表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/159

あの少女が欲しいもの 10

「続いて申し訳ないですがもう一つ。 その令嬢、どうやら魅了の魔法を使っているので近づけないんです。」

ナナージュがエド様に訴えた。


『うむ。 そうじゃな。 お前たち魔法を使う子たちにはあの臭いは辛いだろうに。 魔法が使えなければアレは一番好みの匂いとなるのだかな。 …これに関しては少し時間をくれないか。 効く魔法陣を考えてみるとしよう。』

エド様がそう答えるとナナージュは感謝の言葉を述べた。


『もう、そろそろ、限界…らしいな。 そろそろよいな。』

エド様はそう答えた。

水晶の向こうではハウルド様とノーツ様が深く頭を下げた。

『…ナーハヤ大国の王族どもは色男ばかりじゃな。 ちっ…』

おかしい。 今舌打ちが聞こえた気がした。

『こちら側の男たちの方が難があって落ち着くな… 特にそのナーハヤの男。』

「お、オレっすか?」

ニールサが自分を指差した。

『あぁ。 お前は女運がない。 落ち着く。 気に入ったのでお前には祝福を。』

「えっ、ちょっ、女運って…」

『では。』

ニールサが話している途中でエド様は姿を消したらしく、リリーちゃんがゆっくりと布団へ倒れ込んだ。 そしてすぅすぅ寝息をたてて眠り出した。

「祝福って言われましたよね! オレ!」

ニールサは喜んで飛び回っていた。


『少しいいか。』

ガイオ殿が口を開いた。

「お父様!!」

ジュリエッタ嬢が水晶の前へ飛び出した。

「お父様、ジュリエッタです! お久しぶりで! お元気そうで!」

『あぁ… ジュリエッタ。 お前にはなんと苦労をかけただろうか。 何度謝っても謝り足りない。』

「お父様、いいのです。 こう無事を確認できただけで幸せです!」

流石にこの水晶越しの再会にはここにいる皆んなが感動した。

私ですら目に涙が溜まるようだ。

これまでのジュリエッタ嬢の苦労を考えるとそう思わざるを得ないのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