107話 装備の探し方(アイリ視点)
「眠れません!!」
もちろん、私が目が見えるようになった事に対して興奮しているだからとは思いますが、それにしても明るすぎて寝れません。
これが夜だと言うのですから驚きです、いったい昼はどれほど眩しい世界なのでしょうか?
まぁ、今までずっと寝ていたと言っても過言ではないので、そのせいで眠れないとでも思っておきましょう。
でも、眠れないのであれば、別に無理に寝る必要はないと思います。
さて、どうしましょう?
うーん?まずはお父さんに冒険者になる事を認めさせる為に、剣とか魔法の練習でもしてみましょうかね?魔法は後でお母さんに教わるとして、一人でも出来そうなのは剣の練習ですね。型とかは全く分かりませんが、体を動かせば眠くなるかもしれません。
「よし。そうと決まれば行動あるのみです!」
私はベッドから起き上がり、部屋を後にしました。
とりあえず家の中で剣を探しましょう!
なんだか主人公が最初の武器を探して旅立つような感じがしますね!
でも、家の中に剣なんてあったかな?なければそれっぽい武器になりそうな物でいいんですが…。
まぁ、家の中ですら私の知らない物はたくさんありますからね。探してみる価値はあるでしょう!
最初の捜索場所は、部屋を出てすぐの廊下ですが…。
…見事に何も置いてありませんね…。
まぁ、目の見えなかった私が躓いたりしないように何も置いてないんですけどね。
気を取り直して次に行きましょう!
2階には私の部屋の他には、客間とお父さんとお母さんの部屋しかありません。
流石に今は、その2つの部屋には入れないのでここは一旦、1階を捜索する事にしましょう。
そして、階段を降りて1階へ…
えっ?階段は捜索しないのかって?
廊下と同じ理由で何もありませんよ?
まず捜索するのは玄関です。
やはりここは、入り口付近から攻めていこうと思います。
玄関にある武器と言って、真っ先に思い浮かぶのは…。やはりスリッパでしょうか?
お母さんは、いろいろな薬や罠を試してみたけど、結局スリッパが最強であると言っていましたし。
…何と戦っていたのかは、分かりませんが…。
でも、私が思うに、スリッパを武器にするのは、少し頼りない気がします。それこそ長靴やブーツの方が強そうに見えます。
ここには、他に目ぼしい物はなさそうなので次の部屋に移動しましょう。
次の部屋には玄関脇の応接室です。
応接室にはテーブルが1つとそれを囲うようにソファーが3つ、それと壁にはよく分からないポスター?が貼ってありましたが、残念ながら、目が見えなかった事による弊害で何が書いてあるかは分かりません。
これが、絵なのか文字なのか記号なのか…。
見た感じ、絵ではなさそうですが…。
でも、もしかしたらポスターの裏に秘密のスイッチが!!
…ありませんね、はい。知っていました。
この応接室には他には何もないようです。
お父さんの書斎へと続く扉以外は…。
そして、その扉にはご丁寧に鍵がかかっていました。残念です。
次の部屋は居間です、ちなみに1階の部屋は他に台所とトイレとお風呂があるんですがトイレとお風呂はスルーしました、どうせ使えそうな物はないでしょうしね。
と言う事で居間の捜索開始です。
まず目を引くのは大きな本棚です、そう言えば魔法使いの中には、本を詠みながら呪文を唱えて戦う魔法使いの人もいるようです。
もしかしたら本も武器にもなるかもしれません!
私は見たが目強そうな1冊の本を手に取りページを捲り…。
本を閉じ、そのまま元あった所に戻しました。
決して読めないから諦めた訳ではありません!
…ごめんなさい、読めないから諦めました。
でも、冷静に考えれば本を武器にするのは無理がありますよね!
ありますよね…?
まぁ、本の事は置いといて、次は本棚の横の机を調べてみましょう。
机の上には、紙が1枚ありましたが、これも読めないのでスルーし、1番上の引き出しを開けてみます。
そしてなんと中にはナイフが2本も入っていました。これは食事の時に使う物ではなく、ごく普通で皆さんの思い浮かべるナイフです。
しかも1本はものすごく豪華な装飾がされています。
いったいこんな派手なナイフを何に使うんでしょう?
「う~ん?」
少し考えましたが分かりません。
ですが、この派手なナイフを持っていても使いにくそうって事は分かります。
ここは、こっちの普通のナイフを貰っておきましょう!
泉の精も言っていた気がします、「あなたが落としたのは、この『』ゴージャス派手派手ナイフ』ですか?それとも『普通のナイフ』ですか?」って。
…なんか違いますね…。
今日はバレンタインデーですね
皆さんはこの作品の登場人物なら誰からチョコを貰いたいですか?