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第7話 初の護衛依頼5

「悠馬君大丈夫?」

「はい、エリーナさん、もう大丈夫ですよ」

「そう、ならいいんだけど」


 エリーナさんはそういうと盗賊の死体を埋葬の続き始めた。人や魔物などの死体を放置しておくと、ゾンビやスケルトンなどのアンデットになることがある。そのため、死体は燃やすか埋めることをしてしっかりと埋葬しなければならない。

 僕も手伝おうとしたけど、気持ちを整理するように言われたため、荷台に座っている。


(月下の雫の皆さんは、どうやら僕が人を殺したのが初めてだということに気づいて気を使ってくれたようだ。本当にありがたい。けど、気持ちの整理はもうできたし、覚悟も出来ている)


 僕が、一人で考えていると、月下の雫の4人が戻ってきた。どうやら埋葬は終わったようだ。


「皆さん、ご迷惑をお掛けしました。僕はもう大丈夫です」

「誰でも最初は、通る道だから気にすることはないよ」

「そう、誰だって人を殺すのは嫌」

「私たちも初めて盗賊を殺したときは大変でした」

「それじゃ、出発しましょうか。ガルアさん、準備ができましたのでいつでも出発ができます」

「わかりました、それでは行きましょうか」


 僕たちは、最初と同じ隊列で進んだ。アディールへは今日中に到着する予定だ。このままのペースなら夕方には到着できるそうだ。


「悠馬、さっきのはなに?本みたいなのもが現れたと思ったら魔法が消えた」


 アルメダさんが目を輝かせながら聞いてくる。ここまでの間、表情が変わったところを一度も見たことがなかったし、最初の印象がクール系美少女だっため、そのギャップにすごく驚いた。


(こうしてみると、エルフの美少女と相まって年相応の子供のようで、凄く可愛いね。まぁ、エルフだから見た目通りの年齢ではないと思うけど)


「さっきのは、僕のギフトですよ」

「やっぱりギフトだった。どんな効果があるの?」

「アルメダ、個人の情報を詮索するのは冒険者のルールとしてよくありませんよ」

「確かに、スキルはその人の生命線ともいえる。ごめんなさい」

「ふふ、気にしていませんよ。うーん、そうですね」


『ニーア、レヴィ、私は彼女たちになら教えてもいいと考えているのですが』

『理由を聞かせてもらいたいのじゃ』

『彼女たち4人を眷属化したいと思いまして。マスターの職業である眷属使いは、眷属がの数によって新たな能力が追加されます。そのため一人でも多く眷属が欲しいのです。それに彼女たちはBランクのパーティですし、さっきの戦闘を見た感じだとかなり強いです。特にエリーナさん辺りがギフトを持っている可能性があります。アルメダさんも魔導書に興味津々みたいですし、効果を教えれ今回は無理でも、どこかで眷属化させてくれるような気がするんです』

