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第26話 宝石の換金と図書館

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」


 宝石専門店に着いた僕たちが扉を開けて中に入ると女性の店員さんが笑顔で挨拶をしてくれた。


「宝石を売りたいんだけど鑑定を頼めないでしょうか?」

「分かりました、こちらについてきてください」


 僕たちは店員さんに連れられてカウンターの前まで聞いた。

 こちらは買取専用のカウンターのようだ。やっぱり高級宝石店になると買取とレジが分かれているようだ。

 ちなみにこの場所はフローラに教えてもらったこの街一番の宝石店らしい。貴族などもよく利用するだとか。


「では、鑑定する宝石をここに出してください」

「分かりました」


 僕は宝箱から手に入れた宝石の中から5つだけを出すことにした。残りは別の機会に換金することにする。


「なるほど、すべて品質がとても高いですね。素晴らしいものばかりです。それではお預かりします」


 店員さんは宝石を入れ物ごともって奥へ入っていった。

 それから20分ほどすると店員さんが走って戻ってきた。


「こ、この宝石はどこでてにいれたものですか!?」

「普通にダンジョンの宝箱からですよ」

「なるほど、ダンジョン産なのですね。それでは鑑定結果ですがすべて最高品質になっておりルビーが370万、サファイアが330万、エメラルドが300万、アレキサンドライトが240万、ヘリオドールが110万で合計1350万ルダになります」


 おぉう、まさかヘリオドールが100万いくのは予想外だったよ。日本では数万円でしか買い取ってもらえないってネットに書いてあったからね。異世界ではどうなんだろうと思って、日本で高い4つの宝石に1つだけ混ぜて出してみたけど、この世界では日本と違ってどんな宝石でも高い値段が付けられるらしい。ただ、ルビーなどは日本と違ってダンジョンでよく発見されるため値段が低くなているようだ。


「それでお願いします」

「ありがとうございます。こちらが大金貨1枚、金貨3枚、小金貨5枚になります。お確かめください」

「はい、大丈夫です」


 数えるとちゃんと枚数はあっているようだ。


「ああ、すみません。私はここ宝石専門店グランジェリーのオーナーをしておりますイーザと申します」

「オーナーだったんですか!?すみません、まさかオーナー自らが対応してくれるとは思っていませんでした」

「ふふ、大きなお店では普通はオーナー自ら店員として働くことは無いですからね」


 どうやらイーザさんは自らお客さんと接することで勉強をしているらしい。

 すごく好感が持てる人だね。


「それでは、失礼しますね」

「ありがとうございました。またのご来店お待ちしております」


 僕たちはイーザさんに挨拶して宝石店を出た。


「それにしても素材と合わせて1524万になるなんてダンジョンはすごいね」

「いえ、普通上層のしかも初心者ダンジョンと呼ばれているところでこんなに稼げることなんて普通ありませんよ。それこそ中層以降でないと難しいですよ」

「え、そうなの?」

「悠璃さんがすごい運の持ち主だからですよ」


〔称号豪運の持ち主、スキル〈豪運Lv1〉を獲得しました〕


「お?」


 まじか、また運が上がったようだ。


「どうしたんですか?」

「どうやら、スキル〈豪運〉と称号豪運の持ち主を獲得したようだよ」

「兄さんの運がまた上がったようだ」

「いっそのことどこまで上がるか気になってくるわね」

「このまま上がり続ければ生きているだけで金貨が降ってきたりしてね」

「さすがにそれは怖いよ」


 まぁ、那月の言う通りどこまで上がるか気になるね。


「それじゃ、そろそろお昼だしどこかで昼食を食べながら報酬を分けようか」

「「賛成です!!」」


 僕たちはこの間入ったレストランで食事をすることにした。

 ちなみにお金は一人304万8千ルダとなった。金貨3枚、大銀貨4枚、銀貨8枚だね。ただ、硬貨の枚数が足りなかったため、結局役所にいって両替してからわけることになった。

 お金を分けた後は皆で街を散策した。前に行けなかったところが沢山あったからね。それから夕食をみんなで食べて宿についてからはすぐに解散となった。宿は男性と女性で分かれて離れているから一人で部屋まで歩いて行った。といっても、腰にはチェーンでソフィーが、左右にニーアとレヴィがそれぞれ差さっているけどね。一美、二夜、三津紀はお留守番である。


「ふー、疲れた。明日から3日間はいろいろやることがあるから今日は早く寝ないとね。その前にお風呂に入るけど」


 僕は一人で風呂場へ向かった。そう、一人でなのだ。今日は珍しくソファーたちは何も言ってこなかった。どうやら彼女たちも成長してくれたようだ。

 ・・・・と思った時期もありました。


「どうして、入ってくるのかなぁ君たちは」

「そこに主様がいるからじゃ!!」

「マスターのいるところに私ありですよ」

「うちが一緒に入りたいからやな」

「はぁ~」


 結局3人と3匹と入ることになりました。リトルスライム3匹組も来たけど彼女たちは見た目がスライムだから問題ないのです。


 精神的に疲れたがお風呂から上がってすぐに僕はベットに入り慈愛の女神様にお祈りをしてから寝た。


 ♦


 翌日、起きるといつもと同じように3人が僕の布団の中にいた。もう慣れたけど。ただ今日はいつもと違ってリトルスライム3匹も僕の布団の中にいた。スライムはひんやりしていて抱き心地が最高なんだよね。


