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世界端の石の部屋

(ヘル、世界端の石がどこにあるかわかるか。)

(すいません。世界端の石はデータがなくて、探知できないんです。)

(そうか)

(でも、それらしき場所はあります。そこに行ってみますか?)

(あぁ、頼む!)


ヘルはほんとに頼りになる。そういやヘルに頼ることがほんと多いよな。


(ふふっ。そうやって思ってもらえると嬉しいですね。)

(ほんとヘルには助けてもらってるからね。)

(で、では行きましょう!そこを左、あ、違った、右です!)


ヘルがあたふたするなんて珍しい。あんがいそういうのに弱いんだな。


しばらくヘルの言う通りに進むと、今までとは比べ物にならないほど豪華、且つ大きな扉があった。


(どうやら、当たりっぽいな。)

(そうだね。)

(中から人の反応はありません。行きましょう。)


扉を通り抜け・・・。なっ!


(転送ができない・・・。)

(な、なんで!)


ど、どういうことだ。


(これは、世界端の石のせいで中の空間が不安定になってますね。)


そのせいでうまく繋げられないわけか。


(それに、扉自体にも生体認証の類の結界がかかっています。このままでは入れませんね。)

(孝介、どうするの?)

(ん~。ヘル、使われている結界魔法の解析ってできるか?)

(はい。解除魔法を作るんですね、ご主人様。)

(あぁ、やってみるよ。)

(・・・出来ました。データを送りますね。)


すると頭の中に情報が流れ込んできた。

ほぅほぅ、なるほど、こういう仕組みか。


(少し時間がかかりそうだ、ちょっと待っててくれ。)

(うん。)  (はい。)


魔法の創造はプログラミングっぽい。もとの世界で少しそういった本を読んだのでどうにかなりそうだ。まずは相手側のプログラムに介入できるようにする。案外ガードが緩いじゃないか。それさえできれば結界のプログラムを書き換えてしまえばいい。供給する魔力を極端に減らして結界を維持できなくする。


(・・・よし、できた。《シールドブレイク》!)


キュォォン


パソコンをシャットダウンしたときのような音がした。結界が消えたようだ。


(ご主人様、中に入る前にポーション回収の方を待ちましょう。中に入ると外との通信、転送ができなくなると思われます。)

(そうだな。ミナ、リリ、先生、ポーションの方はどうだ?)

(ポーションを作ってるところを見つけた。今こっそり取りに行ってる。)

(そうか、ならとれたら俺のところに送ってくれ、)

(わかったのじゃ。)


しばらくポーションが転送されてくるのを待つ。まだサーナ様がいなくなったことや勇者が消えたことは気づかれていないようだ。


(横井くん。ポーションを手に入れました。そちらに送ります。)

(あぁ、わかった。)


少しして手元に赤黒いポーションが転送されてくる。

飲みたく、いや見たくもない色だな。


(ちゃんと届いたぞ。俺らは今から世界端の石を取り返しに行く。そっちは今のうちに外に出ておいてくれ。)

(((わかった。(のじゃ))))


よし、ポーションも手に入ったな。


(先に解除薬を作りましょう。すでに解析しているのでデータを送りますね。)


お、仕事が早いな。ふむ、相手の脳の計算能力を3倍にして殺すこと、殺されることなどへの恐怖というのを取り除く。代償に人間らしさである理性を失うというわけか。

改めてひどいポーションだな。

でも、やっていることがわかれば逆の効果をもつポーションを作ればいいだけだ。


(よし、できたぞ。ミナ、今からマジックバックに解除ポーションを入れる。安全なところで勇者に飲ませてくれ。)

(ん、わかった。)


これであとは世界端の石を取り返すだけだ。若干ポーション作りに魔力を消費してしまったのでMP回復ポーションを飲む。


(孝介、そろそろ行く?)

(あぁ、手早く終わらせよう。)

(うん、わかった。)


扉に手をかける。


(ここから先は転送によって戻ることができません。気を付けてください。)


気づかれないまま終わるのが理想だな。

扉に体重をかけ、開いていく。


ゴゴゴゴ・・・。


重々しい音とともに開いたら扉の先には円形の石のボードがあった。


(あの中央にはめ込まれている石、それが世界端の石です。)

(あれが世界端の石、か。)


そこにはきれいな球体をした石があった。

ヘルの言っていた通り人はいないみたいなので、そのままボードの場所へ向かう。


(どうやって取り出すの?)

(世界端の石って壊れたりするのか?)


もし壊れてヤバイなら色々作戦を考える必要がある。


(世界端の石は破壊不可物質です。手っ取り早いのは爆破解放で溜め攻撃をすることですが)

(ばれるな。)


う~ん、どうしたものか。


(孝介、ドリルって作れない?)

(ん、できるだろうが、たぶんあのボードは削れないぞ。)

(あのボードは自動修復能力があるみたいですね。となるとやはり爆破するか、修復スピードを上回る攻撃をするか、ですね。)


修復スピードを上回る攻撃か・・・。あ、そうだ!


(あかり、《超速》を使え。その状態で消滅付与の攻撃を使えばいけるかもしれない。)

(わ、わかった!)


俺も同じく消滅付与、《超速》で右側から攻める。


(行くぞ!)

(うん、せーの!)


シャシャシャシャシャシャ!


よ、よし!いけるぞ。あと少し、


カコンッ、ゴロッ


(よっしゃ!外れた。さっそくこれをもって外へ)

(うん・・・。)


ビーッ、ビーッ、ビーッ


(っ!け、警報か!)

(エネルギー供給が停止するとなるようにされていたみたいです!)



外からはバタバタと足音が聞こえてくる。兵が来てしまったか。


「侵入者!そこを動くな。もう逃げ場はない!」


こうなったら仕方ないな。めんどうなので一掃させてもらう。


「・・・《ボルトネット》!」

「「「「「「「「「ぐぁぁぁ!」」」」」」」」」


雷を地面と平行に網目のように張り巡らせる中魔法だ。これで今いた兵士は一掃できたはずた。急いで白の外へ向かわなくては。


(ボード奥の壁を破壊してください。外に出ます!)

「わかった!爆破、解放!」


少し溜めたあと一気に壁に向かって解放する。


ドカァァァン


よし、いつも通りの調子だ。


「少し高いが、あかり、いけるか?」

「うん。孝介となら大丈夫!」

「そうか、なら行くぞ!」


そして壁の穴から飛び降りた。

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