第28話
遅くなって申し訳ありません
部屋の中央には赤い肌を持つ、ハイオーガよりもさらに大きな体のオーガが座ってた。
悠璃は少し中央へ近づいて、オーガがまだ動き出さないことを確認してから鑑定眼を発動した。
【名前】無し
【種族名】オーガジェネラル
【性別】雄
【レベル】35 / 75
体力 1000/1000
魔力 120/120
筋力 750
防御 500
敏捷 350
器用 100
知力 100
運 10
魅力 0
(うっわ、まじですか。寄りにもよってオーガジェネラルはないでしょう。キングよりはまだましだけど……)
この階層に出現するボスのパターンはいくつかあるが、今回はどうやらオークジェネラルのようだ。
周りにはハイオーガ4体とオーガ8体がいる。
ちなみにだが、最悪のパターンがオーガキングだ。
ジェネラルよりもさらに高いステータスにキング専用の固有スキル。
さらにはハイオーガ、オーガナイト、オーガファイター、オーガメイジ、オーガヒーラーの5体に通常のオーガ4体という悪夢のような部隊になっている。
ここのダンジョンは本来、ボス部屋である30階層の推奨レベルは40以上だとされている。
しかし、キングが出てきた場合は、平均レベル平均レベル50以上のパーティとなる。
すべてのオーガのステータスを確認し終わった悠璃は、中央に向かって再び歩き出す。
そしてオーガジェネラルたちとの距離が一定まで近づいたときついに動き出した。
「グォォォォォォォ!!」
「――っ!?」
オーガジェネラルは動き出しと同時に雄叫びのスキルを発動させた。
開始と同時に発動されたスキルに対応できなかった悠璃は、雄叫びの効果によって体が硬直してしまった。
周りのオーガとハイオーガたちは、動けない悠璃に向かって一気に攻撃を仕掛けた。
『うちに任せるんや!!』
そういったレヴィは、自身の刀身から始炎を生み出し、地面に向かって放った。
これによって始炎が、悠璃を中心に小範囲だが周りに広がり、近づいてきていたオーガたちにダメージを与え、悠璃に近づけないようにした。
「助かったよ、レヴィ」
『ふふん、当然や。主を守るのはうちらの役目やからな』
『主様、妾が身体強化を発動させておいたのじゃ』
「ありがとう、ニーア」
『マスター、オーガから先に仕留めましょう』
「了解!!」
悠璃は、一番近くにいたオーガに近づくと、始炎を纏わせたレヴィを上段から振り下ろした。
次に天歩と軽業を発動して、近くにいたオーガのところへ向かい、ニーアで首を切り飛ばした。
「グガァ!!」
「バレバレだよ!!」
悠璃はもう一度天歩と軽業を発動し、空中で回転しながらオーガの攻撃をかわして、2体のオーガの首をニーアとレヴィで切り飛ばした。
「あと4体だ」
後ろから近付いてきていた、ハイオーガをニーアで強化した脚力で蹴り飛ばすと、すぐに次のオーガへ向かって走り出した。
途中、ハイオーガたちが攻撃してくるが、二本の刀剣でハイオーガのこぶしを受け流し、強化した脚力で逆に蹴り飛ばしながら進んだ。
「ファイアボール!!」
オーガ4体それぞれにファイアボールを食らわせた。
「「「「グゴォォォォォ!!」」」」
魔法を食らい、火傷したオーガたち4体は、一斉に悠璃へ向かっていく。
「もう少しだ……よし、今だ!!」
オーガが4匹そろった瞬間にスキルを発動させ、攻撃をよけながら上に飛ぶと、真下に向けてレヴィの始炎を放った。
放たれた始炎はおオーガたち4体の中央へ落ちると、地面に触れた瞬間、周りに広がり、範囲内にいたオーガたちを燃やし尽くした。
天歩を使って空中で留まっていた悠璃は、オーガ4匹の反応がなくなったことを確認するとゆっくりと地面に降り立った。
「さてと、これで残りはハイオーガ4体とオークジェネラル1体だけだね」
そういった悠璃は、仲間を殺されて怒っているのだろうオーガジェネラルを無視して、ハイオーガ達に向かって攻撃を仕掛けた。




