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第27話 異世界初の奴隷商

小金貨5枚、大銀貨5枚での部分で大銀貨の枚数が抜けていたので修正しました。

「いらっしゃいませ、本日はどのようなご用件ですか?」


 中に入ると、スキンヘッドで体のでかい強面のお兄さんが、優しそうな声で挨拶をしてくれた。


(見た目と声のギャップが激しすぎるでしょ!!)


「奴隷を購入するために来ました」

「わかりました。では、支配人を呼んで参りますのでこちらの部屋で少しお待ちください」


 部屋に案内されると強面のお兄さんは部屋を出て行った。


「ここは商談するための部屋なんだろうか」


 部屋の中を見回してみると、高そうなものは置いてあるが派手さはなくシンプルで落ち着いた雰囲気の部屋になっている。まぁ、美術品の価値とかよくわからないけど、この部屋は全く嫌味にならない。


 コンコン


「お待たせしました。私はオルクス商会の支配人をしておりますオリバー・オルクスと申します」

「これはご丁寧にありがとうございます。冒険者のユーリです」

「本日は奴隷の購入を希望とのことですが宜しいでしょうか?」

「はい」

「分かりました。ちなみにですが予算はどれくらいでお考えでしょうか」

「奴隷の値段がどれくらいなのかわかりませんが、一応200ルダくらいですね」

「なるほど、それでは何かご希望はございますか?」


 僕みたいな子供にも丁寧に対応してくれるとは、なかなかに好感を持てる人だね。


「ええ、実は女性で職業が錬金術師である奴隷を探しているのです」


 僕は男性の眷属化ができないため必然的に女性の奴隷しか購入できないんだよね。


「女性で錬金術師ですか。そうですね、錬金術師の職業自体が珍しいためその奴隷となりますと殆どで回らないのですが、今回は運よく一人だけおりますね。ただ、少々難がありましてね」


 オリバーさんは困ったような、難しそうな顔をしている。


「何か問題があるのですか?」

「ええ、実は何人かの貴族様が購入されたのですが、購入された次の日には皆さま返品に来られるのですよ。しかも購入した本人ではなく使用人が返しに来られるんですよね。なんでも、全員アレを噛み切られてしまったらしいのです。幸い魔法によって皆様回復されたようなのですがね」

「・・・そ、それは男としては怖いですね・・・」


 今の話を聞いてつい内股になてしまった。あれを噛み切られるとか相当痛いだろうなぁ。てか怖い。


「それでこれ以上怪我人を出さないために購入者の条件を付けることにしたのですが、自分が認めた人以外には絶対に買われないとか言い出してしまったのです」

「思ったのですが奴隷って主人に反抗することができるのですか?」

「いえ、できませんよ。命令を無視したり主人を傷つけようとしたら首輪の制約が働き死ぬほどの痛い激痛を受けます。ただ、彼女はそれを無理やり我慢しているらしいんです」


 死ぬほど痛い激痛ってどれくらいか想像できないな。それを耐えるって相当だよね。


「なるほど、わかりました。それでは一度見せてもらってもいいですか?」

「わかりました。連れてきますので少々お待ちください」


 オリバーさんはそう言って部屋から出て行った。それから少しすると後ろに一人の女の子を連れて戻ってきた。


「こちらが、その奴隷で名前をミリアといいます」

「ミリアです」


 紹介された奴隷は僕の予想を大きく外れていた。なんと出てきたのは、身長140センチくらいの美少女だった。僕は話を聞いていた限りだとてっきり20代くらいの美女かと思っていたけど、実際は中学生くらいの美少女だった。

 なんと銀髪で右が紫眼で左が金眼のオッドアイに陶器のような白い肌はまるで生きた人形のようで儚げな印象を受ける。胸は服の上からだが多分Cカップだろう。なんというかフローラのような王女様とは違った美しさがあるね。


「初めまして、僕は冒険者のユーリです。君は錬金術師の職業であってるかな?」

「はい」


 僕は鑑定眼で錬金術師であることを確認したが本人にも直接確認を取った。

 

「なら、錬金術のスキルは持ってる?」

「はい」

「君は錬金術のスキルレベルはどれくらい?」

「はい」

「・・・君は錬金術以外には何ができる?」

「はい」

「・・・・・君は処女かな?」

「はい」

「・・・・・・・・・」


 さっきから顔を赤くして「はい」しか返ってこない。


「おーい、話聞いてる?大丈夫かい?」

「・・・ッハ!?も、申し訳ございません!?」


 僕が声をかけながら肩を揺すると彼女はハッとして急いで謝罪をしてくれた。


「お客様、先ほど言ったように彼女の購入条件は彼女自身が認めることになっているのですが2人で話してみますか?」

「そうで「ご主人様、私を購入してください!!」すね・・・」


 そうですねと答えようとしたら声をかぶせるように言ってきた。


「話をする必要はないようですね」

「見たいですね」


 なんか普通に認められたようだ。


「では、彼女の値段について話し合いましょうと言いたいのですがまずは奴隷について詳しく説明しましょう」

「ありがたいんですけど、知識がないまま購入してもらったほうが高く売れるんではないですか?」


 僕は思ったことを聞いてみた。わざわざ説明せずに売ったほうが値段を高くして売れると思うから。それで購入したらそれは勉強不足だった本人が悪いからね。


「ハハハ、気にしなくていいですよ。貴方はいずれ大きなことを成し遂げるような気がするんですよ。商人の勘ですがね。それに、貴方はオリバー奴隷商会の優良な顧客になってくれる気がしますからね。ちなみにこのオリバー奴隷商会の本店は王都にあります。そして、支店は各国や街などに複数店あります。奴隷商会の中では一番大きいですからね」

