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勇者を奪われた眷属使いは何を目指す  作者: 悠華
序章 プロローグ
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第0話 召喚準備

初めまして。今回が初投稿となります。小説を書くのは今回が初めてですので、文章が拙かったり誤字脱字があるかもしれません。温かい目で見てくれるとうれしいです。

「はぁ〜、このままでは不味い。王国が魔国と近いっていう理由もあるが、最近は魔族の活動が活発になってきているし、帝国との争いも激しくなってきた。このままではいずれ戦争も開始されるだろう。それにしても、今まで大人しかった魔族がどうして急に活発に活動するようになってきたんだ?」


 ガターン!!


 執務室の扉を勢いよく開いて、一人の人物が飛び込んできた。


「陛下!例のものが見つかりました!!」

「なんだと?!それはまことか?」

「はい、研究班とともに古い文献を調べていたら過去の"勇者召喚"について描かれたものを発見しました。もう少しで解読が終了します」

「そうか、現在わかっていることだけでも報告しろ」

「はっ!まず、勇者召喚に必要な物は専用の魔法陣、大量の魔力、召喚魔法、空間魔法、時魔法が必要だということがわかました」

「わかった。解析が終わり次第、専用の魔法陣の構築を始めろ。大量の魔力については魔法師団を使い、召喚魔法はフローラが使用できる。それと、時魔法と空間魔法の所持者を雇うには結構な額のお金がかかる。代わりに時空間魔法でも問題ないかも調べさせろ。問題なければ召喚魔法と一緒にフローラにやらせる」

「了解しました。解析と同時に進めるように研究班に伝えておきます。それでは私は失礼します」


 男はそういって部屋から出て行った。


「やっと見つかったか。これで帝国との戦争に勝利できるし、魔族に抵抗することもできる」


 勇者召喚

 数百年前の魔王との戦争の際に使用された、大規模儀式魔術でこことは異なる世界から勇者を召喚する大規模召喚術だ。数万年前にこの世界に初めて魔王が現れ、人類種が滅亡の危機に瀕したときに女神さまから人類の希望として聖剣とともに託された魔術だ。これにより人類は女神さまの力を借りて、異世界から勇者の召喚に成功、ともに魔王を倒したといわれている。その時の魔法陣は文献に残され、過去幾度となく勇者召喚は行われ、世界を救っている。



「勇者として召喚された者達は必ずギフトを所有している。また、その殆どが戦闘職を所持している。そして、召喚された者の中には必ず勇者を持つものが現れる」


 勇者

 他の職業と比べて高いステータスと成長率を持っている。また、聖剣を装備できるのは勇者だけであり、専用のスキルも所持している。



 この世界にも勇者の職業を持つものは存在するが、それでも異世界の勇者の方が強い。


「魔王を倒し必ず我がアークライン王国を大陸一の国にしてやるぞ」


 一人の王の野望によって準備は拓実に進められていた。



「姫様、勇者召喚の準備が完了しました。これより最終確認に入ります」

「わかりました」


 私がそういうと皆最終確認を始めた。


 私は今回の勇者召喚は賛成ではなかった。勇者召喚を行えば他の世界の人を無理やりこの世界に連れてきてしまうことになるから。それに帰還のための方法も見つかっていない。



「はぁ~」


 私はため息をついた。

 これから私が行うことを思うとどうしても気が重くなってしまう。しかし、この世界が魔王によって危機に陥っているのも事実(そういうふうに伝えられている)であるから強く反対することができなかった。

 お姉さまは私の様子を心配してくれて最後まで反対してくれていたが、お兄様たちが賛成していたこともあり結局止めることはできなかった。



 勇者召喚は大人数で行う大規模儀式魔術で時魔法、空間魔法、召喚魔法のスキルを所持している者が魔法陣の術式を起動させ操作し、それ以外の者たちが大量の魔力を送ることで発動する。



