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出発前夜

今からテリック女王国に向かうのは暗くなってしまうので、明日の朝から向かうことになった。といっても今までとは違って国を横断していくので、車を使っても一週間かかるという今までにない長旅だ。それに・・・。


「ここからテリック女王国に向かうと、テライル砂漠を通ることになるのじゃが。どうかのぉ?」

「砂漠か。今までずっと森か草原だったからなぁ。温度調節用に何か作るべきか。」

「砂漠は昼は暑いけど夜は冷えるってゆうよね。」

「うん。私一度砂漠で遭難した。温度差がひどくて死ぬかとおもった。」


そ、遭難・・・。何してたんだろ。


「まずは車の冷暖房の強化と、休憩用に冷暖房完備のテントがいるな。車で寝るのは危険だからな。」

「それなら異空間に繋げてしまえばいいと思うのじゃ。」

「異空間に繋げる?」

「そうじゃ、異空間はスキルがあればこちらからの行き来や時間の操作ができるじゃろう?ゲートを作って異空間に繋げられるようにすればそこで休憩もできて、時間操作でここでの1分が異空間では一時間なんていう〇神と時〇部屋みたいなこともできるのじゃ。」

「そうか、それなら温度も気にしなくていいし、エネルギーは魔力タンクでどうにかなるな。いいアイデアありがとな、リリ。」

「そんな風に言われると照れるのじゃ。」


リリは照れ隠しにか俺に登って顔を埋めてきた。

普通に照れ隠しってそうじゃないと思うんだが。


「それができたら朝に孝介様がいう「10分だけ」を10時間にできる。」

「ほんとだ!すっごく楽しみ~!」


・・・時間操作は俺にしかできないようにしておこう。さすがに10時間はダメだ。


「と、とにかくこれで移動は大丈夫だな。そうだ、リリ。魔国の地図とかあるか?マップに追加したい。」

「マップ?それはなんじゃ?」

「あぁ、頭のなかに地形と回りの生物について表示が出来るんだ。だが、一度把握しないとダメなのでな。」

「だから地図がいるのじゃな。わかったのじゃ、すこし待っておれ。」


すると、リリはその場から消えた。リリのスキルだろう。しばらくして戻ってくるとその手元には地図があった。


「ありがとな。・・・よし、マップに追加出来た。」

「これでワールドコンプリートだね!」

「行ったことある場所は少ないけど。」

「まぁ今後時間があれば行けばいいだろう。」

「妾もほとんど行ったことないのじゃ。」


そうなんだな。あ、そういや


「あの、全く関係ないんだが、この城で会ったのってリリとフリックだけなんだが、他に人はいないのか?」

「あ、それ私も気になってたんだ。」

「私も。気配もしないし。」

(マップにも反応はありませんからね。)

「それはのぉ。妾はこの《転送》のお陰ですぐに移動できるから別に人はあまりいらないのじゃ。一応関係のある者は近くに住んではおるのじゃよ。」


そういうことなんだな。まぁ見かけより合理性なわけだ。

それからしばらく話をしたあと、俺は車の改良と《異空間breakゲート》(今名付けた)、あと外で活動するときのために温度調節結界ブローチの作成に取りかかった。ゲートを作るときの手伝いをしてほしかったのでリリには残ってもらって、あかりとミナはお風呂に入ってくるそうだ。

・・・リリが不適な笑みを浮かべていたが気にしない気にしない。


それから空が暗くなった頃にはそれぞれの作業も終わった。


「ふぅぅ~。やっと終わったな。」

「やはり旦那様のスキルはチートじゃな。」


そんなこと・・・あるな。ハハ。


(そうですよね。今までも魔獣を遊ぶように倒してましたし。)

「そ、それはちがうだろ。ちょっとは苦戦してたんだからな。」

「魔獣相手に「ちょっとは」というのはおかしいのじゃ・・・。」

「あ、はい。すいません。」


なんて話をしつつ出来上がったものをマジックバックにしまっていく。あかりとミナはもう寝たらしい。二人だけで寝るというのは珍しいな。


「仕事もおわったことじゃし、お風呂に入るかの。」

「そうだな。先入ってきていいぞ。」

「いや、妾はあと(・・)で入るのじゃ。旦那様が先に入ったらいいのじゃ。」

「・・・まさか、後でとは言ったけど上がったあととは言ってないって途中で入ってくるつもりじゃないだろうな?」

「な、なぜそれを!」


一度あかりにやられたからな。


「あかりに言われたのか。」

「そ、そうじゃ。」

(ついでに今日は二人で入れるように先にお風呂に入って寝てくれたのじゃ・・・。)

「だから珍しくあの二人が先に寝たのか。」

「な、なぜそれを!」

「念話にもれてたぞ。」

「うぅぅ。わ、妾は一緒にお風呂に入りたかっただけなのじゃぁ!」

「はぁ・・・。それならそうと正直に言えばいいのに。ほら、入るぞ。」

「え?入ってくれるのかの?」

「いや、結婚してるし、二人きりじゃないだけでもう一緒に入ってはいるし、それに俺リリのこと好きだしな。」


個人的にはロリコンではないが、ちっちゃくて可愛いのもいいなぁと、


「う、うわぁぁん。旦那様ぁぁ。」

「うわぁ!わかった、わかったから!お風呂入らないのか?」

「は、はいるのじゃぁ。」

(ご主人様、そういうとこありますよねぇ。)


う、うるさい。


お風呂にはいる。

ふはぁ~、気持ちいい~。


「旦那様。暖かいのじゃ。」

「俺は暑い。さすがにそんなにくっつかれると・・・。」


リラックスは一瞬にして奪われた。目の前の少女に。


「今日は妾と一瞬に寝るのじゃ。ちゃんとあかりとミナにも了承は得ておるからの。ちゃんと相手するのじゃぞ。」

「わかってるよ。前とは違うからな。」


好きにさせられた?からな。

それからはしばしのリラックスは一瞬にして消え去り、お風呂を上がってからも寝るときも、ずっとリリはくっついていた。


(ご主人様も大変ですね。)

(可愛いからいいんだ。)

(そうですか・・・。)

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