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133話 お掃除の仕方

そして、翌朝…


今日は、昨日の夜中から振りだした雨が、ポツポツと降り続くあいにくの空模様ですが。お姉さんは、お兄ちゃんから傘を借りて、今日も西門の前で雨の中でも作業する人達を見守ると言って1人出て行きました。


明るいから大丈夫、と言って出ていった、お姉さんが少し心配ではありますが。雨の日は魔物も少なく、ここは街の側なので、大丈夫でしょう。これがフラグじゃない事を祈ります。


一方の私はと言うと、雨なので今日はお休みと決め込み、ペンギンさんの温もりに包まれて二度寝を決め込んでいますが、そろそろリッカちゃんがお兄ちゃんを起こす頃だと思います。


「お兄様、起きてください。」

ゆっさゆっさ


ほらね?





そして、私達は、朝ご飯を食べながら今日予定を話し合います。

その結果、雨が止んだら昨日の穴堀りの続き、止まなければ、家の中で1日を過ごすと言う事になりました。

まぁ、今日は止まなそうなので後者の方になりそうですけど。


「たまにはギルドの仕事をしようって言ってたけど、結局1日しかやらなかったね。」

「そうですね。でも、今日は雨が降ったんですから仕方ないと思います。」

「そうですわね、雨なので仕方ないですわね。」


「それで、仕方ないので何をしますか?」

「そうですわね、家の中でもできる物といえば…」

「いえば?」

「私は、本を読むとかですわね。」

「本ですか?でも、できればみんなで楽しめる物がいいですね。」

「それなら、いい方法がありますわ!」

「なんですか?」

「本をお兄様に読んで貰うんですわ。そうすれば皆で楽しく過ごせますわ。」

「おお!それは名案ですね!」

「えっ?名案?」

お兄ちゃんは困惑していますが、かなりの名案だと思います。

「勿論、その時は私をお兄様の膝の上に乗せて本を読んで下さいね?」

「えっ!?」

「なんでそうなるんですか!!」




結局、お兄ちゃんに本を読んで貰う案は、お兄ちゃんにより却下されました。

まったく…リッカちゃんが余計な事を言わなければ…。

いえ、あの後、お兄ちゃんの膝の上を取り合いした私も、ちょびーっとだけ悪かったような気はしますが…。


それで、私達が今何をしているかと言うと、掃除です。家の掃除。


お兄ちゃんが、珍しく「皆でやりたい事がある」なんて言うから何も聞かずに賛成したらこんな事に…。

いえ、掃除は大事ですよ?いつも汚す人もいますので。…誰とは言いませんが。


私は、厳正なる抽選の結果、リボンちゃんと一緒に、廊下と玄関の掃除を担当する事になりました。

決して、邪魔だからと、部屋から追い出された訳じゃありません!………たぶん。


「とりあえず、廊下から始めましょう。リボンちゃんも頑張って下さいね?」

「にゃぁ?」

「はい、いいお返事です!」



廊下と言えば、とりあえず、水拭きです。四つん這いになり、腰を高く上げて全力で走るあれですね。どこかのお屋敷ではタイムを競ったレースとかもあらしいです。


私は、アイテムボックスから雑巾とバケツを取り出し、魔法でバケツに水を注ぎます。

ここでテンプレ通りに、バケツで水を汲みに行って、帰りに何もない所で躓き、『どんがらがっしゃーん』なんて事にはならないので、やっぱり魔法は素晴らしいと思います。


私は、雑巾をバケツの水に浸し、ぎゅーっと雑巾を絞ります。

すると、それを見ていたリボンちゃんもバケツに手をかけ、中を覗き込んでいます。

お手伝いしようとしてくれているのでしょうか?


しかし、次の瞬間。


『どんがらがっしゃーん!』


っと、リボンちゃんの体重を支えきれなかったバケツがひっくり返り、盛大に廊下に水をぶちまけてしまいました。

「ちょっと!何やってるんですか!!」

リボンちゃんは頭から水を被り体をプルプルさせて水を飛ばしています。

そのせいで掃除する予定のなかった壁の方までしぶきが飛んでしまっています。

「あー、もう!仕事を増やさないでよ!」

「にゃぁ?」


私は温風の魔法でリボンちゃんを乾かしてから、めちゃくちゃになってしまった廊下の掃除を再開します。

今度は、リボンちゃんに邪魔されないように、バケツを一旦アイテムボックスに戻すのを忘れません。


私は雑巾を手に、四つん這いになり、腰を高く上げ、タッタッタっと廊下を全速力で走ります。

すると、それを見ていたリボンちゃんも、私の後を追って走ってきました。

また、手伝ってくれているつもりなのでしょうか?

しかし、私が綺麗に雑巾掛けをした後の床を見ると、リボンちゃんの綺麗な足跡がくっきり、はっきりと残ってしまっていました。



「………はぁ…。」


私は、ため息をつきながら、今度はリボンちゃんの足の裏を拭き始めました。




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