動き始める裏の師族
アルカナが集い始めてから数カ月。
「コウ!お願い。」
「少しは休ませろよ・・・。」
僕は刀を払いながらレーナのお願いを遠回りに拒否するのだが・・。
「実は・・・レギオンボスに婚約を申し込まれたのだけど・・。」
「「「・・・・」」」
「早くにゲームクリアが見込めそうだな。僕の予想では後1年は電脳世界に居る必要があると感じたのだけど。」
魔刀と聖刀を取り出し振る。
「で何処のどいつ何だ?その身の程知らずは?」
「0・・・夢想の愚者ですね。」
確かに愚者のアルカナは埋まっていないが・・・それ何か違うような気がするのは僕だけだよね。というか何してんだレギオンボス。色情魔なのかよ。
そう変な考えをしつつ僕は戦車と隠者のアルカナを纏う。
さてお仕事の時間ですか。
とある場所。
「どう言う事だ?何で溜まっていない?」
「分からないが・・・・。」
と男の報告が途絶える。それと同時にドアが消え去る。
「達也さんお願い。私は紘晟の仕組んだプログラムを解析するから。」
と若い女性の声がする。それと同時に今度は右手の銃の引き金が引かれる。それは彼女に莫大な処理を強いる魔法であるがその異能が関与している間は彼女の弟が持つ禁断の兵器さえも無効化される。
「分かったよ。琴音、じゃあ義弟の為にも頑張りますか。」
今度は若い男の声がし部屋中を隷属化させる。
「何だお前等は?」
「何でしょうね?ただ家の次期当主を舐めない方がいいわよ?あの子が持つ力を封印出来ているのはマグレに近いのだから。私はそのお零れに過ぎない。だから消えなさい。」
再度女性が銃口を向け引き金を引く。
「解析完了。後はコレを届けるだけね。・・・行くよ。」
「あぁ、パッチはしてあるよね。」
「勿論。お腹の子には少し負荷が掛かるかもしれないけど」
と2人の男女は体を寄せ合う。
まぁ死の枷が外れているとはいえ親戚が閉じ込められている牢獄に入る訳だ生存本能が何かを呼びかけたのだろう。
「「リンクスタート」」
その言葉が唱えられたのはとある女の子がとんでもない爆弾発言を投下した後だった。