真の力
「なにそれ?」
「ち、地図だ・・・。」
その地図には赤い点があり、俺が動くとそれにあわせてその点も動いていた。
「どういうことだ?・・・っ!ま、まさか!」
俺はすぐに〔ステータス〕と念じた
「や、やっぱりだ」
「ち、ちょっと。一人で納得してないで教えてよ」
「MPが減ってる」
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横井孝介 17歳 Lv1
異世界人 本質解放者
HP 20/20
MP 15/30
シールド 10
レジスト 10
スピード 10
耐性 5
スキル 《想像》〔本質〕
想像したものをそのまま発生させられる。
使用するMPは想像がはっきりしているほど
すくなくなる。
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あかりにも見えるようにステータスを開示する。
「ほんとだ、MPが半分になってる」
さっきの一瞬のダルさはそのせいか。
「それになんだ、この〔本質〕って?」
わからんなぁ、ヘルプとかないかなぁ。ほらゲームとかでよくあるじゃん。あれほしいな。
(ピー、ヘルプです。これからご主人様の困っていることについてお答えしていきます。)
あっ、出てきた。MPも5/30になっていた。でもなんかちょっと違う気もするぞ?なんかヘルプというか・・・メイド?まぁいいけど。
(〔本質〕とは《天与》スキルの真の力です。世界の理の一部に干渉できます。ご主人様の《想像》は思考を微量の魔力によって質量やエネルギーに変えることができます。〔本質〕は自らこの力を何らかの理由で行使しようとした場合、または何かによって〔本質〕の存在を知った場合に解放されます。ご主人様は前の方になりますね。)
そうなのか。
「孝介どうしたの?ボーっとして」
「あ、あぁ。スキルで今度はヘルプが出せるようになってね。〔本質〕ってやつについて聞いてたんだ。」
あかりにも〔本質〕について説明すると
「じゃあ私も使えるのかな?」
あ、そうか。これは後の方にはいるな。
「ステータス見てみてくれ」
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井上あかり 17歳 Lv1
勇者 本質解放者
HP 200/200
MP 150/150
シールド 250
レジスト 800
スピード 300
耐性 100
スキル 《超速》〔本質〕
自分と自分が触れているものの時間の流れを回りと変えられる。変化させる量と変化させている時間で使用する魔力量が変わる。
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「マジか。」
「速度が上がるんじゃなくて、時間の流れが変わるから逆に遅くもできるわけだね。」
触れているものもできるなら移動が楽になるな。
ところで気になったことを聞いてみる。
「なぁあかり。」
「なに?」
「なんでそんなにレジスト高いんだ?」
「ん~?」
なぜかレジストが異常に高い・・・。あっ!
「そういや俺が城から追い出されそうになったときあかりだけ反応しただろ?あのときなんか変なことなかったか?」
「えーっと、頭に軽い衝撃がきた、かな。」
やっぱりか。
「たぶんその時に黒魔法とかのものをかけられたんだ。みんなはかかってしまって何にも反応しなかったけど、あかりだけはレジストが高くてかからなかったんだろう。」
「そうなんだ!よかった。もし魔法にかかってたら孝介について行けなかったもん。」
「俺もあかりがいてくれてよかったよ。」
俺には力も権力もないならな。
「な、なんか照れるなぁ~」
「ついてきたからには馬車馬のように働いてもらうからな。」
「ふぇぇ~」
「冗談だ」
ちょっと面白いな。
色々やってて1日つかっちまったな。そろそろ寝るか。
「あかり。そろそろ寝るぞ。」
「はーい」
あ、そうだ。ここでスキルがつかえるかも。
「よし、できた!」
「どうしたの?」
「石の床だと痛いだろ?だからベットを作ったんだ。けど魔力もだいぶ減ってたから一個しかつくれなかった。」
それも一人用のやつだ。ダブルベットとかにでもしとくべきだったな。
「しかたないか。あかりはベットで寝ろよ。」
「な、なに言ってんの。孝介が作ったんだから孝介が寝なよ」
「女の子に一人床で寝させたらヤバイだろ。それにあかりのほうが強いんだから体壊されたら困る。」
「じゃあ一瞬に寝よ。」
「却下だ!」
「くっ!じゃ、じゃあ私はそれを却下だ!」(ぐい!)
「は?うわっ!」
あかりに無理矢理ベットに引きこまれた。まぁいいか。狭いのはこの際仕方ないとしよう。
「じゃあおやすみ」
「あぁ、おやすみ」
さすがに俺はあかりと反対のほうを向いて寝た。
次から獣人国に向かいます。