 今回術式の起動と操作をするのは私一人だけになる。

 理由は大量のお金がかかるし、時魔法を所持しているものが現在この国にいないからだ。正確にはスキルを所持する者はいるかもしれないが見つけ出すことが出来なかった。それに私は、時魔法と空間魔法を合わせたギフトの時空間魔法を所持しているし、召喚魔法も習得してる。私一人ですべての条件を満たしているのだ。



「最終確認が終了しました。これにより、いつでも使用可能です」


 チェックの方も終わったようだ。


「分かりました。それでは勇者召喚を始めますので皆さん予定どうりの位置に移動してください」

「「はい!!」」


 私の合図でそれぞれ所定の位置に着いた。


「それでは術式の起動と詠唱を開始します」


 私は魔力を流して魔法陣の術式を起動した。


「術式の起動を確認、総員魔力供給を開始せよ!!」


 リーダーの合図で全員が魔力の供給を開始した。

 それに合わせて、私も詠唱を開始した。


 此処に願う

 魔力を素とし我が身を礎とし

 万象の理を紡ぎし節制の裁定者

 次元を繋ぎて我らは問う

 異界の地より降臨せしは勇気ある者

 過去に繋ぐは英雄譚

 未来に繋ぐは可能性

 我らが望みは世界の救済

 土星と双魚は正義のために

 獅子の女帝は悪を敷く

 女神が選びし新たな英雄よ

七天の輪より来たれ

人類の星よ、希望よ、今此処に



(ごめんなさい。私は継承権が低く力もないから、お父様を止めることができません。それでも私は願います。彼らに女神の祝福がありますように)


詠唱が終わると魔法陣は輝きを増した。


あとは最後の言葉を紡げば終了する。


“勇者召喚”


 魔法陣が地面から浮き上がり輝きを強くした。

 瞬間部屋全体を強い光が覆った。


 光が収まり目を開けてみると、目の前には沢山の人が倒れていた。


 勇者召喚は無事に成功したようだ。しかし、供給する魔力が多すぎたせいなのか、見たところ100人以上を確実に超えていた。



 召喚した者たちを確認しようと見回してみると一人だけ目を引く者がいた。中性的で優しそうな顔立ちでエルフを超えるだろう美形の私と同じくらいの歳の黒髪の少年だ。



 彼は、目が覚めたようで体を少し動かし周りを確認した。しかし、自分以外にまだ目が覚めたものがいないことに気づき、目を閉じてしまった。


 

 私は彼から不思議なものを感じた。

 

 彼を見ていると胸がドキドキして、鼓動が早くなるのを感じる。

 もっと近くで彼の顔を、可愛らしい寝顔を見たい・・・


(はっ!? わ、私はいったい何をしているのですか!? 彼はこの世界に来たばかりですし、話したこともないのですよ!! まさか・・・)


 私はそんなことを考えていることに気づき頭を振った。


(一目惚れしたなんて有り得ません。まぁ、確かに美形ですし、見た目も私の好みなのですが・・・)


「おぉ!!勇者様達がお目覚めになられたぞ。姫さま成功です」

「それは良かったです」


 私が心の中でそんなことを考えていると、私の護衛としてついてきてくれた騎士団長が声をかけてきた。


「ここどこだ?」

「さっきまで教室の中にいたはずだよね?」

「そういえば、足元に変な模様が急に表れたよな?」


 突然のことに困惑している人もいれば


「フフフ、これはまさしく異世界召喚!!」

「これからは我々の時代ですぞ!!」


 よくわからないことをつぶやきながら笑っている人たちもいる。


 先ほどから気になっている彼の方を見てみると隣いる女性とお話ししていた。


 その姿を見ていると、胸が締め付けられるような気持ちになった。


(こんなことをしている場合ではありません。皆様に挨拶をしなければ)


「私はこの国の第2王女のフローラと申します。皆さま、お目覚めになられてすぐで申し訳無いのですか、今から陛下のもとへご案内しますのでついてきてください」


 私はそういって謁見の間へ向かって歩き始めた。

本編前のプロローグです。

次回の更新は明日になります。

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