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第6話 勇者の真実とこれからについて

「うーん・・・ここは?」

「目が覚めましたか?」

「主様は、魔力欠乏症で倒れたのじゃ」

「魔力欠乏症?」


 初めて聞いた名前だ。病気か何かだろうか?


「魔力欠乏症というのは魔力がなくなった時に起きる症状です。ステータスを確認していただけるとわかると思います」


 ソフィーに言われたようにステータスを確認してみた。


「あ、本当だ。魔力がほぼ空になってる。それにまだ、頭が痛い」

「それは魔力欠乏症ではよくある症状です。ちなみにですが慣れれば気絶しないようになりますよ」

「慣れれば倒れなくなるのか。戦い中などで倒れるのは嫌だから何とかしないとね」


 戦い中に魔力欠乏症で倒れたとか、危険すぎる。最悪死ぬことになるね。


「それにしても、眷属化って魔力を消費するのか」

「今回は鈴華と那月はまだこの世界に来たばかりで弱いので魔力の消費量は少なかったのですよ」

「なるほど。魔力ってどれくらいで回復するの?」

「自然回復量は人それぞれですが、眠ったりすると早く回復します」


 睡眠だったり瞑想すると魔力の回復が早くなるらしい。


「じゃあ、今日はもう無理だね」

「そうやな。明日から訓練あるんやから少しずつやってけばいいと思うで」

「みんなもそれでいいかい?」


 皆が頷いてくれた。


「なら、ステータスの確認をしておこうかな」


 僕はステータスカードを確認した。

【名前】霧崎悠璃

【レベル】1

【年齢】17

【職業】眷属使い

 体力 30/30

 魔力 101/101(+1)

 筋力 10

 防御 10

 敏捷 10

 器用 10

 知力 10

  運 300

 魅力 500

固有技能(ギフト)】〈色欲(ラスト)〉〈鑑定眼〉〈統廃合(コンソリディーション)Lv1〉NEW〈精霊眼(エレメンタル・アイ)〉NEW〈魔導書(グリモア)

職業技能(ジョブスキル)】〈テイム〉〈眷属化(サーヴァンツ)〉NEW〈眷属能力閲覧〉

技能(スキル)】無し

【称号】異世界人 眷属使い *****勇者 浦之家の血筋 神器の契約者


「ん?那月から習得したギフトがグリモワールからグリモアに代わってるね」

「私から習得したギフトは?」

「鈴華の方はどうなんだろう。名前は変わってないけど能力が変わってるかもしれない」

「そういえば、マスターは鑑定眼持ってるんですよね。称号を鑑定してみたらいいのではないですか?」

「・・・・・・」


 僕はそっぽ向いて口笛を吹いた。

 そうか、称号も見れるんだよね。


「忘れてたね」

「忘れていたわね」

「抜けてますね」

「忘れてたのじゃな」

「忘れておったやんね」

「マスター・・・・」

「やめて!そんな目で僕を見ないで!!仕方ないじゃん、ステータスカードで確認できるんだから」


 みんなの生暖かい視線に耐えられなくなった僕はすぐに鑑定眼を発動した。


【称号名称】*****勇者

【分類】特殊

【詳細】元は勇者の職業だったが、他の神によって奪われ他の者に与えられた。それに気づいた慈愛の女神が奪われる瞬間に一部の能力を切り離し改良した。

 応用、改造、適合・適応、慈愛の女神の加護などの効果がある。

 ごめんね。気付いた時にはほとんど奪われていて一部しか切り離せなかったの。代わりに称号としてあなたに合うように改造と再調整しておいたわ。by 慈愛の女神より

'追記'貴方に会える日を楽しみにしているわ。


「だそうです。神様って本当にいたんですねぇ。というか僕の血筋は関係ありませんでしたね」

「いやいや、気にするのそこじゃないでしょ!!」

「となると、光輝が持っていた勇者は、本来悠璃が持ってたものってことだよね?」

「そうなりますね」


 そっかぁ、あの時彼は喜んでたけど本来は僕ののだったんだねぇ。

 ま、面倒ごとに巻き込まれなくて済むからいいんだけどね。


「勇者の一部を切り離したんだよね?なら、彼が持ってる勇者の力って本来より弱いんじゃない?」

「まぁ、一部が失われているみたいですからね」

「兄さん、ステータスを見た感じだとどんな感じ?」

「そうだね、確認してみるよ」


 僕は勇者についてフローラ知がってるものを聞いて、自分のステータスと見合わせた。


「多分だけど、高いステータス、経験値増加や技能習得速度上昇、指揮などの統率系技能、勇者専用技能等だね」

「それ殆ど全てじゃない」

「うん、ただ僕の称号の効果を考えると、勇者の特性はほとんど持ってないんじゃないかな。成長速度増加系以外だけど。僕が聖剣と契約できたから、彼は聖剣を使うことが出ないかもしれないし」


