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156話 トンネルの掘り方

その後、どうにか気を取り直した兵士さんの案内により、私達は例の土砂崩れ現場へとやってきました。


兵士さんが調べた情報によると。土砂崩れは1ヶ所だけではなく、ここから更に進んだ場所にも数ヵ所崩れている所があり、完全復旧にはかなりの時間がかかるだろう、との事でした。


「これは…思っていた以上に酷いですわね…。」


リッカちゃんがどの程度の状況を想定していたかは分かりませんが、確かに酷いですね…。

これなら土砂を片付けるよりも、土砂の上に道を作った方が早そうな気がします。


まぁ…そんな事をしたら悪路と急勾配の連続する道ができてしまい、徒歩ならばともかく、馬車で越えるのは、かなり難しい道になってしまいそうですが…。



「これは、予定通りトンネルを掘った方が良さそうだね。」

「あの、お兄ちゃん…。トンネルってそんなに簡単に掘れる物なんですか?」

「まぁ、この土砂を全部片付けるよりは簡単じゃない?」

「「……。」」





そして、次にやって来たのは依頼に『水支給アリ』、となっていた湧き水の出ていている所です。

ここは、ちょっとした広場になっていて、数台の馬車が停められるようになっていました。地面も草地であり夜営するのにも適している所です。


そのすぐ近くにはトンネルを掘ろうと計画している山肌もあります。


「平らで水辺も近いですし、ここに家を置けば便利そうですね。」

「そうですわね、暫くは馬車も通らなそうですし。」


「…は?家を置く??」


兵士さんが「コイツ何言ってるんだ?」って感じの目で私達を見てきます…。

というか、兵士さんまだいたんですね…。



そんな兵士さんを無視して、私が家を置くと兵士さんは口を大きく開けたまま固まってしまいました。



固まっっている兵士さんは無視して私達は早速仕事に取り掛かります。

まずはトンネルを掘る山の調査ですね。

と言っても、私にはサッパリ分からないので、土を弄りながらリッカちゃんとよく分からない話をしている、お兄ちゃん達を見守る事しか出来ませんが…。


まぁ、兵士さんも分かっていないみたいなので安心ですね。




暫くして…。


私が近くに置いてあった大きめの石を背もたれにして休んでいた所、話し合いが終わったらしきお兄ちゃん達が、ようやく私の所にやってきました。


「アリスさん、出番ですわよ。」

「ふぇ?出番?」

「うん、アリスにしかできない仕事だよ。」

「…はい?」


私にしかできない仕事って何でしょう?




「それで、私は何をすればいいんですか?」

トンネルを掘る予定地の前に来た私はお兄ちゃんに質問します。

予定地はトンネルの大きさに合わせて、穴を掘る場所に石の印が並べられていてトンネルの大きさが分かるようになっていました。

だいたい大きめの馬車が通れるくらいの幅と高さですね。


「アリスにはここから、これくらいの範囲で、この山に向かって魔法を使って欲しいんだ、山の反対側に届くくらいの勢いで。」


「………はい?」



「えっと…つまり攻撃魔法で穴を空けるって事ですか!?そしてそれで山を貫通させろと…。」

「まぁ、後から魔法で細かな調整はするけどね。」

「お兄ちゃんはいったい何を言ってるんですか?山の反対側までどれだけの距離があると思ってるんですか?

いくらなんでも、私にそんな強力な魔法が使える訳が…。」



………ん?ちょっと待って下さい。

何か忘れているような……いないような…。



「大丈夫だよ、前にちゃんと教えてあげたでしょ?星を破壊する魔法を。」



「星を破壊?

……あー。そう言えば、確かに教わりましたね…全力全壊で星を破壊する魔砲が…。」



「ずるいですわ!アリスさんにだけ、そんな強力な魔法を教えていたなんて!」


リッカちゃんが吠えていますが、私は2度と使う事はないと思っていました…。

まさかこんな所で使う事になるとは…。


でも、あの魔法…いえ、魔砲は人前でやるのはちょっと恥ずかしいんですよね。全壊…じゃなくて前回は私1人だったから良かったんですが…。


今回は、お兄ちゃんとリッカちゃんに加えて兵士さんまで見ていますし…ついでにリボンちゃんも…。

まぁ、それでも頼まれたらやるしかないですよね…。

でも、そんな威力の魔砲を使ったら1発で魔力切れになりそうな気もしますが…。

まぁ、倒れてもお兄ちゃんがちゃんと受けてめてくれるんでしょうけど…。


……そう考えると倒れるのもいいかもしれませんね?


「仕方ありません。分かりました、やりましょう!でも、魔力切れで倒れたらちゃんと受け止めて下さいね?」


「わかった。」


「それじゃぁ、いきますよ!」



私は山肌から少し距離を取って、山に向かって構え、おもいっきり魔砲を放ちます。




「いきます!」


「全力全壊!! すたぁらいとーぉ、ぶれいかー!」



誤字脱字報告ありがとうございます。


それと、コロナの反動で仕事が忙しくなってしまったので、更新を心待ちにしている数名の方には申し訳ありませんが、暫く更新ペースが落ちる予定です。


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