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Sランクの魔物

それから俺たちはペック村を後にした。


「じゃあ《超速》かけるね。」

「あぁ、頼む」

「・・・よし、できたよ。」

「じゃあいくか。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺たちはそのまま昼まで走り続けた。


「そろそろ休憩がてら飯にするか。」

「わかった、じゃあ場所の準備するね。」


といってマジックバックからシートなどを取り出した。


せっかくなので自分用とあかり用にもうひとつ作っておいたのだ。少し難しかったが、異空間収納にあかり専用と俺専用、あと二人の共有スペースの3つを作っておいた。さすがに自分の服や下着を共有スペースにいれるのは気がすすまないからだ。まぁ俺がちょっといじればあかり専用スペースから取り出すこともできるのだが・・・。やらないものはやらないのだ。


「じゃあ俺は料理の準備をするか。」


といっても実は作りおきをしてあるので取り出すだけでいい。


あ、そういや最近ヘルと話してないな。


(ほんとですよご主人様。まぁヘルプなので仕方ないのですが・・・。)


すまないな。そうだな、どうせならあかりの方にもヘルを繋げるか。いいか?ヘル。


(はい、これで私も会話に入りやすいので。)


そうだな。もっと早くするべきだった。


ご飯の準備ができたので食べながら話すことにした。


「あかり。ヘルと話したんだがあかりの方にもヘルを繋げたいんだが、いいか?」

「できるんですか!やった!私ヘルさんと話してみたかったんだ。」


そうなのか。なら繋げるか。・・・。よし!


(あー、あー、井上さん?聞こえます?)

「はい、聞こえますよ。」

(あかり、聞こえるか?)

「えっ!孝介?」

(あぁ、この際ヘルも含めた三人でしゃべらずに会話できるようにしておいた。)

「私もできるんだ。」

(ええ、やってみてください。)

「はい!」

(あー、あー孝介、ヘルさん、聞こえてますか?)

(あぁ、聞こえてるぞ)

(こっちも聞こえてますよ。)

(良かった。)

(これは相手を指示すればその相手だけと話すこともできる。後離れていてもできるからな。)

(そうなんだ。)

(これで井上さんともお話できますね。)

(はい!あとできれば名前で呼んでほしいです。)

(わかりました。あかりさん。)


これでヘルとの会話も増えるかな。

そんなこんなで、昼食も食べ終わった。


「とりあえず普段はしゃべっておけばいい。ヘルにも聞こえるからな。」

「うん、わかった。」


そして、後片付けを終わらせると、


(ご主人様、マップに大型の敵の反応があります。)


お、ほんとだな。星形の赤色だ。


「あかり、敵の反応があった。もしかしたらビッグベアかもしれないな。」

「わかった。見かけたら倒すって話だったからね。早速向かわないと。」

(ご主人様、あかりさん。気を付けてくださいね。)

「はい。」 「あぁ。」

「孝介、ご主人様って呼ばれてるんだね。ふふっ。」

「わ、笑うな。もともとこうだったんだからしかたないだろ。」

(いやならやめましょうか?)

「あ、いや、大丈夫だ。」

「ふぅ~ん。案外気に入ってるんだぁ~」

「・・・あぁ!そうだよ!悪いか!」

「ふぅ~ん」 (そうなんですか!良かった。)

「もういいだろ。早くいくぞ!」


はぁ、なんか疲れた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


いたな。


「ねぇ、もしかしてあれって。」

「あぁ、あのときの熊の魔物だな。」


まぁビッグベアって時点で薄々気づいてはいたのだが。


(あれは、村で言っていたビッグベアですね。ビッグベアはそもそものステータスが高く、特にHP、シールド、耐性の値が高いですね。あの個体は《威圧》のスキルを持っていますね。)

(わかるのか?)

(はい。)

(じゃああいつのステータスをコピーできるかな?)

(残念ですが生きている場合はこちらからステータス画面を見るのは出来ません。倒したあとなら抵抗されなくなるので、コピーできますよ。)

(なら手早く倒しちゃお。)

(そうだな。さっきの説明からだと魔法攻撃をするべきか。昨日作った剣の力をためさせてもらうか。)

(じゃあ私も孝介に付与してもらった刀を試してみよっと。)

(じゃあいくぞ!)

(うん!)


その後あかりに《超速》をつけてもらってから先制攻撃をしかけた。


さて、俺の力をためさせてもらおうか。


超速のおかげでものすごい速度でビッグベアとの距離をつめる、がさすがSランクというところか、俺たちの存在に気づいたみたいだな。そう、存在には。


「まずはこれでいかせてもらうぞ。」


俺は付与のうちのひとつを解放した。付与解放中は徐々にMPが減るのだが、武器を改造してMP回復ポーションがマジックバックから転送で送られるようにしているため切れることはそうそうないだろう。また解放中は衝撃や任意のタイミングで付与の種類に応じた魔法攻撃をできる。今回の付与は・・・。


「爆破だぁ!」


存在には気づいたが、反応はできず。そのまま俺は高く飛んでビッグベアの顔を横から切りつけた。


ガッ!ドガァン‼


さすがにシールドが高いからか刀はあまりはいらなかったな。だが爆破は効いただろ。


ビッグベアが爆破で体勢を崩したところに今度はあかりが連続で切りかかる。付与は・・・。風か。風の刃でビッグベアに深い傷をつけている。


普通の人が見ればひとりでにビッグベアから血が吹き出しているように見えるだろう。それぐらいの速度だ。そのうちに俺は爆破の付与エネルギーを溜める。ためている間は付与の効果が使えないのと、意識を溜めるのに使わないといけなかったりするのだが、ためている時間に応じて次の一撃の威力をあげたり、それを使って魔法を放つこともできる。

今回は威力をあげるつもりだ。


5秒ほどためた後


(あかり!離れてくれ)

(わかった!)


あかりと入れ替わりに俺がビッグベアの懐に入り込んだ。


「最初の一発だ。ありがたく受けとれよ!」


剣をビッグベアの横っ腹に切りつけ、エネルギーを解放した。


ズガァァン!!


さっきとは、比べ物にならない威力の爆発が起きた。魔法はわざとそうしないかぎりは使った本人には影響しない。そりゃそうしないと火魔法なんて使えたもんじゃないからな。


激しい爆発により腹を大きく削られ、近くの岩に激突した。遠くに吹っ飛ばないように狙ったのだがうまくいって良かった。


「やった、うまくいったね。」

「あぁ、じゃあコピーさせてもらうとするか。」

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