168話 怖い話の考え方
という事で、雑草を埋めて…。
じゃなくて、雑草を倒して私達はコルセの街に戻ってきました。
あれは生き埋めじゃないです!倒しました!
ちゃんとしっかりと土を固めてから、その上に木の枝を刺してから手を合わせてきたので、もう復活する事はありません!
もし、そこで何かあったとしても、それは私の関係する事ではないです。
「あれ?…城が…ない!?」
街に入るや否や兵士さんがそんな事を言い出しました。
そう言えば魔王のお城は先日ドラゴンさんが壊してしまったんでしたね…。
「あら?確かにありませんわね?私達がこの街に来た時には確か、あったような気がしたのですが?」
リッカちゃんは本当にドラゴンさんがお城を壊した事に気がついていないのでしょうか?
それとも、分かっていてわざと言っているのでしょうか…。
「お城に何かあるんですか?」
「いえ、私が受けた依頼の依頼主は魔王様なので、その魔王様がいないと延びた日数の追加の報酬は受け取る事ができないので…。」
あぁ、なるほど。
魔王がいないと報酬を出してくれる人がいなくなってしまうんですね。
でも、魔王って結局どうなったんでしたっけ?
………確か、ドラゴンさんに吹き飛ばされて何処かへ行ったような…。
まぁ、魔王と言えども私にとってはただのケーキ泥棒ですけどね。
「とりあえず、今日はもうすぐ暗くなるし、今日の所は宿をとって、ギルドに行くのは明日にしようか。」
「あ、私はこの街に家がありますので、私はこの辺で失礼します。」
なんと、兵士さんは家持ちでしたか!?
もしかして既婚者だったりするんでしょうか?
だとすれば子どもとかもいるのでしょうか?
…私もいつかお兄ちゃんと…。
でも、それだとたぶんリッカちゃんが黙ってないですよね。絶対に邪魔するに決まっています。
私が成人するまで、あと5年以上ありますし。
お兄ちゃんがそれまで待っててくれるとも思えないですよね…。
やっぱり年の差をどうにかしないといけないですね。
私が成人になるのを待っている間にリッカちゃんに先を越されてしまいます。
………あれ?そう言えばリッカちゃんって何歳なんでしょう?
確か最初に会った時は私より少しだけ身長が高くて、年上にはなんとかって言っていた気がので1~2歳年上なのかな?と思っていましたが…。
今では私の方が身長が高いですよね?
…まぁ、僅かな差ですけど…。
というか、リッカちゃんってあれから身長が伸びていないような?
実はもう身長は頭打ち?
それで、とっくに成人している?
いや、成人どころか実は何百年も生きていて姿が変わっていないとか…。
………うん、なんだか怖い話になってきましたね。この話はここまでにしておきましょう…。
とりあえずリッカちゃんはリッカちゃんです。
(たぶん)1~2歳年上で、ちょっとだけ成長が遅れている(かもしれない)だけです!
「アリス?」
「置いていきますわよ?」
っと、私がボケッとそんな事を考えているうちに、兵士さんの姿は見えなくなっていて、お兄ちゃん達は反対方向に向かって歩いて行っていました。
2人で仲良く手を繋いで…。
うーん、これは早く本格的にどうにかしないとまずいですねぇ…。
とりあえず、年の差を縮める為にお兄ちゃんをアイテムボックスに入れる口実を考えましょう。
「あー!ずるいですー。待って下さいー」
そう言いながら走ってお兄ちゃんに追い付き反対側の腕に抱き付き、私達はデブ猫が待つ宿に向かって歩き出しました。
なんか最終回っぽくなってしまった。
まぁ、モチベも下がってきたし、別に最終回でもいいんですけどね…。
(話はまだ続きます)