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第23話 ボス戦の報酬と街への帰還

多分あと2、3話ほどで1章は終了です。2章からまた新しいキャラが出る予定です。

「さてさて、今回は何が出るかな」


 みんなの希望により僕が宝箱を開けることになった。

 前の時も思ったけど、やっぱり宝箱を開ける瞬間はとてもワクワクするけど同時に緊張もする。何が出るかわからないからね。とはいえここは初心者ダンジョンと呼ばれている低階層だ。前回は隠し部屋だったために低階層にもかかわらず、大当たりだったとは思うけど今回はさすがにないだろう。ないよね?


「兄さん、宝箱に手を置いた状態で止まってないで早く開けて」


 僕が、そんなことを考えていると鈴華に早く開けるように促された。


「ごめんごめん、少し考え事してた。じゃあ、開けるよ」


 僕はワクワクする気持ちを抑えてゆっくりと宝箱を開いた。


「何が出るかな?お、2つ入ってるよ」


 中には透き通るような水色の雫型の宝石とブレスレットらしきものが入っていた。


「ん?雫型の宝石ってつい最近もどこかで見たような・・・?」


 そう言って僕は、宝石を取り出して掌に載せた。


「うーん、やっぱり見覚えがあるような気がする」

「ちょ、ちょっと待ってください!!」


 あれ?なんかデジャブを感じるぞ。前もフローラが同じ反応をしていた気がする・・・


「ああ、これスライムジュエリーだね」

「スライムジュエリーだね。じゃないですよ!!こんな低階層で2つも当てるなんてどんな運をしているんですか!?」

「いや、僕にそんなこと言われてもねぇ」


 プルプルッ


 僕とフローラがそんなやり取りをしていると服の中に隠れていた三津紀が出てきてきた。

 僕がスライムジュエリーを近づけると凝視して体を大きく揺らしている。


「これが食べたいの?」


 ポヨンポヨン

 プルプル


 どうやら、また食べたいらしい。


「よし、分かった。これは三津紀が食べていいよ」

「「ええええええ!!」」


 僕がスライムジュエリーを差し出すと三津紀は嬉々として体内に取り込んで捕食し始めた。

 とてもおいしいみたいで三津紀が喜んでいるということを前よりもはっきりと感じることが出来た。どうやら眷属化したことで繋がりか強くなり前よりもはっきりと感情を感じることが出来るようになったようだ。


「悠璃さん、なんてことをしてるんですか!?」

「ちょっと悠璃何してるのよ!?」

「いや、なにしてるって言われても戦争が起きるような危険なものを持っていたくないからね。ただ、捨てるのももったいないし危ないから宝石が好物の三津紀に食べさせてあげれば安全に処分できるからね」


 悠璃はこんなもので戦争が起きたら、嫌すぎるだろうと思いと三津紀に好きなものを食べさせてあげたいという思い、ついでに安全に処分できるということで貴重なスライムジュエリーをためらいもせず三津紀に食べさせた。

 まぁ、フローラからしたら絶対にありえないことだし、那月は綺麗な物で特に宝石が好きと、いうより好きな人から綺麗な宝石を貰いたいっていう夢があるみたいだしね。前に言ってた。


「まぁ、ほかにも鉱石や宝石は沢山手に入れたんだしそこまで気にする必要はないよ」

「「はい・・・」


 2人はしぶしぶだが納得してくれた。


「ここまでスライムジュエリーの話になっていたけど、宝箱にはもう一つ入っているよ」

「すっかり忘れていました」

「そういえば2つ入ってるっていてたわね」


 2人はスライムジュエリーのことですっかり忘れていたらしい。


「鑑定するから少し待ってて。もしかしたら呪いの装備かもしれないし」


 僕は皆にそう言って鑑定眼を発動させた。


【名前】無名のブレスレット

【品質】最高品質

【ランク】-

【分類】装飾品

【効果】スロット1 スロット2 スロット3 スロット4 スロット5

【詳細】何の効果も付与されていない無名のブレスレット。最高品質のため普通よりも多く付与することが可能。


「無名のブレスレットというようだよ。装飾品みたいだけど何の効果も付与されていないね」

「武器や防具には効果の付与をするためのスロットがある場合が存在します。これは作り手や品質によって付与できるかや可能な個数が増えたりします。ダンジョンで見つかる武具や防具は殆どが最初から付与されているか不可能なものが多いです。しかし、無名シリーズは必ず付与するためのスロットがあります」