「なるほど、そういうことですか」


 確かに、僕は眷属使いだから眷属を増やそうにも普通では難しいからね。


「それでは説明しますね」


 それからオリバーさんは詳しく説明してくれた。


 まず、奴隷には借金奴隷、性奴隷、犯罪奴隷、違法奴隷、戦争奴隷がある。そして奴隷は主の持ち物である。

 借金奴隷は借金による奴隷落ちした者や身売りした者たちのことだ。最低限の衣食住は保証されており、また殺害することも禁止されている。

 性奴隷は借金奴隷の中でも性的な行為を許可している者たちだ。基本求められた場合は断ることはできない。身売りする際に性奴隷にすると値段が上がるためこちらを選択する人たちもいる。

 犯罪奴隷は犯罪を犯した者たちのことだ。犯罪奴隷は一切の人権が与えられてないため何をしても許される。

 違法奴隷は闇市や裏オークション等で売られる奴隷狩りなどに捕まって奴隷にされた者たちだ。基本的に違法奴隷は禁止されているが貴族の中にも所有している者たちは結構存在する。

 戦争奴隷は、敗戦した国の捕虜のことだ。これも犯罪奴隷と同じで一切の人権が認められていない。また、戦争によって敗戦した国の王族や貴族の殆どはこれになる。


 奴隷の値段はほとんど決まっており、種類、種族、性別、年齢、職業、ギフトの有無などによって値段が上乗せされる。

 子供よりも大人のほうが値段が高くまた、男性よりも女性のほうが値段が高くなっている、そして、老人になると値段は一気に下がっている。また、人族よりも亜人のほうが値段が高くなっている


「それでは、彼女についてきめましょう。彼女は性奴隷になります。元々は田舎の村に住んでいたのですが村の不作が続き収入に困ってしまったため家族によって性奴隷として売られたのです。性奴隷であり見た目麗しく処女ではありますが平民のですので大体50万ルダくらいでしょう。そして彼女は珍しい職業である錬金術師になるのでそれを考慮して55万ルダですね」

「分かりました。それで問題ありません」

「おや、値段交渉はよろしいのですか?」

「そうですね、オリバーさんは僕にいろいろと教えてくれましたし、僕自身が彼女はそれほどの価値があると思いますから。それに、彼女を見たところしっかりと食事もさせており、衛生面でもしっかりと世話をしているのが分かりますからね。それに話してみて、貴方は善意で奴隷商をやっていることが分かりましたから」

「ふふ、貴方はやはり私の思った通り面白い方ですね」

「ありがとうございます」


 そういって僕は硬貨を袋から取り出すふりをして時空間収納から取り出した。


「小金貨5枚、大銀貨5枚でちょうど55万ルダですね。ちなみに首輪ですが金属製のものと革製のものがございますがどちらにしますか?

「革製でお願いします」


 革製でお願いすると現在ついてる金属製の無骨な首をを外され革で出来ているチョーカーのようなものに変更された。


「では奴隷契約の移行をします。片方の手を出して血を一滴、首輪のここに垂らしてください」


 僕はオリバーさんに言われたように首輪にある魔法陣に血を一滴垂らした。


「はい、これで契約は完了です」

「よろしくお願いします、ご主人様」

「こちらこそよろしくね、ミリア。オリバーさん、いろいろとありがとうございました。また、奴隷を購入する際はよろしくお願いしますね」

「はい、こちらこそ今後も御贔屓にお願いします」


 僕はミリアを連れてオリバー奴隷商の建物を出た。

 ちなみにだけど、ここオリバー奴隷商イーダン支店はオルクス商会の系列店みたいでほかにも服屋などもや経営しているようだ。オリバーさんは今日はたまたまこの街に来ていたようだ。


「さて、ミリアちゃんには大事な話をしないといけないんだけど」

「ミリアと呼び捨てにしてください、ご主人様」

「わかったよ、ミリアそれで大事な話なんだけどまずは僕が止まっている宿に戻ろと思うんだ」

「分かりました」


 僕はミリアをつれて現在止まっている宿に向かった。問題は奴隷が泊まれるかどうかなんだよね。しかもお金は王国が払っているし。鈴華たちはこの時間は多分まだ帰ってきてないだろうからすれ違うこともないだろう。

 僕はミリアが泊まれるか心配しながらも宿に向かった。

 宿に向かっている間、ミリアは終始無言であった。なぜかずっと顔が赤いんだけど、風でも引いてるのかな?

次回の更新は明日になります

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