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第24話 今日までの濃い時間

街に到着したころには夕方になっていたので、今日は宿に戻りみんなで夕食を食べてからは各自の部屋でゆっくりすることにした。


「はぁ、ダンジョン攻略終わったよ。久しぶりにお風呂に入れるね」


 僕たちが止まっている宿はお風呂がついている高級宿だ。しかも、個室についている。なんでも勇者様やフローラを安い宿に止めるわけにはいかないということらしい。ちなみにお金は全て王国持ちだ。

 

「お疲れさまでした、マスター」

「主様のレベルが上がったおかげで妾たちも新しい能力が解放されたのじゃ」

「初めてなのによくできてたで」

「ありがとう、3人とも」


 レヴィ、ソフィー、ニーアの3人は部屋に入ったらすぐに人化した。


「じゃあ、僕は風呂に入ってくるからみんなはここで待っててね」

「何を言っておる。主を癒やすのも妾たちの役目じゃぞ」

「なんなら、下のお世話をしてもかまわへんで」

「確かに、ニーアの言う通りマスターを癒やすのも神器の役目ですね」

「いや、神器にそんな役目はないから。というか、ダンジョンから帰ってきたばかりですごく疲れてるから、一人でゆっくりさせてほしい」


 ダンジョン攻略中はゆっくりと休むことが出来なかったから、今日くらいはゆっくりとしたい。


「まぁ、主様がそう言うなら仕方ないのじゃ」

「そうやね」

「今回は諦めましょう」


 どうやら3人は諦めてくれたようだ。

 僕は一人で風呂場に向かった。


「ふぅ~、やっぱりお風呂は最高だね。日本人としては、やっぱり毎日入りたいよね」


 僕はこの世界に召喚されてから、今回のダンジョン攻略までのことを思い出している。


 教室でSTが始まろうとしたら急に魔法陣が現れて、異世界に召喚された。それから、召喚主であるフローラの案内で謁見の間へ行き、国王に殺されかけた。


「まさか、いきなり殺されかけるとか本当にびっくりしたよ。あぁ、思い出すとイラッとしてくるね」


 職業はこの世界で最弱と呼ばれる眷属使いで、しかも勇者を奪われていた。


「最初は、僕に対してこの世界はハードモードすぎるだろうなんて考えたからね。みんなレア職だったし。一応、眷属使いも超レア職だけど」


 そして、死にかけてる僕に召喚主であるフローラが必死に回復させてくれてくれたおかげで僕は何とか助かった。話によると、部屋に運ばれた後にフローラ以外にもヒーラー系職業だった子も回復を手伝ってくれたらしい。


「フローラには本当に感謝してるし、回復を手伝ってくれた子にもしっかりとお礼を言わないとね。何かプ助けてくれたお礼にプレゼントを上げるのもいいかも」


 死にかけてる間には、聖剣の慈愛剣トゥリフェロニーアであるニーア、魔剣の宿木剣レーヴァテインであるレヴィ、魔導書の叡智の教本 ソフィアーであるソフィーと契約することになった。しかも、3人は普通の魔道具(アーティファクト)ではなく神によって作られた神器と呼ばれるものだった。


「将来的には神器集めの旅なんてのもしてみたいよね。僕自身の強化もできるからね」


 回復して目が覚めてからはステータスの確認をして眷属使いの職業が本来のものと異なっていたことに気づいた。おかげで、生物上雄になるものを眷属化できなくなったけど、代わりに制限が緩くなったんだよね。おかげで、強さに関係なく眷属化を行えるようになった。


