あの場所へいざ調査 5
翌日、再び地下街の武器屋「メリー」で待ち合わせをし、次の魔物の出現場所とされる場所へ向かうことにした。
ハリー君は今日も地味な焦げ茶の髪に、ビン底メガネをして、美形を隠している。
「アルファド様… 昨日は取り乱して申し訳ありませんでした。」
ハリー君は深々と頭を下げて謝ってきた。
この子は本当にしっかりしているなぁ。 正直、うちの騎士団に欲しい。
「えー、オレにはないっすか?」
…何も言わずにニールサを殴っておいた。 ナナ、ニールサとハリー君、交換してくれないかな?
「アルファド様、私、師匠のことは本当に尊敬してるんです。 確かに残念なことが多いですが。」
そうだよね。 ハリー君、心読めるもんね。 ナナのことを本当に尊敬しているのがわかる。 いい弟子を持ったものだと改めて思う。
今日向かう場所は「主大門」。 ここはもちろん、色んな人が入国、出国の為に出入りする場所だ。 ここではたまに魔物が出現しているのだが、国民に見つからないうちに第二の連中が処分しているらしい。 第二の連中もなかなかの剣術の手だれ揃いなのである。
「アルファド第三騎士団大佐長、お疲れです!!」
第二の主大門担当のものが声をかけてきた。
「お疲れ様。 例の件で来たんだ。 最近はどうだ?」
周りを見渡し、一般人がいないのを確認して、主大門担当者が口を開く。
「はい。ここは相変わらず魔物が出ます。 しかし、他と比べると断然数は少なく、一定数ですね。 数の変化は特にありません。」
「なるほど。 この少年があの大魔術師の弟子だ。 この子はとても優秀で、原因を調べることができるんだ。 早速、調べさせてもらっていいか?」
俺はハリー君を主大門担当者に紹介する。
「勿論です! そのために本日は主大門は閉鎖しています。 本日は裏国境をメインとしているので大丈夫ですよ! …アルファド様、ジャコモ様を呼びましょうか?」
「いや。いい… 相手もしたくないからな。」
俺達は門より少し離れた場所へ行き、人を離れさせた。
「ハリー君、調べもらっていいかい?」
「了解しました。」
ハリー君は昨日と同様、印を結び、足元に魔法陣を発動させて、大きくさせて、風を起こさせて…と5分ほど調査する。
ハリー君は調査が終わると、こちらへ走ってやってきた。
どうしたんだろうと思うと、同時にジャンピング土下座をした。
「ハリー君!!??」
「どーーも、本当に、申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!!」