第1話 外出許可
2章が始まりました。まだ、内容は完全には決まっていませんが周3回の更新でやっていきます。
ダンジョン攻略から戻ってきて一週間が過ぎた今日、僕たち異世界に召喚された人たちは全員、謁見魔の間に集められていた。
「勇者様方、訓練などが忙しい中集まってもらいありがとうございます。本日は国王様より発表がありますので心して聞いてください」
この国の宰相がそう話した。
「うむ、勇者様方にはこれまで窮屈な思いをさせていたことだろう。しかし、ダンジョン攻略を終えてレベルが上がったことで、王宮外に出ても問題ないだろうということになった。よって今日より街へ出ることを許可しよう」
「「お、おお!!」」
外出許可が出たことで、騒がしくなった。
既に予定を立て始めている者もいれば、メイドをナンパしている者もいるって、それはそれはダメだろ。
僕としては、屋敷を自由に行き来できるようになるし、錬金術の幅も広がる。レベルを上げることもできるようになる。
「ただし、条件だけは付けさせてもらいたい」
国王の言葉に今まで騒がしかった一同が一気に静かになった。
「まず、この街から出ることは許可するが、国から出ることは禁止とする。また、この街を長期間離れる場合は、行先と目的、期間を伝えることを必須とする」
「まぁ、それくらいならいいんじゃね」
「そうよね。私たちほかの国のこととかほとんど知らないし」
「他の町のこともあんまり知らないよね」
どうやら、これくらいの条件ならみんな問題ないようだ。
僕としては、他の国も行ってみたいと思っていたからあんまり好ましくないな。それに、街を長期離れる場合も行先や期間を伝えないといけないとか、僕としてはとても問題あるんだよね。国王や王子には僕の情報はあまり与えたくないからね。フローラが眷属になっていることが知られたら、フローラがどんな目にあるかわからないし。
「話は以上だ。退出してよいぞ」
国王の言葉に僕たちは騎士の案内で謁見の間を出た。それからそのまま訓練所に連れていかれた。
「お、来たな。勇者様方に伝えておくことがある」
訓練所にはアルフレッドさんが一人でいた。
「伝えたいことですか?」
「おう、これからの訓練は自由参加とする。ただし、街を長期離れるとき以外は週に最低2回は訓練に参加するように。午後からの講義も同じとなる。特に魔法職と違い剣や弓などを使う者たちは何もせずにいると腕が鈍り、いざ実戦になったとき王喜納怪我をすることになるからな。下手をすると死ぬこともある」
アルフレッドさんは真剣に語っている。
「俺から伝えることは以上だ。お前たち、よくここまで頑張ったな。全員が無事にダンジョンの10階層まで攻略できたことを俺はうれしく思うぞ。話はこれで終わりだ。それじゃ、各自解散していいぞ」
アルフレッドさんが解散を伝えると、ほとんどの者たちは部屋に戻っていった。多分街へ出かける準備でもするんだろう。
「僕たちも戻ろうか」
「「はい」」
俺はパーティメンバーのみんなと一緒に部屋に戻った。途中でそれぞれ分かれたけど。
「さて、今日は久しぶりに冒険者ギルドにでも行って依頼を受けようかな。出来れば早くランクを上げたいからね」
冒険者ランクを上げればいろいろな特典がつく。その中でもSランク以上になれば貴族の男爵と同等の扱いとなる。また、SSランクは世界に10人しか存在しなく、その強さは人類の枠を超えているらしい。まさに、人外級のつやというわけだ。そのためSSランクは王よりは低いがそれでも王の次に発言力の強い宰相と同等の発言力を持つらしい。僕はこのSSランクになりたいと考えているんだよね。そうすれば、だれからも害されることなく、権力に屈することもないから、大切な人たちを守れる。
しかし、Bランクからは試験を受ける必要がある。そしてSランクになるには本部、又は各支部のギルドマスターの中から3人以上の推薦が必要となる。この推薦をもらうには、ここ王都だけでなく他の町でも活動しギルドマスターに認めてもらう必要があるのだ。そして、最高ランクのSSランクになるには、大きなことを成し遂げる必要がある。
例えば、最強の生物であるドラゴンの討伐、ただし最低でも上位属性竜以上の存在じゃないとダメなどの人類の枠を超えたことを証明する必要がある。確か聞いた話ではSSランクに上がったもので過去に戦争に介入して敵国の10万以上の軍隊を一人で殲滅したことでSSランクになったものもいるらしい。
「まぁ、僕にできるかどうかといわれれば今のままでは無理だね」
「ですが、マスターには勇者の称号と眷属使いという最強になれる可能性がある職業を持っています。レベルを上げ眷属を増やしていけばいずれ到達できると思います」
「そうじゃな、主様ならいけるじゃろう」
「それに、うちらもおるんやからね」
「ふふ、確かに3人の言うとおりだよ。頑張ればきっとSSランクになれる。だからもっと強くならないとね」
「はい」
「うむ」
「そうやね」
僕には女神さまがくれた勇者の称号と改造された眷属使いがある。
「ということで、さっそく冒険者ギルドで依頼を受けてお金をため、奴隷を増やしながらほかの神器を探しに行こう」
「「はい」」
「うむ・・・ん?神器探しじゃと?」
「そう、ほかにも神器はあるでしょ。それを探そうかなと思って。防具の神器も欲しいからね。装備全てを神器でそろえることができたら相当強くなれると思うんだよ」
「いや、あのですねマスター。本来神器というものはそう簡単に契約できるものではないんですよ」
「そうじゃぞ、そもそも簡単に見つけられるものではないからな」
「契約者は神器が自ら選ぶんやよ」
「妾達も自分たちでこの人じゃ!!と直感で感じたから主様のところへ自ら来たのじゃ」
「まぁ、神器自身に選ばれたのであれば、どこかで必ず巡り合うことになりますからね」
そうか、神器自身に選ばれなければならいのか。召喚初日に3つもの神器と契約できた僕は相当運がよかったんだろうね。
「まぁ、わかったよ。僕は自分のスキルを増やすことを優先させることにするよ」
そう決めた僕は3人に神器に戻ってもらい冒険者ギルドに向かうことにした。




