188話 ぬくもりの包まれ方
私達は急いで例の大きな建物の前までやって来ました。
改めて近くで見るとやっぱり大きな建物ですね、これは元々あった城よりも大きいんじゃないでしょうか?
と言うか、これもお城なんでしょうか?
「アリス、ちょっと…まってよ…。」
その声に気が付き振り替えるとネネちゃんが息を切らしながらヨタヨタと追いかけてきました。
はて?そんなにスピードを出して走ったつもりはないんですが?
「ネネちゃん遅いですよ、もっと急いで下さい!」
「あんたの全力疾走に私が付いて行ける訳ないでしょうが!!」
全力疾走?おかしいですね?無意識のうちにスピードを出していたんでしょうか?
それにしてもネネちゃんは私に対してずいぶんと砕けた感じの話し方になりましたね。
まぁ、5日も一緒に居たんですから、それが普通と言えば普通ですが。
そんな事を考えながら、お城?の門を潜ると、門のすぐ脇にポツンと見覚えのある建物がありました。
そう、私の家です。
お城?が大きすぎて私の家が門番小屋のような扱いをされています。
が、今はその事は置いておいて家の中に入ります。
「ただいまー、お兄ちゃ~ん!どこですか~?」
私は、玄関で力尽き屍となりリボンちゃんに頭をペチペチされているネネちゃんを放置し、お兄ちゃんの気配を探りながらリビングへ向かいます。
「あら?アリスさんお帰りなさい、お早いお帰りですのね?」
「だだいまです、ぜんぜん早くないですよ!そんな事よりお兄ちゃんはどこですか?」
「お兄様ならそこにいますわよ?」
リッカちゃんが指差す先にはソファーで寝ているお兄ちゃんの姿がありました。
あれ?お兄ちゃん、少し見ない間に少し痩せた…というか窶れているような?
それと違って、リッカちゃんはなんとなくお肌がツヤツヤしている?…ような気がします。
私が居なかったこの5日間で、2人にいったい何かあったのでしょうか?
…いや、考えるまでもありませんね。
たぶん、お兄ちゃんがお疲れなのは、あのお城のせいでしょう。
きっと、あのお城を作る為にリッカちゃんにこき使われたに違いありません。
あぁ、可哀想なお兄ちゃん…。
これは私も一緒に添い寝して、疲れを癒してあげるしかないですね!
こうして、私は久しぶりにお兄ちゃんのぬくもりに包みこまれると、なんだかんだで結構疲れていたんでしょう、いつの間にか眠ってしまっていました。
そろそろ完結させたい。
(でも完結の仕方が分からない…。)