「慈愛の女神さまには本当に感謝だよ」


 ちなみにだけど、毎日寝る前に慈愛の女神さまにお祈りしている。


「今度、慈愛の女神様を信仰している教会にお祈りしに行かないとね」


 最初に鈴華と那月を眷属化したけど、魔力量を考えずに行ったために魔力欠乏症で倒れたんだ。


「あれは、本当にきつかったね」


 目が覚めた後は夕食を食べに食堂に行ったんだけど、そこに国王が何事もなかったかのように表れて第一王子を連れてきたんだ。


「まさか、殺そうとしておきながら何事もなかったかのように表れたのはマジでむかついたよ」


 次の日からは訓練が始まった。最初にスキルの有無を確認してから武器を選んだ。それが終わってから訓練が開始したんだけどいきなり10周走れって言われたんだ。


「いきなり10周走れとか無理だろって思ったけど、ニーアの身体強を使用して何とかクリアできたんだよね」


 それからダンジョンに行くことになってパーティを組んだんだ。那月、鈴華、颯の3人とパーティを組んだけど、その時に一人でいた雪乃をパーティに誘った。

 

「4人がパーティを組んでくれて本当によかったよ。僕自身は弱いから彼女たちには本当に助けられた」


 それから、訓練を続けダンジョンのある街に向かった。ダンジョンへは3つのグループに分かれて1日ずつずらして挑戦したんだ。

 僕たちは魔物と戦うのが初めてだったから、ダンジョンに入るときは心配だったけど、鈴華たちの活躍でそこまで強くないってことが分かり、順調に進めたんだよね。

 3階層では隠し部屋を発見してモンスターハウスの罠を起動させて大量の魔物と戦った。そのあとは、宝箱を開けたんだけど、なぜか低階層なのにスライムジュエリーや万能薬なんてものが出てきた。


「今考えても、低階層で万能薬なんておかしい過ぎるでしょ」


 それから、休もうと壁に背中を預けたらなぜか壁が消えて下に落ちたんだよね。そこで今は僕の眷属である3匹のリトルスライムの一美、二夜、三津紀をテイムした。それから、鈴華たちと合流して部屋にあるすべての鉱石などを回収して部屋を出た。部屋を出てすぐのところに階段があり4階層に降りてから探索を進めるとなぜかセーフティエリアに到着したんだ。それで、休憩していた十六夜さんに聞くと5階層であることが判明した。せっかくだからとそこで休んで次の日にはボス部屋まで攻略を進めた。

 ボス部屋に着くと万全の状態でボスに挑むために休んで、次の日にボスに挑戦した。

 ボスはオークの上位種であるハイオークだったけどレベルアップしていた僕たちは苦戦することなく倒すことが出来た。そして、報酬の宝箱を開けるとなぜかまたスライムジュエリーが出てきた。三津紀に食べさせてあげたけど。


「あの時のみんなの反応は面白かったなぁ」


 部屋から出るとそこには騎士団のベインさんがいて、僕たちが4番目の攻略パーティだということを教えてくれた。


「まさか、3日目から攻略を始めたのに4番目っていうのは驚いたね」


 僕たちはアルフレッドさんに報告をして、ライラさんの案内でこの街に戻ってきた。


「それにしても召喚されてから今日までの短い間にいろいろあったよね。日本にいたときには考えられないほどの濃い時間だったよ」


 僕は、日本にいたときよりも充実している今の生活をとても気に入っている。だけど、僕たちが急にいなくなってしまったためと父さんや母さん、親族の人たちみんなが心配してると思うから元の世界に何としても戻らないといけないんだよね。


「この世界と地球を行き来できるようになればいいんだけどなぁ」


 僕は地球とこの世界を行き来できるようにする方法をこれから探していくことにした。


「さて、久しぶりにゆっくりできたしそろそろ上がって寝ようかな」


 僕は体と頭を洗ってからお風呂を出てそのままベットで横になった。すると、近くに3人がやってきた。彼女たちと契約してからずっと一緒に寝ているため今では殆ど気にならなくなった。


「明日何やるかは明日になってから決めればいいよね。3人ともおやすみ」


 僕は3人の返事を聞きながら目をつぶった。

次回の更新は明日になります

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