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第4話 能力確認と死と契約と

今回は長くなっています。

「おお、勇者が出ました!!」


 どうやら勇者が見つかったようだ。

 声の方を見ると、予想通りというか光輝が勇者となっていた。


 その後、並んでから10分くらいだろうか。


最初に鈴華の番がきた。


「次の方、この上に手を乗せてください」


鈴華は言われた通りに手を乗せた。


すると魔道具が光り、プレートが一枚出てきた。


「こちらがステータスプレートになります。これは身分証にもなるので無くさないでください」


この世界ではどうやらステータスプレートが身分証になるらしい。


「プレートを持った状態でステータスと唱えてください。そうすると現在の能力が表示されます」


「わかった」


鈴華は返事をするとステータスと唱えた。


「うん、確認できた」

「鈴華、どうだった?」

「私も見せて」

「うん、こんな感じだよ」


【名前】浦之鈴華

【レベル】1

【年齢】16

【種族】人族

【職業】精霊魔導師

 体力 200/200

 魔力 500/500

 筋力 200

 防御 200

 敏捷 300

 器用 200

 知力 300

  運 50

 魅力 150

固有技能(ギフト)】〈精霊眼(エレメンタル・アイ)〉〈精霊の愛〉

職業技能(ジョブスキル)】〈精霊感知Lv1〉

技能(スキル)】〈精霊魔法Lv0〉

【称号】異世界人 浦之家の血筋 ブラコン


「へぇ~こんな風に表示されるのか」

「うん。あと、自分で表示する項目を設定できるみたい。それに自分が許可した人にしか見れないみたいだね」

「それは便利ね」

「あの、能力の確認させていただいてもよろしいでしょうか? 訓練メニューなどを決めるのに必要なので勇者様方にはステータスを確認させていただくようになっているんです」


 僕たちがステータスについて話していると担当してくれた男の人が声をかけてきた。


「すみません。これでいいでしょうか?」

「はい、確認させていただきますね・・・・・。え?精霊魔導師!?エルフの中でもごく一部しかなることが出来ないレアな職業じゃないですか!」

「珍しいのですか?」

「はい、エルフ専用ですので人族でこの職業になれた人は今まで一人もいませんよ」


 鈴華の職業はどうやら当たりらしい。

「すごいですね~。では次の方どうぞ」

「私の番ね」


 菜月が手を置くとさっきと同じようにプレートが出てきた。


「では、ステータスの確認をしてください」


 那月も同じようにステータスと唱えた。


 やっぱり唱えないといけないのかなぁ。


「確認できたわ」


 そういって僕たちにステータスを見せてくれた。


【名前】柊那月

【レベル】1

【年齢】17

【種族】人族

【職業】賢者

 体力 300/300

 魔力 800/800

 筋力 50

 防御 100

 敏捷 100

 器用 200

 知力 500

  運 60

 魅力 80

固有技能(ギフト)】〈全属性適性(オールエレメント)〉〈魔道書(グリモワール)〉〈魔道の才〉

職業技能(ジョブスキル)】〈魔力増加Lv1〉

技能(スキル)】〈料理Lv2〉

【称号】異世界人 賢者


「また、すごい職業引いたね。これ、勇者パーティに入ることになるんじゃない?」

「えー、嫌よ。私は悠璃と鈴華ちゃんとパーティがいいわ。それより、はい」

「確認させていただきます・・・・は!?今度は賢者ですとぉぉぉ!!勇者に並ぶ伝説の職業ではないですか!!」


 この人リアクション大きいなぁ。


「もういいかしら」

「は、はい。失礼しました。では次の方どうぞ」


 ついに僕の番が来た。2人とも当たりだったんだ。僕もあたりだといいなぁ。

 できれば戦闘職がいい。

 いい職業が当たるように願いながら魔道具の上に手をのせた。



 ♦



 王城宝物庫の地下にある祭壇


 ここには2本の剣が刺さっている。

 2本は急に光を放つと祭壇から抜けた。

 それから、どこか目的地をを目指すように2本が競いながら飛んで行った。


 ♦



 王都にある教会の総本元の地下祭壇


 ここに1冊の本が保管されている。

 本は光を放つと保管庫の中から抜けて教会の窓から外へ出た。

 それから、どこか目的地を目指すように飛んで行った。


 ♦



 魔道具に手をのせるとプレートがでてきた、しかし3回目となればもう驚くことはない。


「では確認してください」


 僕はステータスと唱えて確認した。


【名前】浦之悠璃

【レベル】1

【年齢】17

【職業】眷属使い

 体力 30/30

 魔力 100/100

 筋力 10

 防御 10

 敏捷 10

 器用 10

 知力 10

  運 300

 魅力 500

固有技能(ギフト)】〈色欲(ラスト)〉〈鑑定眼〉〈統廃合(コンソリディーション)Lv1〉

職業技能(ジョブスキル)】〈眷属化(サーヴァンツ)

技能(スキル)】無し

【称号】異世界人 眷属使い *****勇者 浦之家の血筋


 なんか称号のところにあるけど見なかったことにしよう。

 

 職業は眷属使い。名前からして魔物使いとかそこら辺のテイマー系なのだろう。

 

 ギフトは3つなんだけど1つだけ変なのが混ざってるよ・・・

 色欲ってなんですかね?

