伝えるべきか迷ったが、それでは彼は一生結婚しないと思い、悪いと思いながら、私はその事実を秘密にしたのだ。
しかし、翌日からいつも通りに過ごしていた。 吹っ切れたのであろうか。 元気になったのならそれでいいと思っていたのだ。 ナナージュが生きていると気付いているとは思わなかった。 どうりでその後女性へとガードがより一層堅くなった訳だ。
…ナナージュ、責任とってアルをもらってやってくれないかなぁ。
あのままだと一生独身だ。
なのにナナージュはアルの気持ちにちっとも、1mmも気付かない。 嫌いな訳じゃないんならもう恋愛感情関係なくくっつけてしまおうか。
え? 私の結婚? …私は結婚しない主義だ。 沢山のふわふわちゃんと遊びたい。 可愛ければ歳は関係ない。 年下でも、少し年上でも大歓迎だ。