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魔王の天与

「リリの《天与》か。」

「そうじゃ、妾の《天与》は《転送》じゃ。元々は人やものを知っている場所に転送できるスキルだったのじゃが。旦那様も知っている通り〔本質〕の解放によって色々できるようになってのぉ。いままではそれぞれを転送しかできなかったのじゃが、今は空間を繋げられるようになったんじゃ。」

「あの黒い穴のことか。」

「そうじゃ。」


すごく便利なスキルだな。あ、もしかして


「そのスキルって異世界に繋げたりできないか?」

「残念ながらそれは無理じゃ。実はひとつの世界というのは紙のようなものでの。普通はその表側に生物が存在しておるのじゃ。そして、その紙の裏側に異空間というのがあるのじゃ。空間を繋げるのはその紙を折り畳むだけでいいのじゃが、異世界に繋げるにはその紙を持ってこないといけなくての。下手にすれば双方の世界が壊れてしまうのじゃ。」

「そうなのか。まぁ仕方ない。あと、その異空間ってこれのことか?」


といいながら俺はマジックバックを取り出した。これはつまり異空間収納と転送ができるわけだからな。


「おぉ、旦那様は妾と同じような《天与》の持ち主じゃっのか。」

「いや、俺の《天与》は《想像》だ。簡単に言えば想像を形にできる。」

「・・・それってチートじゃろ。妾の《天与》も使えるんじゃないかの?」

「それはどうだろうか。」

(すいませんご主人様。リリさんにも私を繋げてくれませんか?)

「あ、あぁわかった。リリ、今から俺のヘルプをしてくれてるヘルをリリに繋げる。念話で話をするからな。」

「え?わ、わかったのじゃ。」

(あー、リリさん。聞こえますか?)

「聞こえるのじゃ。これはすごいのじゃ。」

(さっきの《天与》が使えるかどうかなのですが、普通なら使えません。しかし、先程のリリさんの説明とご主人様の膨大な魔力を使えば大丈夫だと思われます。)

「ご主人様ってのは俺のことな。それにしても《天与》スキルが使えるのか。早速やってみるかな。」


一時的では毎回想像しないといけないので、大変ではあるが今回はスキルとして確立させたい。

さっきのリリの説明を意識しつつ、久しぶりに魔力が抜けていく感覚がある・・・。


「よし、いけたぞ!」

「ほんとうかの?つまり旦那様は仕組みと魔力さえあれば《天与》スキルレベルの魔法も使えるというわけなのじゃな。」

「孝介様すごい!」

「せっかくなら私の《天与》もコピーしておいたらどう?」

「そうだな。」


たしか、回りとの時間の流れを変えるんだったはず・・・。


(ご主人様!それ以上したら・・・。)


え?と思ったときにはコピーが終わっていた。と同時に俺は意識を手放していた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うぅぅ、頭がいたいな。たぶん魔力の使いすぎだろうな。二つの《天与》のコピーで魔力枯渇になったからちょうど半分ぐらい、63000の半分で31500ぐらいかかったわけだな。

久しぶりに一人で寝たな、と思い起き上がろうとすると、体が物理的に重かった・・・。あれ?あかりとミナの姿はないが、正確には胸からお腹にかけてが重い。見てみると、布団に変な膨らみがあった。


「まさか・・・。」


布団をめくると、そこにはリリがいた。


「はぁ、結局一人では寝れなかったわけだ。」


リリを揺すって起こす。すると、


「むぅ。旦那様、おきたのじゃな。」

「あぁ、あかりとミナは?」

「別の部屋で休憩しておる。今回は妾に旦那様との添い寝を譲ってもらったのじゃ、初めてだからの。」

「そ、そうか。」


とりあえず俺はベットから起き出そうとすると


「ダメなのじゃ、今は妾のターン。ちゃんと相手するのじゃ。」

「相手っていわれてもリリはどう見ても子供だし、俺はロリコンじゃない。」

「そんなのは関係ないのじゃ。それに妾は見た目は子供、頭脳は大人、じゃ。」

「そ、そうか。年をとらないんだったな。でも俺は起きる。」

「ダメじゃ。今相手しなければダメなのじゃ。」

「はぁ、俺はまだリリのことを好きになってないんだから仕方ないだろ。」


そうだ、仕方ない。


「うぅぅ、ならこうするのじゃ。」


といいながらリリは俺の顔のところまできて、スリスリしたり、耳をしゃぶったりしてきた。


「二人から旦那様はこういうのに弱いと聞いたのじゃ。どうじゃ?好きになったかの?」


うぅ、あかりとミナか。事実、俺はこういうのには弱い。ダメだな。こりゃミナの時と同じになる。


「・・・わかったよ。10分だけな。」

「やったのじゃ!なら、キスするのじゃ」

「いや、それはさすがに・・・ってちょっと、待てって。うわ、子供なのに力強すぎるだろ。」

「一応魔王じゃからな。」

「そうだったな。で、キスしようとするな、う、うわぁぁ。」

「ん~。ふはぁ。おいしかったのじゃ。」


はぁ、やっぱりダメっぽいな。

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