160話 土竜の倒し方
しばらくはこのペースで更新すると思います(6日で2回)
そして放たれたレーザービーム。
それは、まず最初に、兵士さんの張ったシールドを貫通!
そして、土竜さんのクリクリお目目に直撃!
そのまま、土竜さんの後頭部を貫通!
最後に、天井付近の壁に小さく深い穴を空けて貫通!
その天井からは僅な光が差し込んでいます。
そして、『きゅぅぅぅん』っと、可愛らしい鳴き声を上げて『ドシーン』っと倒れる土竜さん。
倒れた土竜さんはピクリとも動きません。
どうやら竜種でも頭を貫かれたら死んでしまうみたいですね。
「…ちょっと火力の調整をミスりましたかね?」
でも、 まぁ、弱いよりは良かったと思いましょう!
「えっ!……ちょっと?」
そう言って驚く兵士さん。
それにしても…この土竜さんの毛皮は素晴らしいですね。新しいパジャマの素材に良さそうです。
いや、さすがにモコモコすぎて今の時期だと暑いかな?氷か水の魔石でも無理やりくっ付けたら涼しくできるかな?
そんなどうでもいい事を考えていると、土竜さんの地震によって塞がれていた出口がスッと開かれました。
「やっぱり、ここにいましたわね。」
「あれ?リッカちゃん?お兄ちゃんもどうしてここに?」
「朝起きたら2人がいなかったので探しにきてあげたのですわ。」
「朝いきなり起こされて、2人がいないからって探しに行く羽目になった。」
…ふむ、なるほど…。
つまり、私がいない事を口実にリッカちゃんがお兄ちゃんをデートに誘ったって事ですね!?
ずるいです!!
「それはそうと、その美味しそうな毛むくじゃらはどうしたんですの?」
「「「えっ?」」」
今、「美味しそう」って言いましたよね?
美味しそう…。食べた事がないのでよく分かりませんが…土竜って美味しいのでしょうか?
まぁ、あまり食べたいとは思いませんが…。
お兄ちゃんも兵士さんも同じような反応をしていたので、たぶん美味しそうとは思っていないのでしょう。
「えーと、この土竜さんは…」
「えっ、これ土竜なんですの?」
「マジか!?ついにアリスもドラゴンスレイヤーを名乗るようになるとは…。」
「やりましたわね!竜種の単独討伐なんて。これならSランク確実ですわよ!」
「ええっ!!
ちょっと!話が急すぎますよ!?いきなりドラゴンスレイヤーとか言われても…。
それに、単独討伐ではないですよ?兵士さんも(一応)攻撃に参加して、片目に致命傷を与えていますし、それに土竜さんの攻撃で(壁に濱って)動けなくなった私を身を呈して助け出してくれたりしました。」
「そうなんですか?」
(ブンブンブン)
お兄ちゃんの質問に、兵士さんは一生懸命首を振っています。
…縦ではなく横に…。
いや、ちょっと過大申告になったかもしれませんが事実ですよね?
そして…
一旦アイテムボックスに土竜さんを入れてトンネルを出て家に戻り朝食。
紆余曲折の末、土竜さんは2人で一緒に討伐したという事になり、無事に兵士さんと一緒にドラゴンスレイヤーの称号を別け合う事になりました。
おそらく、報告したギルドで正式にドラゴンスレイヤーの称号が貰えると思います。
…別に要らないけど…。
また、土竜さんはここで解体せず、そのままギルドまで持っていく事にも同意。
毛皮を無駄にしたくないですからね、解体はこの道のプロに任せようと思います。
兵士さんは爪を加工して武器にしたいそうな…。勿論、私達には不要なので、爪と、ついでにお鼻のドリルは兵士さんに渡す事になりました。
肉は…まぁ、ちょっとだけ味見くらいしてみましょうかね…。
それから、兵士さんは来る可能性が限りなく低い土砂崩れの依頼を受けた人を待つべく街道脇へ。
そして、私達はトンネル工事へ向かいました。
トンネル工事は、まず私が土魔法で地面を平らにして硬め、お兄ちゃんがコンクリート?とかいう素材を魔法で壁に吹き付けながら進み、最後にリッカちゃんがその壁に光の魔石を等間隔に取り付けながらゆっくりと進んで行きいます。
そのままトンネル内でお昼を取り、午後からも同じ作業を繰り返します。
そして、当然………。
「「「飽きた…。」」」
僅か1日でトンネル工事に全員が飽きてしまい、明日は気晴らしとして、昼間兵士さんが見かけたと言うオーガの群れに蹂躙し、殺戮の限りを尽くす事になりました…リッカちゃんが…。
私も殺りたかったのですが、「アリスさんは土竜を倒しましたよね?」と言われてしまい。仕方なくオーガはリッカちゃんに譲る事に…。
おそらく、明日は嬉々としてはしゃぐリッカちゃんの楽しそうな姿が見れるものと思います。