『そうじゃな、彼女の見た目も問題ないじゃろうし、妾の能力が使える可能背があるな』

『うちも、いいとおもうで』


 レヴィ、ニーアとマスターに聞かれないように念話で話し合った結果、彼女たちに教えるとういことで決まった。


『マスター、彼女たちに魔導書について教えてもいいともいますよ』

『分かった』


 ソフィーが教えてもいいというなら、問題ないだろう。


「先ほどのスキルはギフトで魔導書という名前ですね」

「いいの!?」


 アルメダさんが先ほどよりもさらに目を輝かせて、嬉しそうに聞いてくる。


「えぇ、僕も野営のことなどいろいろと教えてもらいましたからね。そのお返しです」

「本当にいいのかしら?」

「はい、あ、でも誰にも言わないでくださいね」

「大丈夫よ。何があっても私たちは誰にも話したりしないわ」


 エリーナさん言葉に他の3人もうなずいている。


「では、魔導書の能力ですが、このギフトを発動している間、視認した魔法・魔術を瞬時にギフト発動時に現れた魔導書である漆黒の本が記憶し、消滅させた後、順次解析・理解を行います。これが完了すると、魔導書に魔法の詳細が記載され、魔導書を呼び出すことでいつでも閲覧できるようになります。また、魔術の場合はこの魔道書を媒体とすることで詠唱、媒体を必要とせずに瞬時に使用することができ、魔法の場合は自身または眷属がその魔法の属性に対して適性を持っているなら、対象となった者は自身の魔法として習得することが出来ます。それと、この魔導書に記憶された魔法又は魔術を複数組み合わせることで新たな属性と魔法・魔術を創り出すこともできるんですよ。まぁ、無から有を作り出すことが出来ない様に、0から新たな魔法・魔術を創り出すことはできませんけどね。それと、自身と眷属が使用した魔法・魔術を記憶することもできません。これができるとなんでもありになってしまいますからね」


 僕が説明を終わると、4人とも固まっている。


「そのギフト、強すぎないかい?」

「魔法使いにとっては、喉から手が出るほど欲しいギフト」

「敵の魔法を無効化することが出来て、しかも、覚えることが出来るなんて伝説の職業である賢者様が持ってそうなスキルですね」


 確かに、その賢者様から習得させていただいたものなんだけどね。


「ところで、悠璃の職業は聞いてなかったんだけど、剣と刀を使ってるみたいだし、魔導書のギフトもあるのだから剣士系か魔法使い系の職業よね?このギフトって、新たな魔法などを作ったりできるみたいだけど、テイマー系の超希少な最上位職業である眷属使いでこそ本領を発揮できるんじゃないかしら」

「そうですね。魔法を習得できたり、新たに造ったりすることが出来るとしても適性を持っていなければいいがないですし、眷属でなければ他者に習得させることもできませんからね。ちなみにですが、僕の職業は剣士でも魔法使いでもなく、その眷属使いですよ」

「「え!?」」


 僕がそう言うと、4人とも驚愕して固まってしまった。


「ほ、本物の眷属使い!?」

「そうですよ」

「でも、テイマー系の職業は1匹でもテイムか眷属化していなければ、冒険者に登録できないはず」

「僕の眷属は現在7人(内3匹はリトルスライム)いますよ」

「眷属使いは特にステータスが低くて、眷属化するのも相当難しいんじゃなかった?それに、さっきの盗賊と戦った時の動きはとても低ステータスとは思えない」


 まぁ、確かにさっきの戦いを見たら信じられないよね。ニーアの身体強化を使用しているだけだけど。


「確かに僕のステータスは低いですが、この武器の能力である身体強化を使用していますから朝くらいの動きであればできますよ」


 そう言って僕は、ニーアを見せた。ちなみに眷属化のことはあえて何も言わなかった。


「これは、魔道具?いやアーティファクトですか!?」

「え、えぇ、そうなんです、我が家の家宝なんですよ」


 嘘は言ってない。ニーアは神から授けられた神器だけど、そもそも神器は分類的にはアーティファクトになるからね。


「なるほど、相当ランクの高いアーティファクトなのですね」


 確かにニーアはSSSランクだったね。


「これで身体を強化していたのであれだけ戦えたのですよ」

「なるほど、あれだけの強さなら、低いステータスでも眷属化することが可能なのね」


 少し違うけどまあいいかな。


「眷属になれば、沢山の魔法が適性さえあれば無条件で覚えられる。それに、眷属になると主が死ぬと眷属も死ぬことになるため、容易に他の異性と付き合い結婚することは困難。そうなると、眷属は主と結ばれるのは必然。そして、その相手は超絶美少年。フフフ、魔法を覚えることが出来てしかも超絶美少年とが旦那様となる。(ぶつぶつ)」

「っ!?」


 なぜか急に悪寒が走った。

 アルメダさんが、先ほどからこちらを見ながら目をぎらつかせ、小さな声でぶつぶつとらつぶやいているため、肉食獣ににらまれたような感じで怖い。


「ま、まぁ、そういうことです。あ!街が見えてきましたよ!!どうやらもう直ぐのようですね」


 アルメダさんがとても怖かったので、僕は急いで話を逸らすようにした。

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