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第24話

 モンスターハウスをクリアしてから3時間ほどが過ぎ、現在は26階層にいる。


「今日はこの階層の安全エリアで休もうと思う。オーガが予想よりも強かったからそろそろ休みたい」


 スキルを使ってできるだけ魔物と遭遇しない様に気を付けながら安全エリアを探した。


「はぁはぁ。うん?この先にいくつかの人間と思われる気配を感じる。魔物は・・・感じないな」


『多分、安全エリアじゃないでしょうか?』


「一応慎重に進んで確認してみよう」


 安全エリアと思われる部屋の前に着いたため、中を少し覗いてみる。


 中にはスキルで察知していた数と同じ人数の冒険者たちがいた。


 テントが張ってあったりするため安全エリアで間違いないだろう。


「ふぅ~、やっと着いた」

「ん?おーい坊主。お前ひとりなのか?パーティメンバーはどうした」

「え?あ、はい。今日は一人できました」


 部屋に入ると頭に狼の耳を生やしたベテランらしき冒険者のおっさんに声を掛けられた。


「ほう、その歳でここまで一人で来れるたぁ、すげぇな坊主。おっと、名乗るのを忘れていたな。俺はBランクパーティ”月狼の牙”のリーダーでAランクのガルフだ。んで、こいつらがメンバーのアギト、ルーガ、ディルだ」

「アギトだ。Bランクで剣士をしている。よろしくな」

「僕はルーガ。アギトと同じBランクでパーティの斥候をしている。よろしくね」

「俺はディルだぜ。こんな見た目だがBランクの魔法使いだ。よろしくな」


 細身で剣を持っているのがアギトさん。頭にバンダナを巻いて軽装なのがルーガさん。筋肉隆々でローブを着て鈍器のような杖を持っているのがディルさん。


(これ絶対アギトさんとディルさん職業が反対だよね?どう見てもディルさんは魔法使いって感じじゃないでしょ。武器もゴツイ鈍器のような杖だし)


『この世界ではこういうのは多々ありますよ。気にしたら負けです』


(そういうもんかね)


『そういうもんじゃな』

『そういうものやんね』


「僕はCランクのユーリです。剣と刀の二刀流です。よろしくお願いします」


 眷属使いっていうのはどうかと思ったため職業ではなく武器のことを話した。


「へぇ、刀を使ってるなんて珍しいね。確かSランクの神速剣の刀姫もメイン武器として使っていたはずだよ」


 Sランク冒険者で刀を使っている人がいるようだ。


「神速剣の刀姫ですか?」

「そう。なんでも、鞘に刺した状態からの超高速な剣技によって魔物を一刀で仕留めるのと、動きが早ことからついた二つ名らしいよ」


 鞘からの超高速な剣技は抜刀術のことだろう。


「なるほど。同じ刀を使う者として一度会ってみたいですね」


 もし機会があるなら颯と一緒に会って話してみたい。


「王都にいれば、そのうち会えると思うぞ。会議や招集なんかは大体王都のギルドで行われるからな」

「そうなんですね。会える機会を楽しみにしています」

「おっと、話し込んじまった。すまんな」

「いえ、こちらもいい話が聞けました。ありがとうございます」

「がはは、いいってことよ。それじゃ、俺らはそろそろ休むぜ」


 そういってガルフさんたちは自分たちのテントに戻っていった。


「さて、僕もすぐに野営の準備をしないとね」


 周りを見渡すと、どうやら月狼の牙の人たちしかいないみたいだ。僕は隅の方へ移動すると、インベントリから野営の道具を出して,テントを組み立てた。それからテントの中に入り、持ってきた料理を取り出すと食べ始めた。


「いや~、インベントリは本当に便利だね。料理を出来立ての状態で持ち運べるんだから」


『こんなスキル持ってるのはマスターだけですけどね。ほかにもアイテムボックスのスキルやマジックバックなどありますが、時間停止機能はついていないですし』


 擬人化したソフィーたちと話しながら、テントでゆっくりと休んだ。

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