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166話 雑草の焼き方

すまん盛大に遅れた。

おはようございます。

現在の時刻はお昼を少し回ったくらい。

まだ少し眠たいですが、夕方まで起きている事くらいなら…まぁ、大丈夫でしょう。

雨の方はかなり小降りになっていて、これなら兵士さんの言う、悪い事は起こらないでしょう。


フラグではない事を祈ります。




と思っていたら、さっそく問題が発生。

大きな食虫植物系の魔物が前方の道を塞いでいました。

食虫といってはいますが、虫だけではなくネズミや野うさぎなどの小さな動物からオークやオーガに至るまでの大型の魔物まで(これには勿論人間も含まれます)ありとあらゆる生物を補食して食べてしまう、結構危険なやつだったりします。


その食虫植物は、まるで私達を引き寄せるかのように、甘い匂いを放っていて、獲物を探しているのでしょう。長く大量の蔦をウネウネとくねらせていました。


兵士さんの話しによると『ヒトカシ草』という食虫植物で、甘い匂いで生物を誘き寄せ、近づいてきた獲物を蔦で捕らえて巻き付き、そのまま花?の部分に運ばれ体中の養分を吸いとられ、2日程で骨と皮だけにされてしまうという恐ろしい植物らしいです。

しかも、その蔦は斬ってもすぐに再生してしまうそうで、単純に近づいて剣で倒すのはほぼ無理なんだとか…。


しかし、これではこの道は通る事ができません。


いえ、通過する事はできますよ?

というか、徒歩の人間であるならちょっと脇道に逸れればいいだけで簡単に避けて通れます。

普通の魔物と違って一応は植物なので追いかけて来たりはしないので。



でも、馬車だとここでは脇道に逸れる事ができません。

片側は崖になっていて登る事はできませんし、反対側は鬱蒼とした森になっています、両側とも馬車が通れるような所ではありません。


「これは、どうしますか?」

私がお兄ちゃんに訪ねます。


「一応植物みたいだし燃やしちゃえばいいかな?」


「でも、小降りとはいえ雨が降ってますよ?それを上回る火力で焼くなんて事できるんですか?」

兵士さんはそんな事を言っていますが…たぶんお兄ちゃんなら簡単だと思います…。

でも、あの植物の大きさからして、かなりの火力で超時間焼かないといけないですよね?


「だめかな?」

「だめに決まっていますわ!!こんな所でそんな威力の魔法を使ったら一瞬で山火事になってしまいますわよ!!」


うん、そうですよね、知っていました。



でも、小規模の山火事くらいならアイテムボックスに無理やり突っ込んで、なかった事にすればなんとかなりそうですけどね。

アイテムボックスから出す時は海にひっくり返して出せば消火できるでしょうし。


………というか、この『ヒトカシ草』をそのままアイテムボックスに入れてしまえばいいのでは?


…まぁ、入れた後どうやって出すかは問題ですよね…。

街中で出す訳にもいきませんし…。

火山の火口に落とせるとかなら簡単でしょうが、ここで倒す手間と、火山に行く手間を考えると前者を選んだ方が良さそうです。



ちなみに、この『ヒトカシ草』はちゃんと安全な倒し方があるのですが、その方法というのが、数十名の魔法使いで取り囲み、蔦の攻撃範囲の外から蔦の再生が追い付かない火力で遠距離から火魔法で攻撃、蔦が完全に失くなった所を待機していた剣士の方が茎を切り刻んで倒し。

その後、根っこを掘り起こして灰になるまで焼いて倒すそうです。

根の部分は完全に灰にしないと、そこから再び眼が出て来て来年にはまた花が咲いてしまうそうです。




と、ここまでが安全な普通の倒し方です。

実は『ヒトカシ草』の花…というか口?の部分はギルドで高値で取引されているらしく、火魔法で焼いてしまってはせっかくの素材がダメになってしまうので、お金を稼ぐ場合の倒し方があるそうです。




それで、その方法というのが…。


まず1人が人柱となり蔦に捕まり、暴れる事で他の人に向かう蔦の数を極限まで減らし、その隙に他の人達が剣などで花の部分を切り取り運び出します。そして最後に捕らわれた人を助けだして終わりです。


この時は根を掘り出したりはせず、再び花が咲いたら同じ作業を繰り返す事で、冬までの間は同じ花で何度も稼ぐ事ができるようです。


まぁ、そうやって何度か目の囮で死んで逝く人も多いみたいですが…。



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