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game 10:リスのタルトやさん ゲーム紹介

 こんにちは、(かど)八降(やつふる)です。

 今日は、絵本のような可愛い子供向けワーカープレイスメント『リスのタルトやさん』というゲームの紹介です。


 このゲームの話をする前に、「ワーカープレイスメント」と呼ばれるメカニクス(仕組み)について話そうと思います。

 ワーカープレイスメント──日本語だと「ワカプレ」なんて略されることもありますが、その名前の通り労働者(ワーカー)配置(プレイスメント)する要素のことです。

 ワーカーと呼ばれる駒をアクションできるマスなどに配置して、そのマスの効果が得られるといったものが多いです。大抵のゲームでは、どこに配置するかで得られる効果が変わり、配置は早い者勝ちのため、自分の手番でどこに配置するかに悩むことになります。

 基本は駒を置くだけなのですが、様々なアクションやその効果の組み合わせによって発生するゲーム展開は非常に多彩で、またプレイヤー同士のインタラクション(プレイヤーどうしの影響)のために様々なドラマを生みます。

 どの順番で何をするかを組み立てる計画性や、互いの手の内を読みあう思考が必要になるため、ワーカープレイスメントの代表作にはいわゆる重ゲー(時間のかかる重量級ゲーム)が多くなっています。


 今回の『リスのタルトやさん』も、そんなワーカープレイスメントゲームです。

 ワーカープレイスメントとよく組み合わせて使われる、複数の勝ち筋や拡大再生産(利益によってさらに大きな利益を生む要素)などの重くなりがちな要素をばっさりと削って、それでもワーカープレイスメントの楽しみが得られるように丁寧に構成されています。

 元々は、ゲーム製作者の方が、ご自身の四歳のお子さんと遊べるようにと作ったゲームだそうです。

 計算ができなくても自分の状況が把握できるように工夫されたタルト(目標)。どこに置いてもフルーツが収穫できるだけなのに、タルトの状態によって価値が変動するアクションマス。ワーカーは最初から最後までリスが二匹で増えることはありませんが、収穫できるフルーツの数の違いによって、どちらをどこに置くかで悩む要素が発生します。

 また、タルトを焼くためにはタルト生地が必要となっていることでインタラクションがゆるく発生して、それもゲームに良い緊張感をもたらしています。

 それでいて、大人と子供が一緒に遊んでもどこかで子供が勝てるような運要素もあり、可愛らしい世界観もあって、ほのぼのと楽しく遊ぶことができるゲームです。さっくりと終わるゲームなので、繰り返し遊んで勝ったり負けたりを味わうこともできます。


 それから、やっぱりコンポーネント(内容物)が良いですね。

 可愛らしいリスの駒の造形は、子供でも扱いやすいように大きめです。フルーツの駒もカラフルで、並んでいるだけで楽しい気持ちになります。タルトのタイルが手元に来たら、つい上にフルーツの駒を積み上げたり並べたりしたくなる、そんな雰囲気です。手元にくると嬉しくなるコンポーネントって、良いですよね。

 小さい子でルールがまだ難しいなら、リスとフルーツの駒で、ゲームではなくごっこ遊びみたいに遊んでも良いと思います。次はどのタルトを焼こうかな、フルーツはこれを集めましょう、と遊ぶのも、絵本みたいで良いと思います。


 短い中でワーカープレイスメントの醍醐味である、どこに置くかの悩みがぎゅっと味わえるので、ワーカープレイスメントの入門にも良いと思います。

 ゲーム的な計画性や読み合いなどを楽しみたいけど、プレイ時間二時間三時間といったゲームは難しい──そんなときにもオススメのゲームです。

 基本的にはほのぼののんびりと遊ぶゲームなのですが、ゲーム慣れした人どうしで遊ぶとまた違った雰囲気になります。いや、本当はもっとのんびりしたゲームだとは思うんですけど、みんなつい考えてすぎてしまうので。

 ともかく、そんな懐の深いゲームだと思います。




『リスのタルトやさん』


・プレイ人数: 2人〜4人

・参考年齢: 4歳以上

・プレイ時間: 20分


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