「なるほど、何も効果がないから名前が付けられない。だから無名なんだね」

「そういうことになりますね。ちなみに、付与された個数や効果によって名前が付き、ランクが変化します」


 どうやら、自分の好きな効果を付与できる装備のようだ。フローラによると自分の好きな効果が付与できるものはほとんどないため特に冒険者に人気があるらしい。


「ちなみに、付与はどうやって行うの?」

「大体は、鍛冶師のところにもっていって付与をしてもらいます」

「大体はね。なら、ほかにも方法があるということかな」

「私も詳しく知りませんが、錬金術などでも同じようなことが出来ると聞いたことがあります」

「錬金術かぁ、僕もスキルが欲しいんだよね。統廃合だとスキルの統合には向いているけど、物に対してはあまりなんだよね」


 統廃合は確かに物を融合させることが出来るけど、それはあくまで統合であり、錬金術のように鉱物を金属に変えたり、加工したりすることが出来ない。まぁ、簡単に言えば錬金術みたいに応用が利かないというわけだ。まぁ、もともと何かを創るのは好きだし、錬金術が使えれば自分で好きな武器などをつくることができるからね。例えば拳銃とか因果逆転の呪いを持つ槍とかね。最後のは無理だろうけど・・・


「まぁ、付与は後々考えるとしてできれば無名のブレスレットは人数分ほしかったね」

「悠璃くんの運ならそのうち直ぐに手に入るんじゃない?」

「そ、そうですね。悠璃さんならそうかもです」

「そうかな?そうならいいなぁ」

「そろそろ、ボス部屋を出ませんか?中にいる人たちが出ないと次の方たちがボス部屋に入れませんので」


 フローラに言われて僕たちはすぐにボス部屋から出ることにした。


「こっちの奥の扉から出ればいいんだよね?」

「はいそうです」


 僕たちは入ってきた法とは逆の扉から部屋を出た。ボス部屋を出るとそこには下へ降りる階段と、よくわからない機会があった。


「フローラ様、ご無事で何よりです。皆さんもお疲れさまでした。初のダンジョン攻略おめでとうございます」

「ありがとうございます。貴方は確か騎士団のベインさんでしたよね」


 すぐ近くから声がかかり、そちらを見ると騎士団のベインさんが立っていた。


「はい、皆さんフローラ様を守ってくださりありがとうございます」

「僕たちは当然のことをしただけですよ」


 それから、ベインさんにどうしてここにいたか質問すると、どうやら攻略が完了したパーティがこれ以上先へ進まない様にするためにいるらしい。


「それでは、この転送装置から地上にお戻りください。まだ、殆どのパーティがここにたどり着いていないので当分は休息日になると思いますよ」


 どうやら、僕たちは3番目らしい。やはり、1番は1日目からダンジョンに潜っている勇者パーティのようだ。僕たちは以上に早いペースで攻略してしまったらしい。まぁ、時間が余っているなら、好きなことが出来るからいいんだけどね。


「それでは僕たちは戻りますね」

「はい、上には団長がいると思いますので団長の指示に従ってくださいね」


 ベインさんに挨拶をして僕たちは地上へと転送装置を使って戻った。


「んん?おお、お前たちか。入ったのは4日前のはずだけどもう攻略できたのか?」

「はい、思ったより簡単でした」


 僕の言葉にみんな頷いている。実際にこのダンジョンで出てきた魔物は僕たちからしてみればそこまで強くなかった。最初は生き物を殺せるか心配だったけど、倒してみると案外何ともなかった。元からなのか召喚の際に変わったのかわからないけど。


「ははは!!そうかそうか!!よし、お前たちは攻略を終えたから街に戻ってもらうんだが俺はここを離れられないからな。さすがに、1回通っただけの道を覚えることは無理だから、代わりに俺の部下が案内することになっている」

「私はライラです。皆さん町までは私が責任をもって届けます。よろしくお願いしますね」

「「よろしくお願いします」」

「それでは、行きましょうか。団長、失礼しますね」

「おう、しっかり届けてやれよ」


 僕たちはライラさんの案内によって迷うことなく無事に街に到着することが出来た。

次回の更新は明日になります。

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