あのイケメン魔術師が 11
「まぁこういう話が世間で噂されるっていう時点でもオファー家は使用人にも恵まれてなかったってことだな。」
ブルーノさんの言う通りである。 家の中のアレコレを言うのは使用人としてありえないわ。 いかに出来ていない使用人か、スパイとして入り込んでいたのかの2択だと考えられる。 …正直、考えられるのは後者だけどね。
「…カワイそうダナ。」
「まぁな。 しかし、騎士団の奴らが贔屓にしてるだろ? 最初は第一騎士団のやつだったが、大量に人事異動になり、第一の奴らは来なくなった後、今は第二騎士団の贔屓になっているって噂だ。 まぁ借金は返せるんじゃないか?」
「なら安心カも。」
「うんうん、そういえばミーオの店、どうにかしなきゃいかんだろ? あんな可愛い子供達もいるから父親としてしっかりしなきゃだよな。」
「嫌ナ奴らニ目をツケラれて、変ナ噂流さレタカらな。」
「あー、魂取るってやつか。 難儀だな。 よし! 俺の爺さんに宣伝しといてもらうから! 爺さん、肩やら腰が痛いって言ってたからな〜。 仲間連れて行ってくれるだろ!」
よし! とりあえずその客はニールサに回そう! 年寄りが好きそうな治療法だと思うし。
「私モいい加減痩せテ宣伝ヲ上手クしよウと思っテな。」
「…ミーオ、お前は痩せるの簡単だろ?」
ブルーノさんが言うと、周りのみんながうんうんと首を縦にふり、納得した。
不思議そうな顔をしてたらブルーノさんが教えてくれた。
「お前、飲んでいる時、いつも豚の丸焼き1匹食べて、ポテト潰したやつを3皿食べて、焼いたとうもろこし10本食べてるだろ? 逆にそこまでの体型で済んでいるのが不思議だよ。 どこに入ってるんだ。 ソレをなくせ。 そしたらすぐ痩せるだろ?」
おぉ、そんなに食べていたのね。 飲みながらだと無意識に食べるから気づかないのよ。 魔力を倍使えば痩せられると思ったけど、それより、早く痩せられそうね。