 女神さまが、僕に聖剣への適性をくれたのかもしれないけどね。


「まぁ、色々わかったからよかったんじゃない?それに、容姿が普通の僕のようなぼっちなモブより、彼のようなイケメンで絶大な人気を誇り文武両道カリスマ性MAXの彼の方が皆――特に女子――はいいんじゃないかな。僕みたいなぼっちでモブより・・・」


 なんか自分で言ってて悲しくなってきた。


「「「・・・・・・・」」」


 無言が返ってきた。

 あぁ、目から汗が・・・


♦️


「あのう、悠璃さんてモテないのですか?悠璃さん、紳士的で話し方は丁寧ですし容姿もはっきり言うと、光輝様よりも整っていると思うのですが?」

「当然モテるに決まてるじゃない。ファンクラブや親衛隊まであるんだから。裏では写真なんかの取引もされてたわね」

「じゃあ、なぜあんな風に思っているのでしょうか?」

「そうね。一つは家族の問題ね」

「家族ですか?」

「まぁ家族というよりは浦之家が以上というか原因なんだけどね。鈴華と悠璃をみると二人とも超美形でしよ?」


そう言われてフローラは鈴華を見た。


「たしかに、女の私でも見惚れてしまいますね」

「那月ちゃん。私はそこまでじゃないよ」

「アンタはだまらっしゃい!!」

「あぅ!」


那月が鈴華の頭を叩いた。


「それに、悠璃や鈴華のお父さんも超美形なんだよね。まぁ映像を見せるのが一番早いんだけど」

「それでしたら私がマスターの記憶から探して映し出しましょうか?」


ソフィーがそんなことを提案した。


「できるの?」

「はい、今の私でもそれくらいなら可能ですよ」

「じゃあお願いするわ」


那月がお願いするとソフィーは悠璃に近づいて頭に手を乗せた。それから直ぐに戻ってきた。


「ありましたよ。どうやら、正月に親族全員で集まって宴会をしているところですね」


そう言ってソフィーは悠璃に見えないように移動して女子全員の前に映し出した。


「これは・・・」

「なんじゃこれは。数人普通の奴らが混ざっておるが、それ以外全て美女、美少女にしか見えんぞ」

「あぁ、これは去年のやつですね。ちなみにこの人が私達の父で、こっちの方は私達のお婆ちゃんですね。確か今年で68歳ですよ」

「え?!お姉さんじゃないんですか?」

「いえ、私達のお婆ちゃんですからお母さんの母親ということです。ちなみにここで固まって話しているのが兄さんや従兄弟の悠魔兄さんと悠斗兄さんだよ」


そう言って鈴華はいろんな人を説明した。


「これが一つね。他には私達以外はほとんど話しかけないのと、誰かに話しかけても殆どが顔を赤くしてして逃げられるから本人は嫌われてると思ってるのよ。まぁ、実際は緊張してたり恥ずかしかったりが理由なんだけどね」

「そのことを悠璃さん本人に伝えたのですか?」

「一度話したことあるんだけどねぇ。僕は気にしてないからって言われたわ」

「仕方ない。兄さんは鈍感だから。眷属になりたい人を少しずつ増やしていけばきっと気づいてくれるはず」

私たちは悠璃について話し合った。


♦️


鈴華達が集まって何かを話しているが、女子の話を盗み聞きするのは流石にダメだろうから、これからのことを考えることにした。


「うーむ、魔王の討伐といわれてもなぁ。まだ、今日来たばかりだし魔王が悪とも限らないんだよね。ラノベとかだと”実は魔王は良いやつで美少女でした”なんてパターンもあったしね。というかはっきり言ってあの王様のために魔王を倒すとか嫌なんだよね。この世界の人たちは助けたいけど」