「さて、みんな起きる時間だよ。今日は午前中に図書館いって、午後から奴隷商を見に行くからね」

 

 僕は今日の予定を3人と3匹に伝えると直ぐに寝間着から着替えた。今日は魔物と戦うわけじゃないから普通の私服に着替えた。

 それから、3人と3匹を連れて朝食を食べてからと最初に図書館へ向かった。


「マスター、図書館へは何しに行くんですか?」

「錬金術について調べようと思ってね」

「錬金術ですか。私の能力が解放されていれば直ぐに調べることが出来るんですが・・・」

「ごめんね、僕が弱いばっかりに」

「い、いえ、マスターが悪いわけではないんです!!だから気にしないでください!!」


 彼女たちのためにも早くレベルを上げないとね。


「さて、図書館に着いたけど思ったよりも大きいね」


 図書館は日本のものと比べると小さいが、それでも学校の対区間くらいのサイズはある。


「おはようございます。初めて見る方ですね。図書館の利用は初めてですか?」

「はい」


 声をかけてくれたのは20歳くらいの金髪の女性だった。耳が長く尖っているから多分エルフなのだろう。それにしてもエルフを見たのは初めてだね。顔はしっかりと整っており美人だ。ただ、胸には2つの大きな実がありエルフらしからぬメリハリのある体をしている。エルフって、みんな貧乳だと思っていたよ。僕の偏見だけど。


「では、説明させていただきますね」

「お願いします」

「まず、ここの利用には銀貨1枚かかります。利用時間に制限はありません。また、本は持ち出し禁止です。本を損傷した場合は賠償として大金貨1枚を払ってもらいます。それと、利用の際は周りの迷惑になりますので騒がないでください。以上ですが何かわからないことはありますか?」

「いえ、大丈夫です」


 そう言って僕は銀貨1枚を支払った。


「ところで、錬金術に関する本を探しているのですが」

「錬金術に関するものですね、少しお待ちください」


 そう言って司書の女性はカウンターを出て本を探しに行った。

 それから少しすると5冊の本をもって戻ってきた。


「お待たせしました。こちらが錬金術に関する本です」

「わざわざありがとうございます」

「いえ、これも私の仕事ですのでお気になさらず」


 僕は司書の女性にお礼を言ってさっそく席に座り本を読み始めた。


「最初の本は錬金術についてだね。えーと、錬金術とは魔力によって物質を変化させるものである。ただし、無から有を作り出すことはできないか」


 錬金術には錬成や製錬などがあり、魔力を使用して鉱物から金属を取り出したりポーションを作成したりできる。他にも武器に付与を行うこともできる。他にもいろいろできるらしい。


「なるほど、ラノベでよくある錬金術と同じような感じってわけだね」


 速読のスキルを所持しているため1時間もかからずに1冊を読み終わることが出来た。


「次は錬金術の基礎だね」


 錬金術の基礎として最初は木の枝などの物質の形を変形させることから始めるようだ。変形は材質によって必要な魔力量が異なるらしい。また難易度も上がるようだ。


「なるほどね」


 それから3時間ほどで5冊すべてを読み終わった。途中で速読のレベルが上がったため読むスピードが速くなったんだよね。

 読み終わった本はどこに置いてあったかわからないため司書の人に聞いたら本を返却する場所があった。

 本を返却した後はすぐに図書館を出て奴隷商へと向かった。


「錬金術については分かったけど、実際に試してみないとスキルを習得できるかわからないんだよね」


 そう、錬金術については分かったけど確実に習得できる方法が分かったわけではないため、先に奴隷を見に行くことにした。お金は300万以上あるし多分足りるはず。足りるよね?

 それから歩くこと20分ほどで奴隷商に着いた。今回行く場所は国から認められている正規のお店であるため何の心配もないはずだ。


『マスターのいた国には奴隷は存在しないんですよね』


「そうだね、確かに今はいなかったけど、昔は奴隷がいたらしい。それにここは日本ではなく別の世界だからね。その世界にはその世界のルールが存在するから別に奴隷に忌避感はないし、奴隷制度をなくそうとも思わないよ。ただ、可哀そうだとは思うけどね。それに、僕は奴隷ってだけで差別したりするつもりはないし普通に接するつもりだよ」


『さすがは主様じゃな』

『さすがはうちが見込んだ主やな』


「日本人としては普通だと思うけどね」


 初めての奴隷に緊張するけど意を決して僕は奴隷商の中に入っていった。

次回の更新は明日になります

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