 地球で七つの大罪とか原罪とか言われるヤバい奴じゃん。しかも色欲だから性欲とかそういうのでしょ。

 まぁ、仕方ないからこれはあきらめよう。

 それにしても、ステータス低すぎないか?

 なぜか運と魅力が異常に高いんだど・・・


「どうだった?」

「こんな感じだよ」


 僕は2人にステータスを見せてあげた。


「ぷっ、クスス。色欲だってねぇ」


 那月が意味ありげに見てきた。


「いやいや、僕が好きで選んだわけじゃないよ」

「兄さん、称号のところにゆうし「ストーップ!!」ムグッ」

「どれどれ・・・本当だ。ゆうし「だからストーップ!!」ムググッ」


 鈴華と那月が勇者って言おうとしたから急いで口を押えた。


「ふぅ~」


 危なかったよ、まったく。

 どうして大声で言おうとするのかなぁ


「いいかい2人とも。今のは何も見ていない。なにもみていないからね?」

「「はい」」


 二人はちゃんとわかってくれたようだ


「それにしても兄さん、ステータス低すぎないですか?」

「それは、僕も思ったよ」

「あのう、そろそろ確認させてくださいませんか?」

「あ、はい。すみません」


 僕は急いでプレートを渡した。


「では確認させていただきます。・・・こ、これは!?」


 担当の人は職業の欄を見ると固まってしまい、動き出したと思ったらすぐに国王のところに走っていった。


 眷属使いってレアなのかな?話を聞いてる国王まで驚いているし。


 少しすると担当の人は戻ってきた。


「こちらをお返しします」


 そう言って暗い顔をしながら、プレートを返してくれた。

 僕はどうして驚いたのか気になって聞こうとしたら


「おい、そのものを殺せ」


 グサグサッ


「・・・・え?」


 横を見ると鈴華と那月が何が起きたのかわからいという風に目を見開いて困惑していた。


 手を見てみるとヌメっとした生暖かいものが手についていた。


 下を見てみると胸のあたりから剣と槍が1本ずつ突き出ていた。


「なん、で・・・」


 意味が分からなかった。


 足に力が入らなくなって床に倒れた。


 目の前がチカチカする。


「ガァァ、ゴホッゴホッ、ガハッ」


 胸のあたりが熱い。

 ヤバい、寒くなってきた。

 それに思考も鈍ってきた。


「兄さん!!」

「悠璃!!」


 2人が駆け寄ってきてくれる。王様は僕のことを侮蔑な目で見下していた。


 その横を見るとフローラ王女が僕のところへ走ってきているのが見えた。


「だ、大丈夫ですか!?今から回復魔法をかけます」


 そういうとフローラ王女は回復魔法をかけてくれた。


「フローラよ何をしている。俺は殺せと命じたんだぞ」

「お父様!!何をしているではありません!!どうしてこんなことをしたのですか!?」

「そんなものは決まっている。そんな眷属使いなどというハズレのクズに使う金などない。それに時間の無駄だ」

「だからって、殺す必要はないでしょう!!そもそも彼をこの世界に呼び出したのは私たちなのですよ!!」

「はぁ~、フローラよ。王である俺に逆らうのか?」


 どうやら国王はクズのようだ。

 しかし、王女のほうは信用していいかもしれない。命を助けてくれようとしてくれてるんだし。

 といっても、このままだとヤバいんだけどね。

 ステータスの体力を見てみると残り10を切っていた。

 王女が回復してくれているけど、このままだと本気でヤバい。


 ”まだ死にたくない。こんなところで死ぬわけにはいかないんだ”


 頭の中に声が響いた。

 

