変わった町
念の為にステータスの変動がないかだけを確認しておきたい。
スキルや迷宮主としての【固有魔力】に魔王として得た【王能】と魔王の覚醒と共に手に入れた【大罪】そして、手に入った【権能】。
一つあるだけで一騎当千なのだが、どれも苦労して手に入れた能力であることには変わりない。世界を渡ることで無くなった等となれば魔物因子よりも先に世界を破壊してしまいそうだ。
「ステータス」
【支配之迷宮主 アキタケ】
スキル:《迷宮作成》《ガチャ》《魔物合成》
固有魔力:《支配》
王能:《眷属化》
大罪:《嫉妬》
権能:《時空》
あちらの世界では《支配之迷宮》というダンジョンを経営しており、そのことからアキタケは支配之迷宮主と呼ばれている。そもそもあちらの世界でダンジョンは珍しくなく、ごく有り触れたものだ。
ラテフが覚醒スキルを持っているように、アキタケも一筋縄では無い。迷宮主として100年間君臨し、数多くの迷宮主を屠ることでアキタケは迷宮主として覚醒することが出来た。
その時に得た力が固有魔力《支配》だ。これは使い勝手がよく、魔力を代償にすればあらゆるものを支配できる。迷宮主としての覚醒はあまりに強く、覚醒していない迷宮主と覚醒している迷宮主では大きく違う。
そして王能。これは人間を大量に殺すことで得た魂を供物に魔王となることで得られる能力である。元々迷宮に人間が多く出入りし時間が経過すれば勝手に得ることのできるのだが、《支配》の試運転の為に人間を支配して戦争を起こさせた時に獲得した。
次に大罪。これは大罪を所持している魔王を殺すことでしか得ることが出来ない世界に七つしかな破格の能力だったのだが、支配を使って起こした戦争にその魔王が含まれており、不満を買い攻められできていたところで魔王になり得て眷属化したラテフがその魔王を単騎で討ち取ってしまい大罪を得てしまった。
本来なら魔王に単騎で勝てないのだが、ラテフの無限増殖と超越狂化の情報が知れ渡る前だったので何とか討ち取れた。
そして最後に権能。
初めて見るが時空ということはあちらの世界であった【空間魔法】と【時間操作】の最終到達点だろう。時空という概念を操ることが出来る。恐らく消そうと願えば消せるし時を止めることもできる。そんな能力だろう。
「確認は済んだ、まずは移動から始めよう」
見知った町並み。
中世よりだったあの世界とは違い、やはり地球の文明の発達は素晴らしいものだ。
見渡す限りビルに車に迷宮。ラテフも見慣れないものばかりで少し目が泳いでいる。
…………迷宮?
人口建造物の中に、一つだけ飛び抜けて高く大きな迷宮が存在する。
「ラテフ、アレは迷宮に見えるのだが……」
「恐らく迷宮かと思われます」
「少し見てくれ」
そう言うとラテフは言葉を悟り、覚醒スキルである《天眼》を発動させた。ラテフの持つ天眼とは魔眼系スキルの最高位に位置する魔眼の一つである。
その能力は感知よりで、探すや見るや知るといった点に置いてはその他の魔眼を寄せ付けない。
黒目のラテフの目が翡翠色に変わる。
「鑑定が終わりました。推定Dランク迷宮、固有名【鋼鉄之迷宮】です」
「ランクDか、そんな低レベルな迷宮がよくこんなデカい顔をして建っていられるな。あっちなら半日で倒壊している」
迷宮は迷宮主同士の潰し合いもあるが、何より人の出入りが多いのは人間や亜人といったDPを稼ぐ相手だ。
迷宮主同士なら迷宮主としての覚醒の為や、DPの全取りの魅力があるが、人間には迷宮に無数に存在する宝箱や魔物のドロップアイテム等を目当てにして生計を立てている冒険者と言われる職業がある。
一昔前ならば迷宮攻略の為に一国を上げて攻略をする国も存在したほど迷宮には価値がある。
人間や亜人の最高到達点はAランクが限界であり、それ以上を求めるなら種を超越しなければならない。
故にDランクの迷宮など人間や亜人の国でも、ましてや迷宮主からすれば只の資源としてしか見られず脅威にはなり得ない。
もう一つの可能性として養殖の可能性も考えられるが、養殖ならばあそこまで大きく作る必要はないだろう。
「まずは放置しよう。近くに魔力の固まった建物を探してくれ」
詐欺師の言う通り、昔の地球では考えられないほど魔力が空気と混ざっている。それは迷宮から漏れ出す因子だけでなく、魔法を発動した後に残る残り香のようなものが昔に比べて大気に存在するからだ。
アキタケの予想なら間違いなく迷宮の管理、または不可侵の為の設備があるはず。
一度見てから今後の在り方を考えようと思う。
「ありました、Cランクが一名、Dランク三名、E以下約80名ほど確認しました」
「そうか、取り敢えず案内してくれ」
「我が君、【支配】で私たちの魔力を隠すことを推奨します。私たちの漏れでる魔力は、余りに警戒される」
「分かった」
ラテフの推奨で支配を使い漏れでる魔力や、覇気等を抑えた。
確かにある程度周りに合わせなければ、危険認定をくらいそうだ。
「【支配】」
固有魔力を発動して、アキタケとラテフを覆うように偽装の魔力が展開された。
「それじゃあ行こうかラテフ」
「承知しました」
町中を見るために、ワープは使わずに徒歩で移動を始めた。
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