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第7話 訓練初日と眷属化

 異世界生活2日目


 僕は、胸のあたりが苦しくなり、目が覚めた。


「知らない天上だ」


 異世界に行ったら絶対に言ってみたいと思っていたセリフを言ってみた。


 なぜか胸のあたりが苦しいと思い視線を下に向けてみると、布団が不自然に盛り上がっていた。

 気になって右腕を動かそうとしたら、手に柔らかいものが触れた。

 横を見てみると、なぜか裸の金髪美女が僕の腕を抱きしめて眠っていた。


「・・・・・・・はっ!?」

 

 一瞬思考が停止したが、まさかと思い逆を見てみると、予想通り裸の黒髪美女が僕の腕をその大きな胸の谷間に挟んでいた。


 そして、正面に向きなおれば布団がもぞもぞと動いていた。


 足を動かして布団をどかすと、予想通り銀髪の美少女が僕の上で眠っていた。しかも裸である。


 左右に腕を抱いている裸体の美女、上には抱き着く形であおむけに眠っている美少女。


「ここは天国だったのか....」


 そんなくだらないことを考えていると、異世界に召喚されたことを思い出した。


「そういえば昨日この世界に召喚されたんだったね。やっぱり現実だったんだ...」


 昨日のことは夢で、寝て起きたら元の世界に戻っているかもしれないと考えていたけど、やはり現実だったようだ。


「なぜ裸なのだ....ん?ちょっと待ってよ。今のこの状況って色々とヤバいんじゃ?特に鈴華達に見つかったら.....」


 今更だけど、裸の女性と一緒に寝ているということが非常にまずい状態だと気が付いた。

 特にニーアは身長が130cmぐらいで見た目が幼女だからマジでヤバいかもなんて考えていると...


 コンコン


「兄さん、起きてる?」


 最悪の状態になった。


「お、起きてるよ!! レヴィ、ソフィア、ニーア! 今すぐ起きて剣の状態に戻ってくれ」


 僕は急いで彼女たちを起こして剣の状態に戻ってもらおうとしたが


「悠璃、入るわよ」

「え!?いや、ちょっと待っ」


 ガチャ


 無慈悲にも那月たちは順番に入ってきた。

 

「悠璃、起きてるなら一緒に朝食に...」


 那月は部屋に入った瞬間、ベットの上の僕たちの状況を見て固まってしまった。


「那月ちゃん、そんなところで立ち止まってどうしたの....」


 そういって入ってきた鈴華もベットの上の状況を見て固まってしまった。


「あ、いや、これは違うよ!僕は何していないからね!朝起きたらこんな状態だったんだよ!!」


 僕は急いで理由を説明したが、彼女たちの表情は次第に無表情になり、冷めた目で見つめてきた。

 あぁ、終わった。僕の人生は終わったよ...


「ふぁー、おはようございます、マスター」

「おはよう、主」

「主様よ、おはようじゃ。昨日の夜は激しかったのじゃ」

「おい、まて!僕は昨日すぐに寝たよね!?何もしてないよね!?」


 変なこと言いだしたから、すぐに否定したが


「兄さん、そこに正座」


 それから、10分ほど2人に正座をさせられお説教された。

 無実なのに理不尽だ....


 ♦


 それから、2人のお説教が終わり、みんなで朝食を食べに来た。

 神器3人組は今回もお留守番だ。


 ちなみに、扉の外に出たらメイドさんが1人立っていた。昨日食事の時に呼びに来てくれた人で、どうやらこの人が僕の世話係のメイドだ。


 僕たちには各人に1人メイドを付けてくれている。

 女子は希望があれば執事に替えてもらえるらしい。

 

 那月と鈴華はメイドにしたようだ。


 僕たちは3人のメイドさんの後をついて食堂に来た。


 テーブルにはすでに何人かの生徒が座っている。

 

 奥の席には光輝と何人かの女子が集まっている。


 僕はその光景を少し羨ましいなぁと思いながら近くの席に着いた。


 少しすると生徒の人数が増えてきた。


「おはようございます」


 鈴華達と話していると、食堂に入ってきた五十嵐さんが僕たちの座る席まで来た。


「おはよう、五十嵐さん」

「おはよう、颯」

「おはようございます。颯先輩」

「私もここで食べていいかしら?」

「もちろんいいですよ」

 

僕たちは挨拶をして朝食を食べ始めた。


 少し経つと騎士団長さんが食堂に来た。


「飯を食べ終わった者から、準備して訓練所に集合してくれ。全員揃い次第、今日の訓練を始める」


 そういうと食堂を出て行った。


 僕たちは食事を終わらせて一旦分かれて自分の部屋に準備しに戻ってから、訓練所に集合した。



「さて、本日から勇者さまたちの訓練を担当することになった、騎士団長のアルフレッドだ」

「副団長のフリードです」


 アルフレッドさんとフリードさんは最初に自己紹介をした。


「さっそく訓練を始めていくんだが、まずは前衛と後衛に分けようと思う。勇者様たちのほとんどはギフトと職業技能以外持っていなかったと思うが、この中で武術系のスキルを持っているものは前に出てくれ」


