ログインから始まるパートナー
「皆ギアの設定は終わった?」
と和葉先生は自分の教え子に聞く。
「・・・終わりました」
「そのようですね!ではログインしてキャラメイクに入って下さい」
「は~い」
と教室の皆は答える。僕もログインしようとして始めてふと過る感覚。この感覚はまさか・・。
となると、
「怜那!」
と隣人の安否を確認するがも既に電脳世界に行っている。和葉ならと思い教卓の方に目を向けるも彼女も既にインしている。
殴って良いかな?
何はともあれ先にインされているので勘で入らなかったじゃ済まないな。仕方ない。手紙を簡潔に書き手首に巻く。後は皆と同じように椅子により掛かり起動する。
「コネクト」
意識がブラックアウトする中で僕はまた感じる。そして確信した。
これはデスゲームだと。
「遅かったわね。マイマスター」
と幼いような年老いているようで何とも言えない中性的な声が響く。
どうも椅子に座らされているらしい。
「やぁ初めましてと言ったところかね。四葉紘生くん。私は君専属の意思あるNPCと言ったところかな。名前はアルティア。」
と自己紹介を始めた。確か専属の意思あるNPCってプロゲーマーに多く付いているというか付いている人の多くがプロゲーマーになっているか何らかのゲームでトッププレイヤーである。
「まぁアルとでも呼んでくれたら有難いな。」
「はぁ。」
「テンション低いね。」
「気のせいだろ、というかキャラメイクは?」
「あまり変えすぎると動きに支障が出るからね。」
とアルティアが指をパチンと鳴らすと僕の姿をした人形が現れる。・・・二つほど。
片方は言わなくとも分かるけど
「何で女の子モデルも?」
「いやただの開発陣のお遊び。君みたいにかわいい男の娘に女装をさせないともったいないって。テヘ」
うん取り敢えずそいつら殺す。女の子ぽいまでなら許容範囲だが女装は殺す。
と思いつつ男性版は黒髪のままで目を右目は蒼く、左目は翠に。女性版は銀髪で目は赤で犬歯を伸ばし吸血鬼風に。
「へぇ~案外乗ってはくれるんだ。」
「一応な。わざわざ用意したんだ。何かあるのだろ?」
「察しが良いね。じゃあ次選ぶべきは種族やスキルなんだけど君は既に指定があるから人間ね。あとスキルなんだけどここでは経験が全てになる。意味は分かるよね?」
・・・成程ね。でも
「魔法はどうなるんだ?」
「ギフトスキルと呼ばれる3個以上の初期スキルがプレイヤーに与えられます。この質問で+2個ですけど。」
内訳的にはスキルの数は?と魔法についてでそれぞれ1個づつ増えるらしい。
「戦闘チュートリアルは可能か?」
「えぇというか和葉さんと怜那さんとその他数名の女性以外はとっと武器を選びフィールドに向かわれてしまいましたから。」
「デスゲームなのに?」
「えぇデスゲームなのにって何でデスゲームって分かったんですか?」
カマをかけてみると想定のどうりの反応だった。
「やっぱりな。」