最初で最後のお買い物?
少ししてある店に着いた。
「先ずは服だな。」
「そういや服の替えがなかったね。」
そうなのだ。だから俺も気持ち悪いが、特にあかりは女子だからな、先ずは服の替えを買ってやりたかった。
「あんまり高いものは変えないが3着ずつぐらいは買っておくか。ついでに今の服は売ってしまったらいいかな。
「そうだね。その分のお金で足しにもなるしね。」
その後それぞれで、服を買った。
「孝介。見て見て!」
「お、いい感じだな。」
俺はファッションとかはわからないが、あかりの着ているものはそんな俺でもわかるぐらいのものだった。
するとあかりはくるっと一回転して少し前のめりになって上目使いで、
「どう?可愛い?」
といった。ヤバいな。さすがに俺は見とれてしまった。
「あ、あぁ。」
「なにそれ。可愛くないの?」
「いや、そうじゃない。その・・・。」
「ハッキリ言ってよ~」
「あの~、なんだ、その、可愛すぎて見とれてたというか。」
「ふぇ?」
ふぅー。いや~危なかった。あれ以上続いてたらまともにいられなかったかもしれんな。
とにかく俺も手頃な服を買ったのでいいだろ。
「ねぇ孝介。一つ思ったんだけど」
「なんだ?」
「孝介のスキルで服作れたと思うんだけど。」
「あ・・・。」
そ、そうだった。
「で、でも俺服とかわからないからな。」
「みながらやればコピーできたでしょ。」
「・・・す、すまない」
「ううん。孝介が、み、見とれてくれたから。そ、その、嬉しかったし。」
「そ、そうか。それなら良かった。」
なんかギクシャクしちゃうな。
「こ、これからはスキルでものを作るようにしないとな。」
「そうだね。」
俺の《想像》スキルでは食べ物を作り出すこともできるため食事を買っていく必要もない。
「結局よくよく考えたら買わないといけないものなんてあるのか?」
「ポーションとかはどうなの?」
ポーションか、魔力ポーションとか作れたら魔力切れの心配がなくなるのだが。できるかな・・・。
コロン
「「あっ」」
ヤバいなできてしまった。
「とうとう本気で買うものがなくなってしまったわけか。」
「まぁお金がかからなくていいじゃん。」
「じゃあ宿にかえって武器とか防具とかその他諸々作るか。」
そして俺たちは宿に帰った。昼ご飯を食べてから武器などを色々作ってみた。これがなかなか楽しかった。防具には色々と属性耐性をつけてみたり、武器は単純に剣にしておいた。だが、《想像》スキルで産み出した魔法などを付与していつでも使えるようにしてある。あかりのものにも同じく付与しておいた。
その間あかりは個人的に色々していたみたいだが、やることがなくなったのか作業中の俺に後ろからおんぶのような感じで乗ってきた。顔を擦り付けて来たので、俺からもやり返しておいた。ちょっとびくっ!ってしてたがすぐに嬉しそうな顔になっていた。
色々しているうちにだいぶ暗くなってきたな。
「そろそろ風呂入るか。」
「そうだね。じゃあ入ろっか。」
「え?」
なんでお風呂入るのにあかりに手を引っ張られてるんだ?
「ん?まさか一緒に入るのか?」
「そうだけど?だって昨日そうやって約束したでしょ?」
へ?・・・。あ、そういやそんな話したね。
「でもさ~、さすがに付き合ってすらないのにそれはさ。」
「・・・。」
「いや、普通一瞬お風呂入るのは結婚する男女ぐらいじゃん?」
「・・・。」
「だからさ、」
「・・・うぅぅ。」
「・・・あーもう!わかったよ!」
「やった!」
「ほんと何が楽しくて一緒に入るんだ?」
「入りたいから入るの!」
なんだそれ。まぁいいか。俺も感覚が麻痺してきたのか嫌には思わなくなってきたしな。
(それは感覚の麻痺ではありませんよ?)
ヘル・・・。最近俺があかりとこういうことになる度に出てこないか?
(ふふっ、まぁそれよりもご主人様もそろそろ自分に正直になられたらどうですか?)
なんだよ。それってつまり俺はあかりのことが好きなのか?
(やっぱり気づいてないんですね。)
やっぱりそうなのか。
(昨日は自分で気づくのが大事と言いましたが、今日の様子を見てると我慢できませんでした。)
そんなにひどかったか?・・・。そ、そうだな。見とれてたもんな。
(そろそろちゃんと気持ちを伝えてあげたらどうですか?断られる可能性もないんですから。)
そ、そうだな。正直一緒にいて楽しいのは事実だしな。たぶん俺は好きっていうのがなんなのかわかってないんだろな。
(応援してますよ。)
あ、あぁ。
「孝介?早く入ろうよ。」
「あぁ、わかった。」
そして二人でお風呂に入った。今度はタオルを巻いてだが。途中で体を流すと言っていたがさすがにそれは断った。
お風呂を上がってから次は晩ごはんなのだが、ここで少しやっておきたいことがある。
そろそろ二人の関係に変化が・・・。