 自分を殺そうとしたやつのために働くとか絶対やだね。

 フローラのお願いなら別にいいけど。


「何考えてるの?」


 そんなこと考えていると那月たちが戻ってきた。どうやら話し合いは終わったようだ。


「明日からのことだよ。魔王と戦う戦わない以前に僕たちはまだこの世界に来たばかりで弱いんだ。だから強くなるところから始めないといけない」

「あぁ、寝てたから聞いてなかったわね。明日から私たちを騎士団長と魔法師団の団長がついて訓練をしてくれるらしいわよ」

「そうなのか?」

「はい、いくらギフトやステータスが高くても最初から戦えるわけではないですからね」

「なら、戦闘訓練についてはもういいとして、魔王についてどうするかだよね。フローラは魔王について知ってる?」

「知っていますが実際に見たことはないです」

「そうなの?なら知ってることだけを教えてもらえるかな」


 僕はそういってフローラにお願いした。


「まず、魔王とは魔族の王という意味で、魔族達を率いている者のことです」

「魔族の王か・・・。ところで魔族ってなんなの?」

「魔族とは、魔物が進化して知能を持った者たちのことです。魔物は魔族になることで今までと比べ物にならないほど強い力を手に入れるらしいです。また殆どが人型ですね」

「魔物から魔族になるのか。じゃあ、魔王は元は魔物で魔族に進化してその中で最も強い者ってこと?」

「そういわれていますが、実のところわからないんですよね。私自身が実際に見たことあるわけではないですから」

「それもそうだね。じゃあ、魔王については調べてから討伐するかどうか決めよう」

「それがいいわね」


 そういうことで魔王は詳しく調べてから倒すかどうか決めることになった。


「あとは眷属だよね。眷属が増えれば僕のスキルも増えるから低すぎるステータスをカバーできると思うんだけど。ただ、魔物を眷属に使用にも外に出られなきゃどうしようもないよな」」

「そこは、私たちに考えがあるから大丈夫よ」

「そうなの?ならお願いするよ」


 彼女たちが自信たっぷりに言うからお願いすることにした。


「決めるのはこれくらいかな」

「そうですね。それにもうすぐ夕食の時間になりますのでそろそろ自分の部屋に戻りましょう」


 僕たちは一度分かれて各自が部屋で、メイドが呼びに来るのを待った。


 その後、メイドの案内で食堂に向かった。


 食堂にはすでにたくさんの生徒が揃って食事をしていた。


 僕が入ると多くの生徒が僕に視線を向けたけどすぐにそらされてしまった。

 特に女の子にされるとすごいショックを受けるよね。


 はぁ、目から汗が出てきそうだよ。


 僕は那月と鈴華を見つけて彼女たちと食べることにした。


 ちなみにニーア、ソフィー、レヴィは置いてきた。

 食事に武器を持ち込むのはどうかと思うし、ソフィーだけ連れてくるのも2人に申し訳ないからね。


 那月や鈴華と夕食を食べていると王様と第一王子が入ってきた。


「何しに来たか知らないけど、せっかくのチャンスだから鑑定しておこうか。何があるかわからないからね」

「それがいいと思うわよ」


 僕は鑑定眼を発動させた。


【名前】カイゼル・アークライン

【レベル】43

【年齢】45

【種族】人族

【職業】国王

 体力 800/800

 魔力 400/400

 筋力 600

 防御 450

 敏捷 310

 器用 200

 知力 380

  運 35

 魅力 60

固有技能(ギフト)】無し

職業技能(ジョブスキル)】〈王の威圧〉〈王命〉〈筋力補正(中)〉〈強斬(スラッシュ)〉〈二重強斬(ダブルスラッシュ)

技能(スキル)】〈剣術Lv3〉〈火魔法Lv2〉〈風魔法Lv2〉〈魔力操作Lv2〉

【称号】王族 アークライン王国の王


 どうやら国王という職業は転職前の職業の特性をそのまま受け継ぐらしい。


 国王の職業事態には習得するスキルは少ないが、代わりにレベルを上げれば前職のスキルをそのまま習得できるらしい。


 ステータスはそこまで高くないようだ。といっても僕のステータスじゃ勝てないんだけどね。

 

 レベルに対してのステータスの数値を考えると、パワーレベリングを行ったのだろう。それにスキルのレベルが低すぎる気がする。まぁ、ほかを知らないから僕の感想だけどね。


 次は第一王子だ


【名前】アレン・アークライン

【レベル】38

【年齢】25

【種族】人族

【職業】魔法剣士

 体力 720/720

 魔力 600/600

 筋力 480

 防御 400

 敏捷 290

 器用 300

 知力 420

  運 40

 魅力 75

固有技能(ギフト)】無し

職業技能(ジョブスキル)〈剣装備時筋力補正(小)〉〈強斬(スラッシュ)〉〈二重強斬(ダブルスラッシュ)〉〈魔力増加(小)〉

技能(スキル)】〈剣術Lv5〉〈水魔法Lv3〉〈土魔法Lv4〉〈指揮Lv3〉〈魔力操作Lv4〉〈気配感知Lv3〉〈策略Lv5〉

【称号】王族 第一王子 次期国王 策士


 第一王子の職業は魔法剣士のようだ。

 剣術と魔法を使う万能職だね。

 スキルのレベルが高く、ステータスも結構高い。

 

「なるほど。国王はスキルは少ないがステータスが高い。第一王子はステータスもスキルレベルも結構高いようだ。それに〈策略Lv5〉で称号に策士を持っているから、警戒したほうがいいと思う。2人とも気を付けてね」

「「わかった」」


 そのあとは雑談をしながら食事をして、各自部屋に戻っていった

次回の更新は明日になります

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