戦いの果てに
「流石に俺も切れたぞ。愚者の支配域」
「させるか。デススペル」
「コネクト 暗者の領域」
愚者が何かを発動させようとしたがデススペルにユメがそこに暗者の領域と言う味方認識妨害を起こす魔法を発動する。
と更に配下の飽和攻撃が再開される。
「全員合わせろ。勇剣 暗殺剣 急所の心得 金剛剣 戦車・・・・」
全スキルを一気に発動させステータスを上昇させる。
「何もかも斬り裂け セフィロタブル・アサシネイション」
「赤よ蹂躙しなさい ガンローディア・クリムゾン」
「盾よ十となりて散拡せよ アクティブシールド・ブラストバッシュ」
「蒼よ無限の彼方に消し去りなさい。 アビス・ブルディア」
「火山よ神を薙ぎ給え アブソリュート・メイデン」
「22よ力一つに アルカナーム・フィニシャー」
僕たちは知らずの内にその莫大な攻撃力を誇るアーツを放つがこれを耐える。流石に皆は動けないようだ。
「ふん馬鹿な奴らだ。大人しく俺に」
そこで言葉を途切れさせる。・・・・死魔法派生分解魔法上位消滅魔法 存在剥奪それは禁忌に指定されているがついさっき解き放った誓約により僕は自由に行使できるようになった。
《レギオンボスが討伐されました。これよりプレイヤーの強制ログアウトを開始します》
とアナウンスが流れたの気付くと僕は虚空に居た。
「久しぶりね。紘晟君。」
「また会えて良かったよ。紘晟君」
「御久し振り。」
「久しいでござるな紘生殿。」
「夏以来ね。コウセイ」
と懐かしい声がする。
「皆さん、無事でよかった。」
僕はその声を聞きほっとする。天才少年永田悠太とその婚約者に親友夫婦が揃っていた。
「今回は君に助けられたよ。流石にアメリカもソ連も関わってくるとは思わなかったし家の会社のパッチに張り替えるのが遅れたのが原因かな。」
と頭を下げてくる。全員で。
「勘弁してください。表で生きる人間ですからミスは当然だし何より悪いのは実行犯です。」
と頭を上げてくれと頼む。僕はこの5人にはかなり感謝しているしいろいろと教えてくれたので恩義も感じている。この人たちのためなら手を全力で貸す。そう考えていた位に。
「まぁ君がそう言うのなら感謝する。それに滅ぼす時に元データを取って来て。」
と此方の行動を見透かされている。いやあの人がハッキングを仕掛けたのだろう。それぐらいなら多分寝ながらでもできるはずだ。
「じゃあそろそろ返すよ。」
その言葉と共に僕は現実世界への帰還を果たす。
一年後。
SOF事件と名付けられたデスゲームは死者419名と言う少なさで解決された。それにはAIを開発した少年永田悠太による緊急パッチが張られたおかげでそう死ぬ事が無かった。
更に謎の第三者からのメールによりたくさんの証言に情報が提供され原因となったソ連にアメリカは首脳陣の会話データと会議データのみが残されあとかたも無く消えていたとされる。
と言う事は如何でも良くて
「頼むよ紘晟。」
「はい。お母様もお父様も休暇を楽しんできて下さい。」
母さんから一族の表裏の仕事を任され始めて5カ月ほど。既に皆とも結婚をしておりそっちも方も既に由愛が第一子を孕んでいる。
そして僕の腰にはあの時の神刀がある。
「何だかんだで楽しんでいたんだな。」
SOFは名を変え過疎ゲームとして世に流れた。そして四葉家と一之宮家のバックアップがあり永田悠太により新VRMMOが展開された。
「紘晟、入るわよ?」
「どうぞ。」
と部屋の扉が開けられる。と明砂妃姉さんが赤ちゃんを抱えて入って来る。
「如何なの?茜ちゃんは。」
「それがもう可愛くて・・・。」
と完全に親バカと化した姉さん用にお茶を唯が入れる。
この日常を守れて良かった。そしてこの日々を大切にしていこう。