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115話 三刀流の構え方(リッカ視点)

文章ボリューム増量!(普段比1、25倍)

「それじゃ、ここに並べてくれ」

案内されたのは倉庫横の空き地。最初からここに案内してくれればよかったのに…。

空き地は隣の家がそれなりに近いのですが、そこそこの長さはある細長い所で、屋外の為、上には無限の空間が広がっています。


私は、太そうな木から順番に間伐材を立てたまま並べて行きます。

そして、20本目を出した所で…。

「待ってくれ!」

「どうかしましたか?」

「あと、どれくらいあるんだ?」

「?…たくさんですわ。」


と言うか数えられません。


「…そうか、たくさんか…。

すまんが手数料を引いても、今は買い取れる金がない。今回はここまでにしてくれるか?」


「そうなんですの?まぁ、明日の食材が買える程貰えれば大丈夫ですが。」

「何人前が必要なのかは知らんが、その程度なら問題ない。

それより、もっと細くて短い木はないのか?

植樹に適した木がたくさんあるなら、この街の領主が買い取ってくれるはずだ。」


「それは持ってますが…植樹ですの?」


十分なだけ貰えるなら、もうお金はいらないのすが…。


「ああ、見ての通りこの辺りの土地には樹木がほとんどない、今は草原が目立つが、一部では砂漠化が進んでいる。それを食い止める為に植樹をしようと言う話が出ているんだ。」


「なるほど、そう言う事なら協力しますわ。

向こうに戻りながら、この辺の空いている所に並べていきますわね。」

「待ってくれ、今置かれても代金が払えないぞ?」

「お金は後でいいですわ。今回は、こっちの太い方のお金だけ受け取って帰りますわ。」


「そうか?なら次に来るときまでに、領主から植樹用の木の代金は受け取っておく。そうだなぁ…3~4日くらいたったら来てくれ」


「分かりましたわ。そして、並べ終わりましたわ。」

「えっ?いつの間に!?」


この人は何を言ってるんですの?歩きながら話している時に、並べていたじゃありませんの?







こうして、どうにかお金を手に入れた私は、良さげな物を探して街の中を彷徨きます。

貰ったお金が些か…いえ、かなり多い気がしますが…まぁ、多いに越した事はないでしょう。


「さて、何を作りましょうかしら?」


せっかくケーキの作り方を覚えたので作ってみたいですが、ケーキでは夕飯にはなりませんし…。まぁ、パンが無ければケーキを食べる、って人もいるみたいですが…。



そんな私が先ずやって来たのは、八百屋さんです。


「よう、いらっしゃい。おつかいか?偉いねぇ。」


…おつかいって…。

私って、そんなに若く見えるのかしら?

「えぇ、ちょっと夕飯の材料を買いに。何かお勧めはありますの?」

とりあえず、年齢の話は置いておいて今は買い物ですわ。

「お勧めかい?そうだなぁ…。今日はジャガイモと玉葱だな、あとニンジンもいいのが揃ってるぜ!」

ジャガイモと玉葱とニンジンって…カレーを作りなさいって言われてますわね…。


このお店には、他にトマト、キュウリ、ピーマン、トウモロコシ、ナスなど、いろいろな夏野菜が並んでいます。

メニューはカレーと夏野菜のサラダでしょうか?


「では、おじさま。この店の商品、全部頂きますわ。」


「なっ、またかよ!…お嬢ちゃん、ネスの領主さんの関係者か?」


「いえ?会った事はありますが、関係者ではないですわね。」

「そうなのか?」

おじさまが疑いの目で私を見てきますが、なんなのでしょうか?




そして、次の調味料を扱っているお店でも…


「また全部かい!?お嬢ちゃんもあの領主の知り合いなのかい?」





そして、その次の漬物屋さんも…


「またあの領主の所のかい!?」


あの領主さん…っと言うか、これはアリスさんの仕業ですわね…。





こうして、関係のない所で若干の被害を受けつつも、どうにか買い物が終了しました。


「はぁ、すっかり遅くなってしまいましたわ…。」

辺りはもう真っ暗で、街を行く人の群れもかなり疎らになってきました。


「早く帰らないと、変な人に絡まれてしまいますわね。」



そして、そんな事を言っていると現れるのが…


「お嬢さん、夜道の一人歩きは危ないぜ?」

「そうそう、俺達が良くしてくれる人の所に連れていってあげるよ。」


そう、こんな人ですわ…。

「あーん!私のバカバカ!なんでこんな事を口走ってしまったのですの!」


現れたのは変な人達…。もとい、ナイフを持った人拐いの方達ですわ。


どうしましょう…。倒すのは簡単ですが、その後がめんどくさいですわね…。

でも、このまま放置する訳にもいかないですし…。

うーん…。時間があるならアジトを暴いて…とかも考えるんですが…。

あぁ、私がか弱い女の子なら逃げる以外の選択肢はなかったのに。

…いえ…。か弱かったら、あっさり捕まってしまいますわね…。


「仕方ありませんわね倒しましょう。2人くらいなら引き摺って運べますし。」


「ははは、お嬢ちゃん冗談はよしてくれよ。子供が俺達2人に勝てる訳ないだろ?」


そうでしょうか?

いえ、もしかしたら、かなりの手練れかも知れません!油断せず行きましょう。


男達がナイフを構え、ゆっくりとこちらに向かってきました。

私は、徐にアイテムボックスからライト性バーを2本取り出すと、暗かった街が明るく照されました。これで相手がはっきりと見えますわね。

私は両手にライト性バーを持ち、地面をガリガリと引き摺るようにして歩きます。

これで新しく貰った包丁を口に咥えたら…いえ、これ以上は良くないですわね。


「なんだあの武器は!?」

「知らん!あんな武器見た事ないぞ!でも重そうに引き摺ってるぞ?あれなら振れないだろう。」

「そうだな!当たらなければ、どうと言う事はない。」



そりゃぁ、お兄様オリジナルの武器ですしね、見た事ないでしょう。

でも、重そうに見えるんですのね?

実際は羽のように軽いですわよ?





10秒後…

そこには、足に火傷を負い倒れた2人の男…。


ちょっと、やり過ぎましたかしら?

この武器は手加減が難しいですわね。



おかしい…1話で終わらせる予定だったのに…。

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