ミナの家族
「ミナを助けてくださり、ありがとうございます。」
「ほんとにありがとう。」
俺たちは今、ミナの家に来ている。お父さんはリード。お母さんはリナというらしい。
俺たちの(九割俺の)騒動に何事かと見に来たミナの両親がミナを見つけてミナと再会。事情を説明したところぜひお礼をさせてほしいとおうちに上がらせていただいたのだ。
ちなみにミナとの結婚についてはまだ、話していない。今回は正式に結婚するためにもミナの両親に了承を得ようと思っている。
「横井さんはドラゴンを倒すぐらい強いということはSランクの冒険者なのですか?」
「いえ、冒険者ではないんですよ。ただの旅人です。」
「そうなのですか。ではうちのミナはもう少ししたらここを出てしまうのですね。」
「お、おい。それはどういうことだ?」
ん?どういうことだ?
「どういうこともなにも、状況的に横井くんはミナの王子様ですよ?そんな横井さんにミナが運命を感じないわけがないでしょう。たぶん横井くんとミナは今から私たちに結婚することについての了承を得るつもりなのではないですか?」
「な、なんだって!ミナ、本当なのか!」
な、なんでわかるんだ!?それにミナのあのメルヘン思考は母親譲りだったのか。
「え、ええと。うん、そうなの。」
「はい。ミナと結婚しようと思います。」
「他に奥さんはいるの?」
「私が孝介の妻の井上あかりです。」
「そ、そんな他に妻がいるやつにうちのミナをやるわけにはいかん!」
「でもお父さん。そんな人一杯いるし、犯罪でもない。」
「リードはミナがいなくなるのが寂しいのよ。」
図星なのか、ミナのお父さんは耳を赤くしていた。
「お父さん・・・。」
「そうですか。ミナはどうしたい。」
「私は・・・。孝介様と結婚したい。いや、結婚する!」
「そうなのね。わかった。お母さんは認めるわ。」
「ほんと!ありがとうお母さん!」
「り、リナ。お父さんは認めないぞ!」
「お父さん・・・。」
「あなた、よく考えてくださいよ。いままで友達もあまりできず私たち親とばかり一緒にいたミナが家族以外といてこんなに嬉しそうなのですよ?横井くんこそミナの旦那様にふさわしいではありませんか。」
「お、お母さん・・・。」
ミナは友達がいなかったんだな。
「ぐ、ぐぬぬ。」
「お父さん。私も早くお父さんとお母さんに孫の顔を見せに来るから。」
「孫・・・。っ!もうそんなことまでしてるのか!?」
「そ、それはしてない!けど、イヌミミとシッポは触ってもらった。」
「そ、そうなのか・・・。ならもう言ったところでどうにもならないか。」
イヌミミとシッポってそんなに影響するんだな。
「横井くん、もしうちのミナが泣いて帰ってくるようなことをしたら許さんからな。」
「はい。必ず幸せにします。」
(良かったですね。ミナさん。)
「ミナ、良かったね!今日の夜は二人で孝介のこと襲いにいこう!」
「あかり、それ相手の前で堂々と言うことじゃないと思うよ・・・。」
「でもそれぐらいしないと孝介様は相手してくれない。」
「わ、わかったよ。これからはちゃんと相手するから。」
「「やったぁ!」」
「では、そろそろ晩御飯を作りますよ。今日はせっかくなので私が作りますね。」
「おかあさんが作るの!なら私も作る。」
「えっ!い、いやリナ、ミナ!お、俺が作るから休んでてくれ。」
「いえいえ、いつもあなたがつくってるんですから。今日は私とミナで作りますよ。」
「うん!孝介とあかりにも手料理食べてほしい!」
「あぁ、楽しみだな。」
「うん!楽しみ。」
リナさんとミナが台所のほうに行くと、リードさんが
「二人とも、覚悟しろよ・・・。」
「「へ?」」
(どういうことでしょうか。)
リードさんがそれ以上深く語ることはなかった。
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「料理できたよ~!」
持ってきてくれた料理は・・・。
「お、おう。」
紫色をしていた。
「これってジャイ〇ンス・・・。」
「そんなこと言わないの!」
(こ、これは・・・。鑑定してもなにもわからないです・・・。)
「どんどん食べてくださいね。」
「「は、はい・・・。」」
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う、うぅぅ。ありゃ今後ミナにご飯を作らせないようにしなくては・・・。
今俺はベットの上にいる。今日は泊まっていってくれということでベットを貸してくれた。
「一人は久しぶりだな。」
最近はあかりとミナがくっついていたからな。
少し寂しいが、
「寝るか。」
バンッ!
「「襲いにきました‼」」
「あ・・・。」
そうだったな。
「てかその服はなんだ?その、ちょっと露出が多くない・・・。」
「お母さんにもらったの。孝介様と夜を楽しむために。ふふっ。」
「私ももらえたの。これで孝介と・・・。うふふ」
「ちょ、ちょっと二人とも怖いぞ?」
「「孝介(様)、楽しみましょ!」
「えっ?う、うわぁぁ。」
その後はいつもどおり、いやいつもよりちょっと強めに相手をしてやった。