インポスター症候群というものがあってだな。
ダニング=クルーガー効果の話のあとにすぐくっつけようと思っていた気もするのだが、本文を編集するうちに忘れていた。最初のうちはコピペ貼りつけていたのに。
以下、引用。
インポスター症候群(英: Impostor syndrome)は、自分の達成を内面的に肯定できず、自分は詐欺師であると感じる傾向であり、一般的には、社会的に成功した人たちの中に多く見られる。ペテン師症候群、もしくはインポスター体験(impostor experience)、詐欺師症候群(fraud syndrome)とも呼ばれる。
この言葉は、1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによって命名された。この症候群にある人たちは、能力があることを示す外的な証拠があるにもかかわらず、自分は詐欺師であり、成功に値しないという考えを持つ。自分の成功は、単なる幸運やタイミングのせいとして見過ごされるか、実際より能力があると他人を信じ込ませることで手に入れたものだと考える。インポスター症候群は、特に社会的に成功した女性に多いとする研究もある。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 引用、ここまで。
(見づらかったのでふりがなだけ抜きました。ほんとは引用文に手を加えてはいけないんだけど)
女性の社会進出が進んでいますが、管理職になりたくない女性が多いのだとか。わたしなんてまだまだなのでと断るんですね。現実問題、インポスター体験ですよと言われている。だって彼女が有能であること、成果を出していることには、証拠があるんです。やってみたらたぶんできる。でも尻込みしている。
まじめで勤勉な人が陥りやすいようです。自己評価が低いせいで、チャンスをふいにしやすい。女性の社会進出を阻む壁。謙遜と卑下は紙一重。謙虚と謙遜も違うニュアンスだし。そのあたりの文化、日本の美徳だというなら、もう少し正しく伝えてほしかったですよねぇ……。いまではなかなか好例を目にする機会がないような。まあわたしが他人に興味なさすぎて、見落としているのかもしれませんが。
自分の成功は詐欺のようなもの。70%くらいの人が経験しているそうです。女性に多いと言われるけれど、もちろん男性もいます。日本のジェンダーロール的に、おとなしく目立たずにと抑圧される女性がこれを感じやすいかも。弱音を吐けない、上昇志向を評価される男性は、アンケートで正直に答えないかも。
病気じゃないけれどケアは必要かも? という思考の偏りみたいです。治ります。治しましょう。社会的損失なので。
インポスター体験というものが存在しているんだよ、と知るだけでも違うようです。
インポスター体験、ダニング=クルーガー効果の対極ですね。自分を正しく評価できないという点で、どっちも怖いわ。自分を本当の意味で客観的に評価できる人なんています? 他人に訊いてみたとして、その人は本当のことを言ってくれるでしょうか?
少なくとも、「本当のことを言ったら怒るかも」って危ぶまれる人間にはなりたくないものです。
――わたしはなってそう、すでに。
管理職になんてなりたくない問題、今では男性も断ることが増えてきたようです。そういう会社のそういう立場で働いているわけではないので、聞いた話ですが。
仕事の負担と天秤にかけて、お賃金少なすぎるからじゃないの? 手当てをはずめばやってくれる人もいると思うけど。あるいは管理職が必要な会社の構造を変えてしまうとか。企画ごとにチームリーダーを決めて、企画が終了したら解散、次の企画は別のリーダー。って会社もある模様。
まあただの思い付きです。大半の人は貧乏くじ引きたくないし、大ナタ振るう役はごめんでしょう。妬まれるのも恨まれるのもイヤだ。もちろんわたしもイヤだ。上意下達に文句言ってる方が気楽。みんないっしょ。そんな考えだけど、上司から昇進の声掛けをされる人、インポスター体験かもよ? ぜひ昇進して会社を改革して!
――って激励されたとして、それを貧乏くじだと感じるならば、やっぱり会社、あるいは社会構造が、おかしいんじゃないかと思えますよねぇ……。有能な人は昇進してくれ頼むから。
つまり、人事に立ちふさがる、インポスター体験とダニング=クルーガー効果。できない人ほど自信満々、できる人ほど尻込み。人間って複雑かつ面倒ですねぇ……。社会がなかなか変わらないわけです。
会社に限らず、どんな業界でも存在する体験だと思えます。クリエイター界隈とかもね。つまりきっと、『小説家になろう』で作品を上げている人たちにもあるんじゃないかと思います。
あなたの謙遜、インポスター体験かもしれませんよ。
とりあえず、他人の誉め言葉を素直に受け取るところから始めませんか?