あの帝国の本質 2
この日の宣伝は大成功であったと言える。
私達は午後からは店に戻り、内装工事の打ち合わせをする。
ちょうど内装工事をしてくれる大工さんとの打ち合わせが終わった時、ドアの叩く音がした。
「誰ダ??」
「帝国のものだ! 入れてもらおう!!」
帝国?? 店を開く上で何か書類の不備があったのだろうか?
私は恐る恐る扉を開く。 そうすると見覚えのある、帝国の騎士団の服をきた騎士団が3人ほど、その場所にいた。 どれも見覚えのない顔である。
「我らは第一騎士団のものである! この店は申請書類によると『レタブリ』という店になっているのだが、お前は何者だ! どこから来た!!」
うわっ。 昔とわからない横暴な態度である。 気に食わない。 しかし、今は平民。 逆らうわけにはいかなかった。
「私は『ミーオ』。 ナーハヤから来タ。 ここで商売。 回復。 すル。」
「…カタコトでわかりづらいなぁ。 街では子供たちは普通にリザルト帝国語を話していたと言っていたな。 おい、子供を出せ!」
そこまで調査してるとは。 にしても子供を出せだと? 簡単に出せるわけないでしょ!
「子供ガどうシタ? 関係なイ。」
「はっ! お前、第一騎士団に逆らう気か!!」
「どうしましたか?」
ハリーが出てきてしまった。 どうやら先ほどまで打ち合わせをしてた大工さんが呼んできてくれたようで。そして私に小声で「こんなくだらない奴らの相手して、作戦が失敗したら困りますよ?」と言ってきた。 うーん、その通りなんだけど… むかつく。
「おぉ! 君か! …ところでどうして子供達はカタコトではないのだ?」
「あぁ。 亡くなった母がリザルトです。 商売人をしていたのであちこちに飛んいたらしく、そこで父と出会い、私達が誕生したというわけです。 将来困らないからと、幼いころからナーハヤとリザルトの言葉が飛び交っている家庭でした。」
「なるほど。 リザルト帝国の言葉を教え込むとは立派なリザルト民だ。 ナーハヤなんかの言葉だけだと将来が不安だからな、ははっ!」
一緒にいた騎士団員たちは笑った。 本当に失礼に失礼を重ね過ぎた者たちね。 今の帝国の状況を見てそう笑えるのなら、頭がスポンジ並みにスッカスカということになるのでしょう。