「こんなことが認められるわけないです!!」


 王女は国王に逆らってまで僕を回復させてくれている。彼女が僕たちを召喚したとはいえ、もしも助かったら恩を返さないといけないね。


「そうか、儂に逆らうのか・・・ おい、兵士たち。フローラを牢へぶち込んで来い」

「「はい!」」


 兵士たちが国王の命令に返事をして動き出そうとしたとき


 パリィィィン


 ズガァァァン


 謁見の間の扉が吹き飛び、窓が割れて何かが飛んできた。


 朦朧とする意識の中、辛いのを我慢してよく見てみると2本の剣と1冊の本がこちらに向かってきているようだった。

 てか、剣や本て飛べるものなの?さすがは異世界だね。何でもありのようだ。


「な、なんだと!? あれは地下の祭壇に置いてあった王家の聖剣と魔剣ではないか!!どうなっている!!それにあの本は教会の神器ではないか!!」


 どうやら大切なものらしい。

 ぼんやりとそんなことを考えていると3つの剣と本は僕の周りを囲むように止まった。


 3つを起点として地面に魔法陣みたいなものが出現し青く輝いた。


 そこで、限界がきて僕は意識を失った。



 ♦



「う、うぅ~、ここは?」


 周りを見てみると真っ暗だった。


「確か、僕は謁見の間で兵士の人に刺されて倒れてたと思うんだけど・・・」

「気づいたようじゃの」

「ひゃい!?」


 急に聞こえた声にびっくりして変な声が出てしまった。


「面白い奴じゃな」


 声の聞こえたほうを見てみると3人の女性が立っていた。


「あなたたちはいったい誰なんですか?それに僕は謁見の間にいたと思うのですが」


 僕は気になったことを聞いた。


「まだ名乗っていませんでしたね。私は、叡智の教本 ソフィアーで創造神様に創られた神器の魔導書です。ソフィーとお呼びください」

「妾が慈愛剣 トゥリフェロニーアじゃ。慈愛の女神によって作られた聖剣じゃな。ニーアと呼ぶのじゃ」

「そしてうちが宿木剣 レーヴァテインや。魔剣なんやで。レヴィでもティンでもすきに呼ぶとええねん」

「僕は霧崎悠璃です。ソフィーさん、ニーアさん、レヴィさんと呼ばせてもらいますね」


 ソフィーさんは僕より背が高い黒髪の美女。たれ目でおっとりしているような感じだ。

 ニーアさんは身長が135cmくらいの銀髪美少女だ。一人称が妾のロリ娘。

 レヴィさんは僕より少し背が低い着物を着た金髪美少女だ。関西弁が素晴らしい。これに狐耳がついていたら完ぺきだっただろう。


「ここは、貴方の意識の中です」

「妾達は、お主と契約しようと思ってここまで来たのじゃ」

「契約ですか?」

「そうなのじゃ。お主がこの世界に召喚されたときに気配を感じたんじゃ。その時体に電撃が走ったようにビビビっときて、この人じゃ!と思ったのじゃよ」

「私たちも同じ感じですね」

「うちも同じやな。あとはうちの好みのドストライクだったんや」


 どうやら、僕がこの世界に着いた時から移動してたみたいだね。

 

「分かりました。ところで、契約って何ですか?」

「お主には妾たちの所有者となってほしいのじゃ」

「所有者契約ということですか。契約するとなにかあるんですか?」

「簡単に言えば私たち神器を使えるようになります。神器はそのほとんどが意思を持っているため契約者しか使うことが出来ず、契約するにも神器に認められる必要があるんです」

「うちらとの契約はメリットはいろいろあるんやけど、デメリットはほぼ無いで」

「ほぼ何ですか?」

「例えば契約すると不老不死になるというものがあるとします。普通の人にはメリットになりますが、寿命で死にたいという人にはデメリットになります。このように人によって本来のメリットがデメリットになることもあるということです」

「なるほど、わかりました」


 要は、殆どはメリットだけど人によってはデメリットに変わってしまうということだね。

 まぁ、それなら問題ないかな


「契約しましょう」


 せっかくだから契約することにした。


 年齢=彼女いない歴の僕が美女・美少女(神器だけど)が手に入るんだ。契約しないわけがない。

 それに聖剣や魔剣ってかっこいいじゃん。


「では、右手を出してください」


 僕は言われたおりに右手を出した。


 それから、契約の詞を教えてもらった。


「それでは始めます。私が教えたように唱えてください」

『我、霧崎悠璃は汝、叡智の教本 ソフィア―の主となることを誓う。汝は、我が命が尽きるまで共にあることを誓うか?』

『はい、誓います』

『我、霧崎悠璃は汝、慈愛剣 トゥリフェロニーアの主となることを誓う。汝は、我が命が尽きるまで共にあることを誓うか?』

『うむ、誓うのじゃ』

『我、霧崎悠璃は汝、宿木剣 レーヴァテインの主となることを誓う。汝は、我が命が尽きるまで共にあることを誓うか?』

『うちも誓うで』

『我らの契約は今結ばれた』


 瞬間、魂が繋がったような気がした。


 そして、僕の意識は途絶えた。

次回の更新は明日になります。

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