191話 校長のなり方
その後、門番小屋?に戻って来た私達は、ガッコウについて、ここはこうした方がとか、あそこにはこうやった方が…などという話し合いをしています。
そして、その話し合いに何故か私は蚊帳の外です。
…まぁ、私は特に意見がある訳ではないので、別にいいのですけど…。
「それで、これが生徒のリスト。こっちが先生の候補者のリストだ。
生徒の方はこの29人でほぼ確定だが、先生の方はこれから話を持ちかける所だ。
まぁ、引退した冒険者ばかりだから二つ返事で引き受けるだろうがな。」
おねーさんに出された紙を見ると、たくさんの人の名前が羅列されていました。その中の先生の欄には、お兄ちゃんやリッカちゃんの名前もあります。
でも、私の名前がありません。
なんだか仲間外れにされた気分です、これは抗議すべきですね!!
「ちょっとお兄ちゃん!これはどういう事ですか!」
「どうって?何が?」
「惚けてもダメです!なんで私の名前が書かれていないんですか!」
私も仲間に入れて下さい!
「えっ?アリスも入りたかったの?」
「当然です!」
「そうだったの?ごめんね気づかなくて。」
分かればいいんですよ、分かれば。
「…っと、言う訳なんですけど…。」
「ん?まぁ、1人くらい増えても大丈夫だろう。名簿に追加しておこう。」
「そうですか、ありがとうございます。」
あれ?
なんか、思ったより簡単に事が運びましたね?
「それにしても…あのきらびやかな校長室はいったい誰が使うんだ?そもそも、いくら校長室とはいえ、あんな部屋にする必要があったのか?」
「誰がって…。それはギルマスさんに決まってますわよ?」
「…は?」
おねーさんは、口を大きく開けたまま固まってしまいました。
そして、たっぷり10秒程考えて…。
「まてまてまてまて!
いつ誰が私が校長をやると言った!!」
「「あれ?違いました?」かしら?」
あ、これは2人ですっとぼけるやつですね…。
そして今回の可哀想なターゲットはギルマスのおねーさん…っと。
「違うわ!だいたい、私はギルマスとしての仕事が忙しいんだぞ!?とてもじゃないが学校の校長なんてやってやれない。」
「「事もない?」」
「なんでそうなる!!」
…見事にハモりましたね…。
流石…と言いたい所ですが、これは裏で練習してそうですね…。
「でも、もう決まった事ですし…ねぇ?」
「勝手に決めるな!」
「そうそう、ちゃんと校長室に初代校長として、ギルマスさんの絵も飾ったし。」
「そんな物飾るな!」
「大丈夫ですわ、校長なんて普段は偉そうに椅子に座っているだけで、たまに全員を集めて、ありがたーいお話を聞かせるだけの簡単なお仕事ですわ。」
「…そうなのかぁ?」
「そうですよ。」
いや、絶対にそれだけではないと思いますけど…。