オープニング
「やった、成功だ」
誰かの声が聞こえて目を開けると、そこには見たことのない世界がひろがっていた。
「・・・どうしてこうなった?」
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俺は横井孝介 高校2年の17歳で、いわゆる冴えない男って感じのやつだ。
今はちょうど高校に向かっているところなのだが、正直めんどくさい。勉強が、ではない。そう、俺はいじめられている。まぁそれが辛いわけではないのだが、そんなやつらに関わられるのがめんどくさいのだ。そんなことに使う労力はない。とりあえず勉強はしないと将来のためにならないということで休んではいないのだが・・・。
高校についた。
いつもどうりのどこぞのアニメのようなありがちないじめを受けつつ教室の机に着く。まぁその机も落書きされているわけで
「あー、めんどくせー」
と、愚痴りつつ消そうとしていると
「あいつおもんねぇなぁ~」
「せっかく俺たちが面白くしてやってるってのによぉ」
「ほんとほんと」
あいつらだ。まぁいつものことだが。
桐山信吾
大山柊
佐賀仁司
学校のいわゆるワルなやつらだ。いじめの中心のやつらだが、悪知恵が働くため先生も注意しようにも証拠がつかめずどうにもならないみたいだ。
まぁこれだけなら別に堪えるわけでもないからいいのだが、これだけなら・・・。
「孝介君!また落書きされてるじゃん。一緒に消してあげるよ」
ほら始まった。肩まで伸ばした綺麗な黒髪に整った顔とスタイルのこの子は井上あかり。この高校のマドンナってわけだが、こんなふうに毎日話しかけてくる。優しくしてくれることは嬉しいのだが、あまりそうゆうことをすると・・・。
(なんであいつがあかりちゃんとしゃべってるんだよ)
(冴えないくせに)
とまぁこうなるわけで、いじめっ子だけでなくほぼすべての人から親の敵を見るような目で見られる。ただ、これはまだましだ。なぜなら・・・。
「でさ、いつになったらこないだの返事くれるの?」
「なんだ?それ?」
「もぅ!とぼけないでよ。付き合ってって話したじゃ~ん」
「・・・保留だ」
というわけだ。とぼけてみたが無駄だった。正直これに安全な答えはない。はい、といえば(調子にのりやがって)となり、いいえ、といえば(あかりちゃんを悲しませやがって)となる。よって、とりあえず保留なのだが。
いつもどうり机の落書きを消したところで、ちょうどチャイムがなり先生が入ってきた。
「はーい、みんな座ってねー」
この先生は田畑恵24歳 小柄で童顔なため威厳はないが、その見た目からこっそりファンクラブができるほど生徒に好かれている。
「じゃあホームルームはじめるね」
といった直後だった。教室の床に見たことのない文字の書かれた円形の模様がうかびあがり、光だした。
「みんな、教室の外へ!」
と田畑先生が叫ぶも、とっさに反応できた者はおらず全員がその光に飲み込まれてしまった。そのあとには人は一人として残っていなかった。
不定期更新でやっていきます。