192話 地雷の踏み方
タイトル被ってないよね?
あれから1週間が経過し、無事?にガッコウの開講日となりました。
そして、私はなぜか教室の中央最前列の席に座っています。
「はい、皆さんおはようございます。
私が担任のリッカ先生ですわ。皆さんよろしくお願いしますわね。」
リッカちゃんの自己紹介に、驚きの声を上げたのが約半数、そして数名の男子が顔を赤らめた様子…。
まぁ、私が言うのもなんですがリッカちゃんは可愛いですからね。
皆と見た目も同じくらいに見えますし…。
ですが、それよりも…。
「ちょっとリッカちゃん!なんで私がこっち側に座ってるんですか!」
「あら?アリスさん、登校初日にいきなり席替えを希望ですの?
それと、私は今は先生ですので、フレンドリーに気安くちゃん付けで呼ばないでくださいませ。」
リッカちゃんは伊達メガネをクイッとしながらキメ顔でそう言いました。
…悔しいですが、かなり似合っていますね…。
知的な子供先生に見えてしまいます。
「まぁ、席替えは学校における一大イベントの一つですから希望するのも分かりますが…。」
「そうじゃないですよ!なんで私が学校に入学させられているんですか?って事です。」
私も先生がやりたかったです!
「えっ?だってあなたも入りたいって。」
「入りたいの意味が違います!!」
まったく、いったいいつ私が学校に通いたいなんて言ったんですか。
やりたいのは先生の方に決まってるじゃないですか。
「まぁ、入ってしまった事に変わりはないですので、良い機会だと思って、ここでおバカを直しましょう?」
「私はおバカじゃないです!」
私は机をバンバンと叩きながらリッカちゃんに抗議をします。
ここで、しっかりと抗議しておかないと、クラスの皆におバカと誤認識されてしまいます。
第一印象は大事ですからね。
「そうですの?それではおバカじゃないアリスさんから、皆さんに自己紹介をお願いしますわね。」
「えっ?」
リッカちゃんにそう言われ、私が後ろを振り返ると、ぽかんとした表情で私を見つめるクラスの皆の姿がありました。
皆さん教室に入った時はガチガチに緊張していた様子だったんですが、私とリッカちゃんのやり取りを見て、だいぶ緊張が解れたみたいです。
よし、ここで最初におバカ認定されないように、自己紹介をキッチリ決めておきましょう。
でも、最初に変な事を言うと、今度は虐めの対象にされてしまうので注意が必要らしいです。
まぁ、これはお兄ちゃんの入知恵なんですけどね。
なんでも、「子供の世界と思って甘く見てはいけない」と。リッカちゃんやギルマスにも説明していました。
以上の事を踏まえて、私は自己紹介を始めます。
「アリスです、お兄ちゃんと一緒に冒険者としてここまで旅をしてきました、冒険者ランクは『A』です、皆さんよろしくお願いしますね。」
私は笑顔でこう答え、半数以上の驚きの声と共に、またしても数名の男子の顔を赤らめさせ、見事に地雷を踏んづけてしまいました。
学園物にするつもりはないです。