第9話 アディールの街2
「いらっしゃい。おや、エリーナたちじゃないかい。ひさしぶりだねぇ」
「久しぶりね、女将。今日からまたお世話になるわ」
「了解だよ、そういえばミーナがいないね」
「ええ、彼女は用事で今はいないわ。あとで合流する予定よ」
「分かったよ。なら、4人でいいかい?」
「いえ、私たちは4人部屋でいいけど、この子にも一人部屋をお願いできるかしら」
エリーナさんはそう言いながら、僕のほうを向いた。
「初めまして、今回月下の雫の皆さんと一緒に依頼を受けたユーリです。僕も1泊分お願いします」
「了解だよ。朝食はどうするんだい?大銅貨3枚でつけられるけど。ちなみに夕食は17時以降からそこの食堂で食べることが出来るよ。とはいってももう17時だから、すぐに食べられるんだけどね」
「お願いします」
「なら、1泊朝食付きで2300ルダだね」
「分かりました」
僕は女将さんに丁度2300ルダになるように銀貨2枚と大銅貨3枚を渡した。
「ところで、こんな可愛い女の子が一人で冒険者なんかをしているのかい?」
「グフッ・・・・・ぼ、僕は男です、はい・・・」
僕は女将に女の子と言われて膝から崩れ落ちた。
『クックック、主様がまた女子と間違えられておるのじゃ!』
『くふふ、さ、さすがわ主やな』
『アハハ、と、盗賊に続いて二回目ですね!もう女の子でもいいんじゃないですかマスター』
(グヌヌ、お前ら好きかって言いやがって・・・)
「あー、その・・・すまないね。てっきり女の子だと勘違いしちまったよ」
「いえ、気にしてないので大丈夫です・・・はい」
「と、とにかく宿も取れたしいったん部屋に荷物を置いてからここに集まりましょう。女将、部屋のカギを貸して」
僕は女将さんからカギを受け取ると、月下の雫の皆さんにと分かれて自分の部屋へ向かった。
部屋に入ると扉を閉めて周りを見渡した。
部屋は、ベット、小さな机、小さな棚が一つあるだけだったが、予想よりも広く窓からは露天や歩く人々が見える。
「うん、いい部屋だね。しっかりと掃除されているのがわかるし、窓から見る街並みもいいね」
僕はそう呟きながら、装備を外した。
「僕は夕食を食べてくるけど、3人のことは月下の雫の皆さんには話していないから、留守番していてもらえるかな」
「「はい」」
「僕が戻ってきたら4人で街にでも行こうか」
僕はニーアたちを人化させてから部屋で待機しているように言って、もう一度部屋を出た。
階段を降りるとすでに月下の雫の皆さんは集まっていた。
「すみません、お待たせしました」
「気にしなくていいわよ。それじゃ、あそこの席で食べましょうか」
僕はアルメダさんとセレナさんの間に座ることになった。
それから、いろいろなことを話しながら楽しい夕食の時間を過ごした。
食事が終わった後は月下の雫の皆さんに挨拶をして別れた。
「ふぅ、とてもおいしかったね。次、この街来たときはここ宿で決まりだね」
僕はそう言いながら部屋の扉を開けて中に入った。
「ただいま」
僕はそう言うと、部屋の真ん中にあるベットに腰を下ろした。
「マスター大丈夫なのですか?」
「なにがだい?」
「盗賊たちを殺したことじゃ」
「元気なかったやんね」
僕のことを心配してくれてたようだ。
「ありがとう、3人とも。でも、もう大丈夫だよ。覚悟も決まったからね」
そう言った後、僕は鑑定眼を使用してステータスを開いた。
【名前】浦之悠璃
【レベル】24
【年齢】17
【職業】眷属使い
体力 82/82(+0)
魔力 230/230(+0)
筋力 36(+0)
防御 36(+0)
敏捷 36(+0)
器用 36(+0)
知力 37(+0)
運 356(+0+30)
魅力 548(+0+5)
【固有技能】〈色欲〉〈鑑定眼〉〈統廃合Lv2〉〈精霊眼〉〈魔導書〉〈時空間魔法Lv1〉〈時空間収納〉〈変身〉〈吸収〉
【職業技能】〈テイム〉〈眷属化〉〈眷属能力閲覧〉〈使い魔能力閲覧〉〈範囲眷属化〉
【技能】〈刀剣術Lv4〉〈二刀流Lv3〉〈魔力操作Lv4〉〈魔力具現化Lv2〉〈速読Lv3〉〈指揮Lv3〉〈気配察知Lv4〉NEW〈魔力感知Lv2〉〈火魔法Lv1〉〈錬金術Lv3〉〈豪運Lv1〉NEW〈軽業Lv1〉NEW〈天歩Lv1〉
【称号】異世界人 眷属使い *****勇者 浦之家の血筋 神器の契約者 女装の天才 男の娘 豪運の持ち主 NEW確固たる意思と覚悟を持つ者
「新しいスキルを2つと称号だけだね。まぁ、魔物と戦ってないから当然なんだけど。変な称号が増えてなくてよかったよ」
「称号というものはそう簡単に増える者ではないですからね。マスターがおかしいだけです」
「「うんうん」」
ソフィーの言葉にニーアとレヴィがうなずいている。
「僕かおかしいってちょっとひどくないかい?」
「「本当のことや(です)(じゃ)」
「はぁー、それじゃ約束通り街を見に行こうか」
3人の女の子が僕の部屋から出てくるのはおかしいため、一時的に人化を解いてもらい、宿を出てからもう一度人化をしてもらった。
それから僕たちは、4人で時間いっぱいまであちこちを歩いてみて回った。
街はよるにもかかわらず人が多かった。また、お王都で待っているみんなにもお土産を一つずつ購入した。
3人は屋台でいろいろなものをこれでもかというほど食べていた。
「3人ともそんなに食べても大丈夫なのかい?」
「私たちの体は食べたものをすぐに魔力に変換しますので問題ないですよ」
と僕が聞いたら答えてくれた。
僕たちは21時頃に宿に戻ってきた。
「明日この街を出ていく予定だから、今日はしっかりと休まないとね。馬車を使わず走って帰ろうと思っているんだけど、問題ないかい?」
「私たちはマスターに装備されているだけなので、問題ないですよ」
「ハハ、それもそうだね。じゃあ、今日はもう寝ようか。みんなおやすみ」
「おやすみなさい。マスター」
「おやすみなのじゃ、主様」
「おやすみ」
僕は、彼女たちに囲まれながら目をつぶった。




