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第14話

「ただいまー」

「「お帰りなさいませ、ご主人様!!」」

「うわっ!?びっくりしたぁー、みんなどうしたんだい?」

「私たちは元々メイドですし、メイドが主をお出迎えするのは当然のことだという話になりまして」

「これからは生前と同じようにメイドの仕事をこなそうということになったのです」

「それで、最初はお出迎えからってなったの」

「私はメイドじゃないですけど、奴隷なので皆さんと同じようにしようかと思いまして」

「な、なるほど」


 地球のメイド喫茶というのはこんな感じなのだろうか?いったことないからわからないけど・・・


「今日はこちらでお泊りになられるんですよね?」

「うん」

「では、私たちはベッドとお風呂の用意をしてきますので、ミリア様とゆっくりしていてください」

「分かった、お願いね」


 彼女たちは、2手に分かれてそれぞれが寝室と風呂場へ向かっていった。


「それじゃあミリア、城に行く前に約束した通り、錬金術で作ったものを見せてもらおうかな」

「はい、私の部屋にあるのですがいいでしょうか?」

「問題ないよ」


 僕はミリアについて部屋へ向かった。


(那月や鈴華、従姉弟のあや姉以外の女の子の部屋に入るのはこれが初めてだね)


「どうぞ、お入りください」

「お邪魔しますっていうのも変かな?」

「ふふ、そうですね。ここはご主人様の家なのですから」

「うんうん、ミリアも最初と比べて肉付きや血行が良くなってきたみたいだし、自然と笑えるようになってきたね」

「これもすべてご主人様のおかげです。毎日3食の食事が出来て、お風呂や個室にベットまで与えてくださるのですから。ここまで好待遇な奴隷はほかに居ませんよ」

「そうなのかなぁ。やっぱりこの世界と地球の人じゃ認識というか常識が違うのか。とはいえ、今更扱いを変えるつもりはもうとうないけどね。僕は異世界人なんだから」

「はい、ご主人様はご主人様もままがいいです。わざわざ変える必要はありません」

「と、立ち話もなんだからこれに座ろうか」


 女の子のベットの上に座るのも憚れるので、インベントリから机といすを2つ取り出して空いているスペースに置いた。


「ありがとうございます。お茶を入れてきますね」

「うん、お願い」


 ミリアがお茶を入れてくれている間に、部屋の中を見回した。


(女の子の部屋を見回すのはどうかと思うんだけどね。それにしても、全体的にオレンジやピンク色が多いイメージかな。それとぬいぐるみも多い。鈴華の部屋よりも女の子って感じがするなぁ)


 鈴華の部屋は机とベット、写真があるくらいで、ぬいぐるみとかは殆どおいていない。マットやカーテンも無地のものだった。


 この時の悠璃は知らなかったが、実のところ鈴華の部屋には人形や写真が大量に飾ってある。ただ、悠璃が部屋に入ってくる前に、人形はクローゼットへ、写真は写真立てや写真用の額を裏返し別の写真を見せることによってなれないようにしていたのである。

 では、なぜ悠璃が部屋に来るタイミングを知ることが出来たかと言えば、悠璃の部屋と自分の部屋の前の廊下に監視カメラが設置してあったからである。この妹は兄のためなら何でもする重度のブラコンであった。


「お待たせしました」

「うーん、美味しいね。このお茶は初めてだけどどうしたんだい?」

「はい、リナさんと一緒に買い物に行った時に見つけました」

「ほぉ、なるほどね。それにしても、みんなが仲いいのは僕としてもうれしいな」

「皆さん、すごくいい人たちです」

「それはよかった。それじゃあ、そろそろ作ったものを見せてもらってもいいかな?」


 僕は、ミリアの部屋に来た目的である錬金術で作ったものを見せてもらうことにした。


「はい、持ってくるので少しお待ちください」

 

 ミリアはそう言うと物を取り言った。


「さて、どんなものを作ったのか楽しみだなぁ」


 待つこと十数分で、結構な量のものを抱えたミリアが戻ってきた。


「み、ミリア大丈夫かい?こんな量あるなら、言ってくれれば手伝ったのに」

「いえ、これくらい問題ありません」

「それでもなぁ。うーん、やっぱりマジックバックを買ってあげるべきかな」

「い、いえ、そんな高価なものを買ってもらうわけにはいきませんよ!!」

「それは気にしなくてもいいよ、リナメイドゴースト用にもマジックバックを用意するべきかな。僕の錬金術のレベルが上がれば、空間魔法(時空間魔法だけど)使えるからマジックバックも作れるんだけどね」


 錬金術はレベルを上げれば、宝石や鉱物などに魔法の付与を行えるようになる。鍛冶師や魔道具技師も付与を行うことが出来る。ただ、錬金術と違って、鍛冶師は武器、防具のみ、魔道具技師は魔石のみに付与することが出来る。

 だからと言って錬金術が一番というわけではない。まず、他の生産職と比べて非常に錬金術のスキル、職業の者が少ない。次に、他と比べて扱いがむずかしい。そして、他の生産職がそれぞれのことに特化しているのに対して、錬金術は万能であるがゆえに、特化した生産職が作ったもには及ばない。と言われているが実のところは生産者次第というわけだ。


「それではまず、こちらがヒールポーション、マナポーション、スタミナポーションです」


 ヒールポーションが10本、マナポーションが5本、スタミナポーションが7本ある。僕は一つずつ鑑定をかけていく。


「おぉ~、ヒールポーションが高品質、マナポーションとスタミナポーションがが普通だね。各ポーションの品質はそれぞれがすべて同じになっている。どうやら安定した品質が作れるようになってきたようだね」

「はい、錬金術のスキルレベルが4になったことで、それぞれの品質が安定して調合できるようになったんです」

「次は、これか。白銀色で綺麗なインゴットだね」


 今度は白銀色を綺麗な鉱石に鑑定をかけた。


 ”ミスリル鉱石”


「ミスリル!?これ、製錬できるようになったの?」

「はい、鉱物からの製錬ができるようになりました。まだ純度が低いですけど」

「それは、まだ精錬して不純物を取り除いてないからね。それにしても、ミスリルの抽出ができるようになっていたのは驚いたよ」

「喜んでもらえたならうれしいです」

「うん、ミスリルを抽出できる人は少ないみたいだからね。相当すごいよ」

 

 それから、ほかの物も見せてもらった。魔鉄なども結構な量が抽出されており、鍛冶師のところにもっていけば2人分の装備は作れるくらいの量があった。僕がいない間に相当頑張ったようだ。

 それにしても、休憩はしっかりと取っていたのだろうか。そこだけがとても心配だ。あとでリナあたりに確認でもしてみようかな

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