獣人国に入る
「ヘル。ステータス開いてくれるか。」
(わかりました。)
ステータスをコピーして自分のものに移す。
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横井孝介 17歳 Lv15
異世界人 本質解放者
HP 1500/1500
MP 600/600
シールド 2000
レジスト 1100
スピード 700
耐性 1800
スキル 《想像》〔本質〕
《威圧》
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「HP、シールド、耐性、あと《威圧》はコピーしたが、他はそのままだ。Sランクを倒したからか一気にレベルが上がってるな。」
コピーしたところは上書きされるからレベルアップが関係なくなってしまうのがちょっともったいない。
あかりのほうも同じくレベルアップでステータスが上がっていた。
その後は素材と魔石を回収して、他は焼いておいた。腐ったら困るからな。ヘルが素材とその取り方を教えてくれるからとても楽だ。
「今後であった魔物はスキルも奪いたいし倒していこうか。」
「わかった。いつのまにか孝介の方が私より強くなってるね。また守られる側になっちゃうのかぁ。」
「あかりも充分強いし、それにあかりの《超速》がないと困るからね。あと・・・あかりがいてくれないと寂しいからさ。」
「んもぅ、私も孝介と一緒にいたいもん。」
「あかり」
「孝介」
(いちゃいちゃするのもいいですが、早く進まないと日がくれますよ・・・。)
「「あ、はい。」」
そして、俺たちは走りつつ魔物を倒してコピーを繰返し、人国と獣人国の国境の門まで行った。門の順番待ちの間に入手したスキルを説明しよう。
《望遠》遠くを見れる。
《鑑定》物質の名前や性質がわかる。
《強化》からだの強化、硬化ができる。面積に威力が反比例する。
《気配感知》気配を感知できる。
《気配遮断》気配を遮断できる。
実は普通のスキルは魔力を消費しない。そのため、《強化》《気配感知》《気配遮断》は常につけておくことにする。《鑑定》は猿の魔物が持っていて、武器を使っていた。《鑑定》を使って武器の素材を選んでいるようだ。
そろそろ俺たちの番だな。よく見ると獣人もそれなりにいるみたいだな。
「次の人」
お、順番が来たな。
「じゃあ持ち物を見せてくれ」
人国と獣人国の間は持ち物を見せて、安全であれば通してもらえる。関係が悪いわけではないのだろうが、ちょっと警備が甘い気もする。まぁそのおかげで国王の辺りにばれずに済みそうだが。
「持ち物は、武器、防具とバックか。変なバックだな。中身は、なにもないが?なんなんだこれは?」
あ、そりゃ空のバックなんて不自然か。
「あ、えーと、その~」
ヤバいヤバい
「これ夫の両親のために私が作ったんです。今から持っていくところでして。ね、あなた。」
「え、あ、あぁ、そうなんだ。妻はこうゆうのが得意だからね。」
「そうか。若いのに結婚なんていいな。俺はまだだからよ。じゃ、お幸せにな。」
といって通してくれた。
「あ、あかり。ありがとな。」
「どういたしまして!」
「それにしても、あ、あなたって・・・。」
「ダメだった?」
「いや、ちょっと嬉しかった。けど俺たち17歳なのに結婚に違和感を持ってなかったな。」
(この世界では親が認めさせすれば結婚できるので年齢制限はありません。結婚も申請などの必要もないので、自由なんですよ。)
「そうなのか。」
「なら結婚してるって言ってしまえば結婚してることになるんだね。」
(はい。なのでご主人様とあかりさんのように付き合うという概念はありませんよ?)
「「え?」」
そ、そうなのか?な、ならどうすれば。
「つまり私たちこの世界では結婚してるってことになるわけだよね。」
「いまさら元に戻すなんて選択肢は
「「ないからな(よね)」」
(そ、そうですか。)
「じゃああかり。」
「はい!」
「これからは俺の妻として、一緒にいてくれるか?」
「もちろん。孝介も私の夫になってくれる?」
「もちろんだ。」
「孝介」
「あかり」
(はぁ・・・。回り見えてます?)
ん? あ・・・。
(こんな人通りの多いところでよくそんなことできますね。)
通りすぎる人たちのほとんどが桃色の空気を醸し出す俺たちを見ていた。ほほえましいものを見たといった顔の人や、恨めしそうに睨むものまで。
たぶん(なんであんな冴えないやつがめっちゃ可愛い美女と結婚できるんだよ。)とでも思っているのだろう・・・。
俺たちは一気に顔を真っ赤にしてそこから逃げた、が途中であかりが手をさし出してきたので握ると向かい合ってまた桃色の空気を出して・・・。
後はさっきと同じだった。