あの大魔術師とは 2
あれから1週間が経ち、俺、アルファドとニールサは旅行目的の通行許可証を手に入れ、隣の国「ナーハヤ大国」へと向かった。
まずは大国の中心「ユックス」という大きな都市へ向かう。 そこで大魔術師についての情報を集めることにした。
「にしても、久しぶりの里帰りが、女の子でなく、何で上司なんでしょうね?」
ニールサがため息つきながらこちらを見る。 ため息をつきたいのはこちらの方だ。 こいつがナーハヤ大国出身者でなければ俺はこんな生意気なヤツ、連れてこなかった。
俺はニールサを睨みつけ、命令した。
「…お前は情報をさっさと集めてこい!」
「ひ、ひぃ。 大佐長、了解しましたっ!」
ニールサは走っていった。 よし、これで少しはちゃんと仕事が出来る。
ここ、ユックスは国の中心、1番の都市ということもあり、人が多く、店も多い。 リザルト帝国は道が整備されてから人々が住んだという歴史があるので、大通りに店が横並びになっているのだが、ユックスでは所狭しと店が集まっている。 大昔を辿れば多民族が国を作ったと聞いている。 考えられるに、人が集まってできた都市というわけだ。 正直、活気で言えばリザルト帝国は負けるであろう。
俺はナーハヤで使われる言語(ナーハヤ語)は小さい頃に多少触れていたので難しい会話や文章でなければ理解はできる。 なので人を介しての情報はニールサに任せ、俺は都市にある大図書館へと来た。
ニールサによれば、大図書館には「大」とつけるだけの量の書物があり、歴史の本もあり、新聞記事もさかのぼっての観閲が可能らしい。
早速片手には私物のリザルト帝国からナーハヤ大国の言葉に訳される辞書を持ち、様々な書物、新聞を読み漁る。