あのイケメン魔術師が 13
…あー、この声はすごく聞き覚えのある…
「ミーオ、こっち向こうね?」
引き攣った顔でふり向くと巨人が… ではなく、ジャコモがいた。
「あら! ジャコモ大佐長さん! ミーオさんとお知り合いなんですか?」
ジュリエッタがジャコモに話しかける。 私の顔は相変わらず引き攣ったままだ。
「まぁね。 イケメンの友人はイケメンだろ? ところで君たちに面白い話を持ってきたんだけどこの後、私のレストランへ来ないか?」
「まぁ! あの、新しいレストランへ招待してくださるの!?」
「あぁ勿論、上の階で。」
2人の会話が分からなくて不思議そうに見つめていたらジュリエッタが説明してくれた。
「ジャコモ大佐長さんは最近、レストランをオープンさせたんですが、それが斬新なんですよ! 一回には普通の酒場のように立って飲んだり、ちょっとしたテーブルがあったり… 立って軽く飲むスタイルなんですが、2階はガラリと変わって貴族たちに高級料理と高級なお酒が揃っているって聞いたわ!」
「高級ナお酒…イイね。」
お酒には目がないもので、その提案に易々と乗ってしまった。
仕事を早く終わらせたジュリエッタと待ち合わせて、噂のジャコモのレストランへと行く。
こう、一面がガラス張り… 小さな城のような店舗である。
ラシュザ家、どれだけの金があるんだろうか。 一面がガラス張りのおかげで1階の様子が丸わかりなのだ。 確かにこのようなお店はリザルトでもナーハヤでも見たことがない。 中で飲んでいる人も一般的な人…ではなく、小金を持っている商人ってところか。
少し小綺麗な格好をして立ちながら飲んでいるのである。
「やぁ、よく来たね!」
タイミングよく、ジャコモが現れた。
そして2階へと案内される。
…2階はラシュザ家お得意の金!金!金!
1階はセンスがいいと思ったが、もう、眩しいだけだ。
「きゃー! 輝いていて、素敵ですね!!」
ジュリエッタが喜んでいる。
「貴族たちは金に輝くものが好きだからね! お陰でこの階は貴族に好評なんだよ。」
ジャコモが笑っていった。