 アルフレッドさんの声で全体の5分の1が前に出た。


 うちの学校は全校生徒、教師合わせて413人だが、この世界に召喚されたのは400人程度だった。


 スキルを所持しているのは殆どが武術系の部活に入っていた人たちだ。


 ちなみに僕たち3人はスキルを持っていない組だ。

 鈴華は一応精霊魔法を習得しているが、精霊と契約していないためLv0で使うことが出来ない。だから僕たちと一緒にいる。


「ふむ、やっぱりスキルを持っている者は少ないようだな」

「僕たちは元々、争いがほとんど起きない平和な国から来ましたから」


 アルフレッドさんの言葉に光輝君が返している。


「それじゃ、職業を確認するから俺とフリードのところに分かれて並んで一人ずつ教えてくれ」


 アルフレッドさんの合図で2つの列ができ始めた。

 僕たち3人は一緒に並ぶことにした。


 それから1時間ほどで確認は終了した。


「全員の確認は終了したな。では、あそこに武器が置いてあるだろう。戦闘職はその職業に合った武器を選ぶんだ。それ以外の職業の者は自分に合ったものを選ぶといい」


 各人が自分に合った武器を選びに行った。


 僕は片手剣と刀を1本ずつの2本を選んだ。理由はニーアが片手剣でレヴィが刀だからだ。

 2本使うには剣と刀の二刀流にしなければならい。

 ただ、最初から2本を使うことはできないので、剣術と刀術を習得してから二刀流を習得することにした。


 鈴華は弓と短剣を選んだようだ。精霊魔法は杖を必要とせず、弓術と相性が良いみたいで選んだ。短剣は接近されたときの護身用らしい。


 那月は杖を選んだようだ。杖は魔法発動の補助があるらしく杖術を習得するようだ。ちなみに、魔法は杖を装備しなくても使用することはできる。ただ、杖を装備すると魔導師系の職業は補正を受けるようだ。


「全員、武器を選び終わったようだから、さっそく訓練を始めていくぞ」

「「はい!!」

「まずは、ここを10周走るんだ」

「「ええ?!」


 アルフレッドさんの言葉にブーイングが起きた。特に文科系の部活に入っていたものが多い。

 それはそうだろう。運動部以外は殆ど運動しないんだから。


「文句を言っている暇があったらとっとと走ってくるんだ。体力がなければ何もできないぞ。文句ばっかり言ってるならプラス10周するぞ」


 10周プラスされると聞いた瞬間全員が走り出した。


「はっ、はっ、はっ」


 僕は何とか遅れないように最後尾についている。

 実を言うとニーアの身体強化を使用している。左右の腰に1本ずつ彼女たちを持っている。

 僕のステータスは他の人たちと比べて格段に少ないから、身体強化を使わないときつすぎる。


 鈴華と那月は僕より前にいる。彼女たちは魔導師系だけど、僕よりもステータスが高いからね。ちなみに僕の後ろには誰もいない。


「ラスト1周だ。全員頑張れよ」


 アルフレッドさんの声で全員ラストスパートをかけた。


「お、終わったー」

「悠璃お疲れ」

「兄さん、私たちよりステータス低いのに頑張ったね」


 先にゴールしていた鈴華と那月が声をかけてくれた。


「よし、全員終わったな。これから、訓練の時はまず、最初にこれをやるから覚えておけよ。それじゃ、今からそれぞれの武器の使い方を教えていく」


 最初は武器の使い方と素振りから始めるようだ。


 それから3時間ほど訓練をして午前は終了した。

 午後からは魔法の訓練と座学の勉強がある。


 魔法の訓練は魔法師団の団長アリーシャさんが、座学はメイド長のセーラさんが担当をしてくれた。


 今日の訓練がすべて終わり自分の部屋に戻ってくると神器3人娘は擬人化のスキルを使って人型になった。


「マスター、お疲れ様です」

「お疲れなのじゃ」

「お疲れ」

「3人ともありがとう。今からお風呂入りに行ってくるから3人はこの部屋で待っててね。外にメイドさんがいるから何かあったら彼女に言ってね」


 僕は3人に部屋で待っているように伝えて、お風呂に向かった。

 

 この城には大浴場がある。当然男子と女子は分かれている。

 

 それから1時間ほどで戻ってきた。あまり長くいると人が増えてくるからね。


「じゃあ、今日も眷属化を行おうと思う」

「いえマスター、折角なのですから、私たちの能力が解放されてからでいいのではないでしょうか?眷属化によるスキルの習得は1人につき1回しか行えないのですから。それに私たちは契約していますからね」

「妾もそれで問題ないぞ」

「うちも大丈夫やで」

「分かったよ」


 3人の言う通り今眷属化するよりも新しい能力の解放をしてからのほうが強いスキルが習得できるからね。


「じゃあ、どうしよっかぁ。魔力を全部使いきることで魔力量を確か増やせるんだったよね。魔力操作と魔法の練習でもしようかな」


 コンコン


「悠璃様、入ってよろしいでしょうか?」

「うん?フローラかな。入っていいよ」


 暇になったから何をするか考えていたらフローラが部屋に来た。


「どうしたの?」

「昨日できなかったので、本日眷属化してもらおうと思い来ました」


 どうやら、眷属化してもらうために来たようだ。


「そうだね。フローラが望むなら眷属化することにするよ」

「ほんとですか!?ありがとうございます」

 

 フローラは本当に嬉しそうに返事をした。


 それから、昨日と同じように眷属化をして、少し話してからフローラは部屋を出て行った。


 そのあと、鈴華と那月が部屋に来て一緒に夕食を食べて、少し話してから自分の部屋に戻っていった。

 僕は2人が帰った後はソフィーに魔法の習得や魔力操作などのスキルについて聞いて、自主訓練して魔力を空にしてからベットで眠った。

次の更新は明日になります。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 全校生徒と職員合わせて413人なのに、召喚された人数を400人「程度」と書くのは少々違和感があるかと。召喚された人数を減らすか、表現を変えた方がいいと思います。
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